実際に行っているテント内の虫除け対策
大自然のなかでのびのびと過ごせる点がキャンプの醍醐味です。都会の喧騒から離れた静かな自然のなかで過ごすことで心身ともに癒されるでしょう。ただしキャンプをする際は、蚊やムカデなどの害虫の存在は無視できません。虫に刺されてしまったら、心の底からキャンプを楽しめなくなる場合があるでしょう。
そこで登場するのが虫除けグッズです。危険性がなるべく少ない虫除けグッズを用いてテント内の虫除けをしたいもの。小さな子どもがいる家庭では、火・熱・薬剤などを使用していないものを選ぶとよいでしょう。虫除け対策に効果的なキャンプグッズを紹介するのでぜひ参考にしてください。
スクリーンテント
スクリーンテントとは、蚊帳(かや)のような形状の大きなテントです。網目状のメッシュスクリーンが四方の側面についており、テントの布地が床面にない点が大きな特徴です。虫除けをしつつ風通しを確保できるため、夏のキャンプではとくに重宝するでしょう。
我が家では、キャンプ場だけでなく家の中でも設営し、皆で仲良く布団を敷いて眠ることがあります。キャンプ気分を味わえた子どもたちは大喜び。さらに虫除け対策もできるので屋内での使用もおすすめです。
所有するテントと同じブランドのスクリーンテントを買う人が多いようです。スクリーンテントだけでも、バーベキューなどのイベントで十分に活用できます。
簡単な手順ですぐに設営できるワンタッチ式やポップアップ式のスクリーンテントであれば、それほど苦労せず短時間で組み立てられます。また、コンパクトで軽いものであれば、車の荷室にも積み込みやすいでしょう。
FIELDOOR(フィールドア)「ワンタッチスクリーンテント (キャノピーポール2本付き)」
電子蚊取り器
虫除け効果が高いと言われている蚊取り線香ですが、衣類・家具・テントなどに煙のニオイが移りやすいのが難点と言えます。とくに、洗濯ができないものにニオイが付くと残念な気持ちになるでしょう。
虫除け効果が高い薬剤を無煙で使用できる電子蚊取り器であれば、ニオイ移りを気にする必要がありません。天然植物由来の香りを使ったものや、赤ちゃんやペットがいても問題なく使えるものなど、幅広いバリエーションの電子蚊取り器が販売されています。
電池式の電子蚊取り器を我が家では重宝しています。アウトドアでも手軽に使用できて非常に便利です。なお、電子蚊取り器を使用する際は、取扱説明書に記載されている注意事項をしっかり読んでください。また定期的な換気も行いましょう。
KINCHO(キンチョウ)「蚊がいなくなるカトリス 蚊よけ 電池式」
蚊取り線香
有害物質やニオイが気になって蚊取り線香をなかなか使えないという人もいるのではないでしょうか。蚊を殺すのではなく寄せ付けない効果がある蚊取り線香があります。
合成着色料や染色剤を使用せず、除虫草(じょちゅうそう)と呼ばれる植物で作った虫よけ芳香剤は、赤ちゃん・小さな子ども・ペットがいても安心して使えるでしょう。
ハーブのような香りがあるため、不快にならずに使用できます。テントの入口付近に置いて使用すれば、虫の侵入をしっかりと防止できるでしょう。なお火を使うため、小さな子どもの手が届かない安定した場所に置いてください。
スタイルジャパン「菊花線香 天然防虫 標準型 10巻×3包入」
ランタン
テント内の虫除け対策にランタンが効果的です。虫除けランタンにはいくつかの異なるタイプがあります。紫外線に引き寄せられた虫を感電させて撃退する「モスキートランタン」が一般的です。
また、虫が嫌うハーブ成分入りのオイルを使用するランタンや、虫が嫌う特定の波長の光を発するランタンもあります。テントから少し離れた場所に設置することで、虫が寄ってくるのをしっかりと防止できるでしょう。
光量がおさえられた虫除けランタンをテーブルで使用すれば、明かりを確保しながら虫の侵入を防げます。しかし蚊は紫外線に引き寄せられないため、蚊取り線香や防虫スプレーも忘れずに使用してください。
DRESS(ドレス)「DRESS モスキートランタン」
ハッカ油
自然に優しいハッカ油は、キャンプでの虫除け対策に非常に有効です。自然由来のオーガニック商品であるハッカ油は、自然にダメージを与えないのが大きなメリット。また、人工的な虫除けアイテムに対して抵抗がある人にもおすすめです。
スプレーとして使用するのが一般的です。テントの出入り口やメッシュ部分などにスプレーしたり、体に直接塗ったりして活用できるでしょう。ハッカ油が放つ独特のニオイが、テント内への虫の侵入を効果的に防ぎます。
なお、ハッカ油を原液で使用すると香りが強くなりすぎる場合があるため、無水エタノールや水で薄めての使用がおすすめです。希釈の割合は以下を参考にしてください。
①ハッカ油5mlに対して水50mlを加える。
②ハッカ油5mlに対して無水エタノール5ml・水50mlを加える。※無水エタノールを加えることでハッカ油が溶けやすくなります。
なおハッカ油はポリスチレンを溶かす性質があるため、スプレーする対象の素材を必ず確認しましょう。テントに噴霧する場合はとくに注意してください。
北見ハッカ通商「ハッカ油 スプレー」
メッシュの付いたテントやタープ
メッシュ付きのテントやタープを使用することで、テント内への虫の侵入を効果的に防げるでしょう。さらに虫の侵入を阻止するだけではなく、焚き火の灰も防げます。
メッシュ付きのテントやタープを選ぶ際は、以下の3つのポイントをチェックしましょう。
①使用する人数に適した十分なサイズか
②収納時にコンパクトになるか
③UVカット加工が施されているか
夏のキャンプでは、使用していないキャンプギアをテント内に収納することで灰や虫の付着を防げます。また、メッシュ付きでコンパクトなギアは携帯性に優れているでしょう。さらに、UVカット加工がされていれば炎天下でも快適に過ごせます。
こんなにあるテント内虫除け商品!
テント内で活用できる虫除けアイテムをいくつか紹介します。
バルサン「虫こないもん 吊り下げ 虫除け 270日 屋外用」
テントの出入り口に吊り下げるだけで、虫除け効果が長続きする商品です。アウトドアシーンに似合う、リース型やランタン型といったオシャレなデザインを取り揃えています。
MAGNA(マグナ)「電撃殺虫器 LEDライト ランタン 充電式 大容量 2000mAh」
テントの出入り口に吊るすことで虫の侵入を防げる商品です。また、キャンプだけではなく日常生活でも活用できます。玄関先や窓の外に吊るしておくだけで、薬剤を使用せずに虫除けができます。さらに稼働音が静かな点もメリットです。
キャンプ中特に気をつけたい虫とは?
キャンプ中に特に注意が必要な虫とその対策について詳しく解説します。
蚊
蚊は4~11月頃に活動します。とくに、気温と湿度が高まる5月に活発に動き回る傾向があります。蚊が活発に活動する夕方から夜にかけての時間帯にとくに注意してください。
人の呼気や体温を感知して接近してくるため、肌の露出を減らすのがポイントです。長袖や長ズボンを着用し、肌の露出を最小限におさえましょう。また、水辺で遊ぶ際は虫よけスプレーの噴霧がおすすめです。テントサイト内に虫除け線香を置くのも、蚊を遠ざけるのに効果的でしょう。
ブユ(ブヨ・ブト)
ブユはハエやカの仲間に属する、体長2~5mmの小さな虫です。地域によってはブヨやブトと呼ばれています。口針を刺して吸血する蚊とは異なり、皮膚を噛み切って吸血する点が大きな特徴です。
噛み切られた部分には強い痛みやかゆみが生じます。また時には軽く出血する場合があるでしょう。ほかの虫に刺された場合よりもかゆみが強く、噛み切られた部分は大きく腫れるため、しっかりとした虫除け対策が必須です。
3~10月にかけて活発に活動します。なかでも夏の朝夕の涼しい時間帯によく現れます。涼しい日には一日中活動することがあるようです。湿った場所・水辺・木陰などを好むため、日当たりの良い乾燥したテントサイトを選ぶのが非常に大切です。
蜂
キャンプ中に出会う可能性のある蜂として、ミツバチ・スズメバチ・クマバチ・アシナガバチなどがあげられます。とくに、攻撃性が高いスズメバチ類には注意が必要です。これらの蜂は3~11月頃に活発に動き回ります。攻撃性が高まる6~10月はとくに注意する必要があります。
蜂を見かけた場合は、刺激を与えないよう静かにその場を離れてください。また蜂は食べ物のニオイに引き寄せられることもあります。キャンプ中は食べ物をしっかりと密閉して保管し、蜂を引き寄せないようにしましょう。蜂に刺されると激しい痛みや腫れをともないます。
スズメバチに2回以上刺されることによるアナフィラキシーショックは、命を落とす可能性があるため細心の注意を払う必要があります。2回以上刺された場合はすぐに病院を受診してください。キャンプ場で蜂に刺された場合は、ポイズンリムーバーを使用して毒を吸い出すか、傷口を絞りながら清潔な水で洗い流すかをしてください。
刺されてから30分以内の応急処置が望ましいでしょう。応急処置を迅速に行うことで症状の悪化を防げ、その後のすみやかな回復につなげられます。
ハエ
蚊やブユのように刺したり噛んだりしないため、一見すると人体には無害に見えるかもしれません。しかしハエは動物のフンや汚れた場所に頻繁に止まる習性があるため、さまざまな病原菌を運ぶ可能性があります。
これらの病原菌が付着したハエが食べ物や食器に触れると、人間に健康リスクをもたらすことがあります。春から秋の初旬にかけてとくに活発に活動します。食材が傷みやすい夏場はとくに、ハエが食べ物に寄ってくる可能性が高まるでしょう。食材は放置せずにすぐに片付けることが大切です。
冷蔵庫や密閉容器で食材を保管することで、ハエが食べ物に接触する機会を減らせます。また、食べ残しを放置せずに定期的に処理することでハエが寄ってくるのを防げます。
ハエトラップや電気ショック式の虫除け器具の使用も非常に効果的です。さらに、シトロネラオイルやハッカ油などの天然成分を含む虫除けスプレーを使用することで、ハエが近くに寄ってくるのを防止できるでしょう。
マダニ
自然豊かな環境だけでなく、民家の裏庭や公園などの意外に身近な場所にもマダニは潜んでいます。3~11月に活発に活動します。吸血された場合、人によっては皮膚の炎症やかゆみを感じることがあるでしょう。またマダニは、頭皮・耳・首周りなどの血量が多い場所を好んで吸血する傾向があります。
マダニを無理やり引き抜こうとすると、口器が体内に残って感染のリスクが高まります。そのためマダニに刺された場合は無理に引き抜かず、医療機関で適切な処置を受けてください。長袖や長ズボンを着用して肌の露出を避ける、虫除けスプレーを使用するなどの対策を取ることで、マダニに刺されるリスクを軽減できるでしょう。
また、キャンプ後はマダニが体に付着していないかをしっかりとチェックしましょう。
こちらの記事も確認し、虫除け対策をしっかりと行ってください。
キャンプ中に虫に刺された際の対策
虫除け対策を徹底していても虫に刺されてしまうことがあるでしょう。虫に刺されてしまった場合の対処方法を紹介します。
虫刺され対策①ポイズンリムーバー
ポイズンリムーバーとは毒を吸い出す器具です。アウトドアショップ・スポーツ用品店・薬局などで販売されています。蜂・蚊・アブなどの毒を吸い出すことで、かゆみや腫れなどの症状をやわらげられるでしょう。なお、刺されてからすぐに対処すればより効果的です。
TIGER(タイガー)「エクストラクター ポイズンリムーバー 強力型 カラビナ付 専用ブラックケース入り」
虫刺され対策②薬
虫に刺された際は、かゆみを抑える効果のある薬を塗りましょう。塗った後に掻き壊さなければ、かゆみがおさまり治りも早くなります。なお、患部を流水で洗い流して清潔にしてから塗るとよいでしょう。
池田模範堂「【指定第2類医薬品】ムヒアルファEX 15g」
第一三共ヘルスケア「【第3類医薬品】マキロンかゆみどめパッチP」
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。