東京オリンピックサーフィン代表選手の選考方法とは?

出典:WSLオフィシャルサイト
東京オリンピックのサーフィン競技では、男女20名の枠が設けられ、それぞれメダルを争います。
その20名の選考方法は、WSL(ワールドサーフリーグ)とISA(国際サーフィン連盟)のリザルトによって決定します。
本来は2019年のWSL年間ランキングの上位数名とISA主催大会の上位数名からの選考予定でしたが、開催が2021年に延期になったため2021年ISA主催イベント成績も選考対象となり、当初よりやや選考基準が複雑になりました。
しかし、この選考方法で各国2名までの枠を手に入れることができるようになりました。
そして先日、最終選考イベント2021年のISAワールドサーフィンゲームスが終了し、ついに東京オリンピックの出場選手が最終決定しました!
素晴らしい戦いが繰り広げられた今回の最終選考イベント

出典:ISAオフィシャルサイト
中米のエルサルバドルで開催された2021 ISAワールドサーフィンゲームス。
約50か国の選手団が集まり、残りわずかとなったオリンピックの出場権をかけて、1週間にわたる熱戦を繰り広げられました。
大会中の波は強弱はありながらも、終始パフォーマンスできるサイズをキープし、まさに世界レベルの戦いでした。
内定選手は条件クリアし途中欠場も
サーフィン強豪国であるブラジル、アメリカ、オーストラリアなどは、すでにWSLで男女ともに2枠の選手が内定してますが、今大会に出場することも選考条件だったため各国ともに出場しました。
しかし、ブラジルやアメリカの選手は1回戦を戦い途中欠場となりました。
アメリカ選手団は「他国選手の出場権利を阻むことはしたくなく、またオリンピックに向けての準備のため、やむなく途中欠場する。」とオフィシャルコメントを出しています。
このような行為には賛否も出ており、「今大会に出場する」という条件を設けたことが問題視されています。
サーフィンは、オリンピック競技として初めての選考基準を設けたわけですが、次回のフランスオリンピックでもサーフィン競技は開催される予定のため、今回の選考基準を見直す部分があるでしょう。
最終選考イベントで大活躍の日本代表選手たち!

出典:ISAオフィシャルサイト
一部強豪国の欠場があったとはいえ、オーストラリアやフランスなどの選手たちがいるタフな戦いのなか、日本は結果として総合2位の好成績を残しました。
個人の順位は下記の通り。
男子の部
- 五十嵐 カノア選手 2位
- 大原 洋人選手 4位
- 村上 舜選手 6位
五十嵐選手は今大会に出場することで、オリンピック出場は確定していました。
そのため、残り1枠を大原選手と村上選手で争うかたちに。
リパチャージファイナルヒートで当たった2人でしたが、今回は大原選手に軍配があがり村上選手は惜しくもオリンピック出場を逃す結果となりました。
オリンピックサーフィン競技会場でもある一宮町をホームとする大原選手のオリンピック出場がきまり、地元は大盛り上がりを見せてます。
ホームの波を知り尽くした大原選手なだけに東京オリンピックでのメダル獲得の期待が高まります。
女子の部
- 前田 マヒナ選手 8位
- 都築 有夢路選手 9位
- 松田 詩野選手 41位
日本女子は、2019年のISAサーフィンゲームスで松田選手が獲得したアジア枠の1枠を争いながらも、今大会の結果次第では2枠獲得もありえる状況となっていました。
各国の強豪選手がいながらも前田選手と都築選手が見事に、2枠を勝ち取りました。
両名ともWSLのクウォリファイ試合などでも好成績を残している選手ですので、女子も東京オリンピックでの活躍が期待されます。
東京オリンピック出場選手一覧
東京オリンピック本戦でメダルを争うのは男子20名、女子20名の選手たちです。
男女ともにアメリカ、ブラジル、オーストラリアなどの世界チャンピオンを輩出している強豪国は2名出場が決定しています。
東京オリンピック出場男子選手
ガブリエル・メディナ | ブラジル、WSL選出 |
イタロ・フェレイラ | ブラジル、WSL選出 |
コロヘ・アンディーノ | アメリカ、WSL選出 |
ジョンジョン・フローレンス | アメリカ、WSL選出 |
オーウェン・ライト | オーストラリア、WSL選出 |
ジュリアン・ウィルソン | オーストラリア、WSL選出 |
ジェレミー・フローレス | フランス、WSL選出 |
ミシェル・ボーレイズ | フランス、WSL選出 |
五十嵐カノア | 日本、WSL選出 |
ジョーディ・スミス | 南アフリカ、WSL選出 |
レオン・グラッツアー | ドイツ、ISA選出 |
ミゲル・トゥデラ | ペルー、ISA選出 |
ルッカ・メシナス | ペルー、ISA選出 |
マヌエル・セルマン | チリ、ISA選出 |
大原洋人 | 日本、ISA選出 |
リオ・ワイダ | インドネシア、ISA選出 |
フレデリコ・モライス | ポルトガル、ISA選出 |
ビリー・ステアマンド | ニュージーランド、ISA選出 |
ラムジ・ブキアム | モロッコ、ISA選出 |
レアンドロ・ウスナ | アルゼンチン、ISA選出 |
東京オリンピック出場女子選手
カリッサ・ムーア | アメリカ、WSL選出 |
キャロライン・マーコス | アメリカ、WSL選出 |
タティアナ・ウェストン・ウェブ | ブラジル、WSL選出 |
シルバナ・リマ | ブラジル、WSL選出 |
ブリサ・ヘネシー | コスタリカ、WSL選出 |
サリー・フィツギボンズ | オーストラリア、WSL選出 |
ステファニー・ギルモア | オーストラリア、WSL選出 |
ジョアン・ディフェイ | フランス、WLS選出 |
ヨランダ・セケリア | ポルトガル、ISA選出 |
テレサ・ボンバロット | ボルトガル、ISA選出 |
ダニエラ・ロサス | ペルー、ISA選出 |
レイラニ・マクゴナグル | コスタリカ、ISA選出 |
前田マヒナ | 日本、ISA選出 |
都築有夢路 | 日本、ISA選出 |
ポーライン・アド | フランス、ISA選出 |
アナト・レリオール | イスラエル、ISA選出 |
ビアンカ・バイテンダグ | 南アフリカ、ISA選出 |
エラ・ウィリアムス | ニュージーランド、ISA選出 |
ソフィア・ムラノビッチ | ペルー、ISA選出 |
ドミニク・バローナ | エクアドル、ISA選出 |
東京オリンピックサーフィン競技の見どころをご紹介

出典:ISAオフィシャルサイト
オリンピック初のサーフィン競技ということで、世界中から注目を集めているサーフィン。
会場は千葉県一宮町の釣ヶ崎海岸で、波質はビーチブレイクなのでコンパクトなサイズになることが予想されます。
そのため、この波質でもしっかりとパフォーマンスできるということが重要となります。
コンディションは日本選手には有利な条件であるためメダル獲得の期待が高まります。
強豪国の中では、ブラジルの代表選手がビーチブレイクでのエア勝負に圧倒的な強さを誇っています。
そんな強敵がどんなパフォーマンスをするのかも見どころの1つです。