ダイビングを快適にするストラップ類
快適なダイビングのためには、整備されたダイビング器材や便利なアクセサリー類を使うことはもちろんですが、これらを水中でストレスなく保持するカラビナやホルダーなどのフック・クリップ類も欠かせません。
使い勝手のよいフック・クリップ類があれば、オクトパスやゲージをブラブラさせることもなくなり、水中カメラや水中ライトといった大事なアクセサリー類の落下・紛失予防にもなります。
しかし、ダイビングで使うフック・クリップ類は種類がとても多く、何をどう使えばいいか分からないという人も少なくありません。
そこで、どんな場面で、どのようなフック・クリップ類を選べばいいのか見ていきましょう。
ブラブラしない宣言とは
ダイビング指導団体PADIは、水中環境保護のためのさまざまな啓蒙活動を行っています。
「ブラブラしない宣言」もその啓蒙活動のひとつで、ダイビング器材やホース類を留めて、すっきりした形でダイビングをしようというスローガンです。
なぜなら、ダイビング中にオクトパスやゲージをブラブラさせておくと、水底を引きずってサンゴや水中生物にダメージを与え、場合によっては死滅させてしまう可能性があるからです。
また、ブラブラさせておくと泳ぐときに邪魔になりますし、岩の間に挟まってしまうと水中拘束の原因になることもあります。
オクトパスやゲージはクリップやホルダー類を使って、水底を引きずらないようセッティングするように心がけましょう。
目的別ダイビングにおすすめのフック・クリップ類
オクトパスやゲージをブラブラさせないことはダイバーとして最低限のマナーですが、オクトパスはいざという時にすぐ取り出せるようにしなければいけませんし、ゲージは見やすい状態で保持しなければいけません。
そのためには目的や用途に合わせたフック・クリップ類を使うことが大切。さまざまなシチュエーションに合わせた、おすすめのクリップ・ホルダー類を見てみましょう。
オクトパスやゲージをブラブラさせない
オクトパスやゲージを引きずらないためのもっとも手軽なアクセサリーが「ホースクリップ」です。オクトパスやゲージのホースを固定して、BCDのDリングなどに簡単にクリップできます。
ほとんどのホースクリップは、2本のホースに対応したデザインになっていますので、これひとつでオクトパスとゲージの両方を留めておけます。
また、いざというときオクトパスをすぐに外せるようにしたいときは「オクトパスホルダー」がおすすめです。オクトパスを引っ張るだけで簡単に外せるようになっているのが特徴です。
ポケット状のケースにマウスピースをはめ込むタイプや、マグネット式で取り外しができるタイプなど、さまざまなデザインのものがあります。
オクトパスやゲージは見つけやすくバディからも確認しやすいように、アゴとウエストラインを結んだ三角形の中に留めるようにしましょう。
水中ライトを手首にしっかり留める
ナイトダイビングやケーブダイビングで必須アクセサリーの水中ライトは「リストランヤード」を使って、手首にしっかり留めておきましょう。
リングに手首を通してサイズを調節するだけの簡単なハンドストラップです。うっかり手を離してしまった時でも、水中ライトを落としてしまうことがないので安心です。
大切な水中カメラの落下・紛失防止
大切な水中カメラの落下・紛失防止には「スナッピーコイル」がおすすめです。
カメラを使用するとき、バックルを外しても伸縮性のあるスパイラルコードが繋がっていますので、うっかり手を離してしまっても落下することがありませんし、カメラを構える手もしっかり伸ばせます。
使用しないときはバックルを留めておけば、ブラブラせずに保持できます。
また、シュノーケリングでコンパクトな水中カメラを使うときは、フロートがついたハンドストラップがおすすめです。手から離れてしまっても、浮力があるのでカメラが沈みません。
水中写真をはじめてみたいという人は以下の記事もぜひ参考にしてください。
カメラにチャレンジ!ダイビングにおすすめの水中カメラと選び方
水中ノートや補助ライトの保持に最適
水中ノートや補助ライトの保持には「リトラクター」がおすすめです。引っ張るとワイヤーが伸びて、離すとワイヤーが自動で巻き戻りますので、ササッと使えて便利です。
引張力の異なるタイプもあるので、アクセサリーの重さに合わせて使い分けましょう。
重量のあるものを保持したい時
水中ハウジングなどを重量のあるアクセサリー類を保持するには、サビに強いステンレススチール製のスイベルやカラビナがおすすめです。
スナッピーコイルと併用するなど、さまざまな使い方ができます。