海水浴で事故をふせぐための5つの対策
ひとたび起きてしまうと救助が難しい水難事故。ふせぐために心がけたいことを5つ挙げて説明します。
①開設中の海水浴場で遊ぶ
海で泳ぐときは、開設中の海水浴場を選びましょう。溺れたときに救助活動をしてくれるライフセーバーや監視員がいるためです。閉鎖中の海水浴場では人がおらず、事故にあったときに助からないリスクが高まります。
また、遊泳禁止の看板がないかをチェックすることも大切。海には目に見えないさまざまな危険がひそんでいます。理由があって遊泳禁止にされているため、禁止区域では泳がないように注意しましょう。
②ライフジャケットを着用する
ライフジャケットを着用すれば、楽に身体を浮かせられます。とくに体力がない小さい子どもは、海上で助けをまつまでの間に溺れてしまうことも。ライフジャケットの着用は、もしもの場合に備えて積極的に取り入れたい対策です。
ライフジャケットの選び方には、適切なサイズにするなど押さえておきたいポイントがあります。くわしい選び方や活用方法ついては、以下の記事も参考にしてみてください。
『海水浴で役立つ予備知識!「離岸流」とPFD(ライフジャケット)の活用方法について』
③子どもから目を離さない
海水浴のときには常に子どもと一緒に行動し、目を離さないように注意しましょう。海上保安庁の調査によると、水難事故にあう年齢層は、10代未満や10代の子どもが3分の1以上を占めていました。
子どもは遊びに夢中になりやすく、波の変化や危険に気づかなかったり、知らないうちに沖に流されたりします。浅い場所で溺れることもあるため、保護者である大人は子どもをしっかり見守ることが大切です。
出典:海上保安庁「海で安全に楽しむために」
④波が高いときは泳がない
少しでも「波が高いな」と思われるときは、泳がないという選択も大事です。海の波は一定ではありません。急に約1.5~2倍の大きい波がきて、水難事故につながるケースがあります。
波の状態を知るには監視員に聞くだけでなく、以下のポイントもチェックしてみてください。
- 白波がたっていないか
- 沖の船が⼤きく揺れていないか
- 波消しブロックでしぶきが上がっていないか
海が上記のような状態の場合、突然の大波にさらわれる可能性が高まります。海には入らず、日光浴を楽しむ程度にするのが無難です。
⑤お酒を飲んで泳がない
大人はお酒を飲んだ状態で海に入ることは避けましょう。お酒を飲むと、飲まないときと比べて遊泳中の死亡率が約2倍になります。アルコールによって、状況を判断する力や本来の泳ぐ力が低下することなどが原因です。
また、飲酒すると視野が狭くなり、気象の変化や、子どもに危険が迫っているときにも気づきにくくなります。汗をかいて脱水状態になっていると、いつもの飲酒量でも酔いやすくなるのも問題です。
海では開放的な気分になり、「ビール1杯くらいなら」とついお酒を飲んでしまうかもしれません。しかし、飲酒したら絶対に泳がないようにしてくださいね。
出典:海上保安庁「酔泳危険!!飲酒遊泳の危険性について」
海で溺れそうになったときにすべきこと
海水浴中、対策を万全にしていても、突然の波に飲まれて事故が発生することも。海上保安庁によると、泳いでいるときの事故は、以下の2つの状況が9割近くを占めます。
- 海水を誤飲する溺水
- 潮に流されて戻ってこられなくなる帰還不能
上記の状況を避けるためにも、もし溺れそうになった場合にどうすべきかを説明します。
出典:海上保安庁「海で安全に楽しむために」
「ういてまて」
溺れないためには、浮力をつかった「ういてまて」が効果的です。仰向けになって顔を水面に出し、呼吸をつづけて救助を待つ方法。小さな子どもが実践し、助かった事例もあります。
「ういてまて」のくわしい方法については、以下の記事をご覧ください。
『水難事故に遭ったとき、どうする?覚えておきたい「ういてまて」』
「助けてサイン」
溺れかけているときは、日本ライフセービング協会が提唱する「助けてサイン」を出しましょう。「助けてサイン」は、片手を左右に大きく振って行う救助を求める合図。助かるためには、周囲の人に早く気づいてもらうことが大切です。
とくに沖に流されてしまうと、助けが必要なことにも気づかれないリスクがあります。少しでも溺れかけていると感じたら、すぐにサインを出してくださいね。
出典:日本ライフセービング協会「助けてサインを知っていますか?」
水難事故を発見したときの行動
海水浴場で溺れかけている人を発見したとき、具体的にどのように動けばよいかを説明します。
周囲の人にも助けを求める
溺れている人を見つけても、自分ひとりでは助けに行かないようにしましょう。つい自分で助けようとしがちですが、水難事故では救助者も一緒に溺れて死亡するケースが多発しています。監視員やライフセーバーがいる場所では、すぐに救援を求めてください。
118・119・110番に通報する
水難事故を発見したときは、118番(海上保安庁)・119番(消防)・110番(警察)へすぐに通報しましょう。事故の発生場所や状況を伝えられるように、落ち着いて連絡してください。
事故の現場にいる人たちと協力し、救助活動をすることも大切ですが、必ずだれかが通報する必要があります。
浮くものを投げる
溺れている人の助けになるよう、水に浮くものを投げて渡すことも、救助に効果的です。たとえば、身近にある浮き輪や木の板、空のペットボトルやクーラーボックスなどが役立ちます。投げるときに、溺れている人に当たらないように注意してくださいね。
声をかけつづける
溺れている人に声をかけつづけることも助けになります。事故にあっている本人はパニックになり、誤って海水を飲んでしまうことも。落ち着いて呼吸できるように、どのように行動すればよいか、声をかけつづけてあげましょう。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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