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残念ながらダイビング事故は毎年発生しています。海上保安庁が発行した令和元年版「海難の現状と対策」内に記載されているスキューバダイビングの事故統計を参考に、安全ダイビングへの心構えを今いちど考え直してみましょう。
 

令和元年におけるダイビング事故と原因

ダイビング事故 原因

2020年5月に海上保安庁が発行した令和元年「海難の現状と対策~大切な命を守るために~」によると、2019年のスキューバダイビング中の事故者数は41人で、この家死者行方不明者は14人とのことです。

事故内容別にみると、溺水が最も多く22人(54%)で、続いて病気が11人(27%)の順になっています。

また、スキューバダイビング中の事故者を年齢層別にみると、50歳代の事故者がもっとも多く13人(32%)、経験年数別では1年未満の初心者が17人(42%)となっています。

事故原因では、知識・技能不足、実施中の活動に対する不注意などの「自己の過失」によるものが約6割を占めているとのことです。

海上保安庁によるダイビング事故のデータを見ると、安全にダイビングを楽しむために必要な知識やスキルをきちんと身につけることの大切さがうかがえます。

出典:海上保安庁 令和元年「海難の現状と対策~大切な命を守るために~」

初心者のダイビング事故

経験年数1年未満のダイビング初心者の事故の原因として多いのが「パニック」。初心者ダイバーがパニックを起こさないようにするには、とにかく落ち着いて対処することです。

基本的なルールを守っていれば制限がはずの小さなトラブルが、パニックを引き起こしてしまうこともあるので、基本の安全ルールを厳守しパニックの原因を作らないことが大切です。

ベテランダイバーの事故が最多

2019年のダイビング事故の経験年数別事故者は50代以上がもっとも多く、じつは10年以上の経験者事故車数が1番多かったことに注目しなければいけません。

こうしたベテランダイバーに多いのが自分を過信してしまった結果の事故です。ベテランダイバーであっても「自分とは関係ない」と考えず、常に初心を忘れずにダイビングを楽しむことが大切です。

 

安全ダイビングのための基本ルール

ダイビング事故 原因
ダイビング事故の原因はさまざまですが、当たり前に守られるべきルールが守られておらず事故につながるケースが多いことを知っておくべきです

ダイビング事故を起こすその前に安全ダイビングのための基本ルールを、もう一度おさらいしましょう。

【ダイビング前】バディチェックを徹底!

トラブルを起こさないためにも、ダイビング前の準備を入念に行うことが重要です。

楽しみにしていたダイビングでも無理は禁物です。自分の体調は万全かダイビング前に今一度確認しましょう。

不安な気持ちで潜るのもよくありません。薬も基本的にはNG。大切なのは心身ともに健康であることです。

潜る前のバディチェックで器材の確認を入念に行えば安心です。

【ダイビング前】無理のない潜水計画

何度も潜っているダイビングスポットでも油断は禁物です。その日の海況によって注意すべきポイントも変わりますので、必ずガイドのブリーフィングはきちんと聞きましょう。

スポットの地形や水深、潮の満潮干潮と流れ、水温や透明度などを事前に確認し、無理のない潜水計画を立てることが大切です。

【ダイビング中】バディシステムが基本

しっかり準備を整えたつもりでも、絶対にダイビング中にトラブルに合わない保証はありません。大きな事故につながらないように水中で守るべき基本ルールをおさらいしましょう。

安全ダイビングの基本中のキホンがバディシステムです。バディにエア切れなどの万が一のトラブルが起きたときも、バディは2秒で相手の腕などを掴める距離を保つことが推奨されています。

バディとアイコンタクトを頻繁にとって、ダイビング中はお互いの様子を常に把握するように努めましょう。

【ダイビング中】勝手な行動をしない

自分の判断で浮上して漂流したり、ロープ潜降をするスポットでフリー潜降をしてグループを見失ったりと、自分勝手な行動が事故につながることもあります。

ダイビング中はガイドやインストラクターの指示に従い、自分勝手な行動は慎みましょう。

トラブル発生時はSTOP・THINK・ACTION

ダイビング事故 原因

万が一トラブルが起きてしまったらどうしたらいいのでしょうか? 焦らずに緊急対象の3ステップを思い出しましょう。

基本は「STOP→THINK→ACTION」です。

STOP:とにかく落ち着くこと

「やばい」と思った時は一旦落ち着くことが大切です。「やばい、やばい、やばい」とパニックに陥って過呼吸になるのは一番危険です。

水底に着底したり、岩などに捕まったりして体を安定させ、呼吸を整えましょう。

THINK:何が起きたか冷静に判断すること

落ち着いてきたら何が起こったのか、どうすればいいのかを考えましょう。

インストラクターやガイド、バディが近くにいるならばトラブルを伝えます。決して無理はしないようにしましょう。

ACTION:最善の方法で行動すること

トラブルの原因がわかったら、それを取り除くための行動に移ります。最善の方法でその時代から脱出することを考えましょう。

トラブルを起こさないことが大前提ですが、何か起きた時の対処法を知っておくことが大切です。普段から危険を想定して行動できるようにスキルを磨いておきましょう。

ダイビングのトラブルに備えよう

トラブル対処法をシミュレーション

起こりうるトラブルに対し、もし、そうなった時は何をすればいいのか陸上でしっかりとシミュレーションしておくことが大切です。

すべてのトラブル対処方法を頭に入れることは 難しいかもしれませんが、オープンウォーター講習で学んだことだけは最低限忘れないようにしたいのです。

足がつった時の治し方や緊急スイミングアセントのやり方など、基本のトラブル対処法はしっかりとマスターしておきましょう。

エマージェンシーグッズを用意

緊急時に使用するエマージェンシーグッズを準備しておくことも大切。安全フロートなどを BCのポケットに入れておけば、万が一漂流してしまった時などに居場所を知らせることができます。

他にも水中で居場所を伝えることができる水中ライトやホーンもあると安心です。

BBC シグナルフロート5
BBC シグナルフロート5

 

最初から最後まで何事もなく安全に潜れてこそ楽しいダイビングになるはずです。ダイビング事故から自分が同じ目に遭わないようにするには何をすべきかよく考え、安全を最優先に考えてダイビングを楽しみましょう。※2020年9月現在、新型コロナウイルスのため各ダイビングサービスは人数制限をするなどの感染対策を行っています。ダイビングに出かける際は、必ず現地ダイビングサービスの状況を確認するようにしましょう。

ライター

Greenfield編集部

自然と向き合い、環境に配慮しながらアウトドアスポーツを楽しむ人に向け、自分や周囲のウェルビーイングの向上につながる情報をお届けします。