ショートトラックは、数名の選手が一斉にスタートして、順位も目まぐるしく入れ替わる競技。ここでは、ショートトラックの歴史や見どころ、そして注目の日本人選手についてもご紹介します。

ショートトラックという競技

ショートトラックの発祥はスピードスケート?

ショートトラックの発祥は、アメリカとカナダで行われたスピードスケート競技だといわれています。

当時スピードスケートに使われる400mのトラックがなかったので、代わりにアイススケート用リンクで行われていました。

アイススケート用リンクはスピードスケートをするには狭く、直線コースやコーナーなど難しいところも多いのですが、それが人気の理由となり、ひとつの競技になりました。

ショートトラックはどんな競技?

ショートトラックは4〜6人の選手が、同時にスタートしてトラックを周り、順位を争う競技です。

コーナーを周るときは、氷に軽く手をつきながら走り抜けたり、転倒することも多く、スリル満点のスポーツといっていいでしょう。

また、スピードスケートとは似ているようで、異なる競技です。大きな違いは、下記の3つあります。

  • トラックの大きさ
  • ショートトラックは順位を、スピードスケートはタイムを競う
  • ショートトラックはシングルトラックで、スピードスケートはダブルトラック

ショートトラックは、1周111.12mのフィギュアスケートと同じリンクをつかうのに対して、スピードスケートは1周400mのリンクで行われます。

また、ショートトラックはグループで一斉にスタートして順位を競い、スピードスケートはタイム(マススタートを除く)を競います。

そしてトラックにも違いがあります。ショートトラックは、一斉にスタートするシングルトラック方式。

いっぽうでスピードスケートは、トラックの内側と外側のレーンを2名の選手が滑走し、交差区域(バックストレート)に達する度にレーンを交換して走るダブルトラック方式です。

種目は個人と団体の2種類

種目は、500m、3000mなどの個人競技と、4名で1チームとなるリレーなどの団体の種目もあります。

 

ショートトラックのルールをチェックしよう

ショートトラック

ショートトラックのルールを簡単に説明しましょう。

ルールはシンプル

競技を観戦するときに知っておくとよいルールは、次の3つです。

  • タイムは関係なく着順で争う。
  • リレー競技は腰にタッチで交代、最終2周を除いて、いつでも交代できる。
  • 追い越しはいつでもできるが、選手を押したり、引っ張ったりすると失格。

リレーは4人で1チームで、1人ずつ滑り、陸上競技の駅伝やリレーのようにたすきやバトンなどはなく、腰にタッチすることで次の選手にかわります。

タッチの回数やタイミングは、各チームで自由に決められますが、最後の2周はアンカーとして交代せずに滑らなければなりません。

スケート靴や安全防具も細かく決められている

ショートトラックも、スピードスケートと同じように転倒などが多いので、防具やスケート靴なども独特の作りをしています。

たとえば、スケート靴は、体を倒して滑っても氷につかないように、ブレードと靴の間があいています。

またヘルメットやグローブのほか、シンガードとよばれるすね当てや、ネックガードなども着用が義務付けられています。

ショートトラックは手に汗握るレース展開が見どころ

ショートトラック

時速45kmにもなる速さ

ショートトラックは時速45km以上になることもあるスポーツです。「氷上の競輪」ともいわれ、スピードはもちろん、レース中に順位の入れ替わりもめまぐるしく変わり、手に汗握るシーンが多いです。

戦術面も面白いポイント

ショートトラックで勝つには、戦術も大切です。たとえば、力加減や追い越しのタイミング、リレーなら交代のタイミングなど、しれつな駆け引きが要求されるわけです。

選手同士の駆け引きなどを考えながら見ると、さらに面白いでしょう。

 

2022年北京オリンピックでの日本人注目選手は?

ショートトラック

2022年の北京オリンピックのショートトラック競技は、男子4種目、女子4種目、そして男女混合団体の9種目です。

男子 500m・1000m・1500m・5000mリレー
女子 500m・1000m・1500m・5000mリレー
混合団体 2000mリレー

次に注目の選手をご紹介しましょう。

男性注目選手

小池克典(こいけかつのり)選手

地元金沢の小学校に毎年作られる校庭リンクでの練習が原点という、近年メキメキ実力をつけてきた選手。

追い抜きの技術や、分析力にも長けていて、オリンピックでもメダル獲得が期待されています。

吉永一貴(よしながかずき)選手

平昌オリンピックで最年少18歳の現役高校生で選出された、実力派の選手。

ショートトラック選手だった母の影響でスケートをはじめ、最近ではワールドカップや全日本距離別選手権大会などでも優勝や3位入賞などの成績を残す。

現在22歳で、身体もメンタルも勢いに乗っている選手です。

女性注目選手

菊池悠希(きくちゆうき)選手

アマチュアスピードトラック選手だった父の影響で、5人姉妹すべてがスケート選手という一家で育った選手。

ソチ大会の前シーズンには足を骨折し、重症を負いましたが復帰。平昌と北京と2回連続でオリンピックに選出され、31歳のベテランの意地を見せられるかが楽しみです。

神長汐音(かみながしおね)選手

500m〜3000m、そしてリレーもこなすオールマイティな選手。

中学時代は、スピードスケートもしていた期間もあり、短距離はトップスピード、長距離は後半のスパートが得意というスタミナがあるところも、ポイントです。

ショートトラックは実際に見てみると、とても激しいスポーツで、スピード感がほかのスポーツは違っています。TVでみても、最後まで誰が勝つかわからない展開にドキドキするはずですよ。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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