シミラン諸島&リチェリューロックのダイビング
インド洋アンダマン海にあるシミラン諸島は、真っ白な砂浜とエメラルドグリーンの海に囲まれたタイでもっとも美しい島々で、ダイバー憧れのダイビングスポットです。
高い透明度にカラフルな水中の景観、ここでしか見られない固有の生物、そしてマンタやジンベエザメといった大物も現れる、まさにダイビングパラダイスなのです。
しかし、シミラン諸島やリチェリューロック、コ・ボン&コ・タチャイ方面は、モンスーンの影響で毎年10月中旬頃から5月初旬頃までしか潜ることができません。
そのためダイビングシーズン中は、シミラン方面に向けたダイブクルーズやデイトリップが盛んに行われています。
ツアーはプーケット発とカオラック発がありますが、おすすめはシミラン諸島へのアクセスが良いカオラック発の4泊4日のダイブクルーズ、またはスピードボートを使ったデイトリップです。
クルーズには欧米人向けの日程の長いツアーもありますが、人気スポットを押さえた4泊4日のダイブクルーズでも十分にアンダマン海の海を楽しむことができます。
それではカオラック発のダイブクルーズとデイトリップの特徴を見てみましょう。
シミラン方面のダイブクルーズ
シミラン方面のダイビングスポット自体の難易度は決して高くありませんが、安全面からブリーフィングをしっかり聞いてから潜る必要があります。
ですが、カオラックからは日本人経営のダイブクルーズ船が出ていますので、英語に自信の無い人でも安心して参加することができます。
やはり、船の中で数日間を一緒に過ごすわけですから、英語に自信がある人を除いては、日本語で案内をしてくれるダイブクルーズに参加した方が良いでしょう。
ダイビングスタイル
タイのクルーズ船は広い客室を持つ船は少なく、ダイビングも後部デッキから直接エントリー&エクジットするスタイルなので、クルーズ船そのものがダイビングボートになります。
船にディンギーは常設していますが、専用ダイビングボートが無いうえに周囲に何もない海域を潜るため、基本的にドリフトはしないダイビングスタイルです。
そして、ダイビングは日中3本+夜1本の1日4ダイブが基本です。
寝ても覚めても海の上にいるので日の出前からブリーフィングを始め、朝7時には1本目がスタートします。
その後、朝食をとってゆっくりしたら午前中に2本目のダイビング、ランチ後に午後の3本目のダイビング、おやつを食べたら4本目のサンセットダイビング、そして夕食といった感じです。
クルーズルートは最初にシミラン諸島へ行き、どんどん北上し最終的に最北端のリチェリューロックで潜って南下して帰ってくるというパターンが一般的です。
シミラン方面のデイトリップ
カオラックから、シミラン、リチェリューロック、コ・ボン&コ・タチャイの3方面へのデイトリップで日帰りダイビングができます。
デイトリップの場合は1日2ダイブが基本となり、朝8時頃ホテルを出発して港から朝9時頃の出航となります。
ダイビングスポットまでスピードボートで1時間~1時間半くらい、そこから午前1本、午後1本潜って午後2時半過ぎには帰路につき、ホテル着が午後4時ぐらいです。
また、デイトリップにせよダイブクルーズに参加するにせよ、ダイビングスポットまで距離があるので忘れ物をしないように十分に注意をしましょう。
シミラン諸島のアクセス情報
シミラン諸島へのアクセスは国際空港のあるプーケットが玄関口になります。
以前は日本からプーケットまでの直行便が就航していたのですが、現在は無くなってしまいました。
そのためバンコク経由の国内線を利用しますが、バンコクからプーケットへの便は各航空会社を合わせると1日50便ほど就航していますので、とくに不便を感じることはありません。
また、ダイブクルーズとデイトリップの発着拠点となるカオラックまでは、プーケットからホテルの送迎バスやタクシーで約1時間かかります。
カオラックの宿泊事情
プーケット島の観光化が進む、静かで落ち着いたリゾート地を望むヨーロピアンが開拓したのがカオラックです 。
シミラン諸島&リチェリューロック方面のダイビングなら、利便性からもカオラックを拠点にするがおすすめです。
カオラックも現在はスーパーマーケットやコンビニもあって賑やかになってきていますが、のんびりと素朴な雰囲気もまだまだ多く残されています。
大小のリゾートや街中のリーズナブルなホテルなど宿泊施設も多様で、おしゃれな飲食店も多く、本格的なタイ料理も思う存分楽しめます。
シミラン諸島のダイビングスポット
シミラン諸島は国立公園になっていますが、もともと地続きだった山脈が何百何千年の時を重ね海中に沈んでしまい、その頂上の部分だけが水面に現れている島々です。
南から1番(No.1)、2番(No.2)…と最北が9番(No.9)になり、周囲にはたくさんのソフトコーラルやサンゴが付着し一大ダイビングスポットになっています。
東側は白浜の斜面が続くポイントですが、西側は岩がゴツゴツとしたダイナミックな景観と、異なる水中景観が特徴です。
また、シミラン諸島には美しいビーチがあるので、ダイブクルーズ中に上陸することも可能です。
シミランNo.8には有名なバランシングロックがありますので、ここの真っ白なビーチで遊ぶのもおすすめです
そんなシミラン諸島のダイビングスポットを見てみましょう。
エレファントヘッドロック
エレファントヘッドロックは水面に露出する大中小の岩が象の頭と鼻に見えることから名付けられたポイントです。
シミラン諸島No.7とNo.8の間にあり、水中ではユニークなトンネル状のリーフが多くあります。
ウエスト・オブ・エデン
ウエスト・オブ・エデンは、まるでエデンの園のような美しい海中が楽しめるポイントです。
別名「Seafan City」 と呼ばれ、マッコスカーズフラッシャーラスやエバンスアンティアスなどのインド洋の固有種も多く見られます。
アニタズリーフ
アニタズリーフはシミラン諸島きっての癒しの景観が楽しめるポイントです。
真っ白な砂地が広がる水中、水深-7mの棚にあるサンゴ、ガレ場のカエルウオやクジャクスズメダイなどが見どころです。
ノースポイント
ノースポイントは巨岩が林立するダイナミックな地形が目玉のポイントです。
群生するウミウチワも見どころで、マンタやトラフザメが現れることもあります。
スリーツリーズ
スリーツリーズも白砂が広がる癒し系のポイントです。
バラクーダの大群から、ローランドダムゼル、オーロラパートナーゴビーといったレアな魚たちも見られます。
リチェリューロックのダイビング
リチェリューロックは、ミャンマーとの国境に近いスリン諸島国立公園の海域にある水深-30m近くから立ち上がる、長さ数十メートルにおよぶ大きな岩の根です。
大海原に突然現れる根は魚たちの格好の漁礁となっており、とにかく魚影が濃いのが特徴です。
リチェリューロックはクロワッサンのような形をした大きな根のため、弧の内側には小魚が多く、それを狙ったギンガメアジやロウニンアジなどの大型回遊魚も見られます。
そして、運が良ければジンベエザメも現れるスポットです。
コ・ボン&コ・タチャイのダイビング
コ・ボンはシミラン諸島の北に位置する島で、シミラン諸島同様に国立公園になっているためグローブやカレントフックなどの使用は禁止されています。
そして、コ・タチャイはコ・ボンのさらに北側に位置する南東に長い島で、島の南側にある隠れ根が人気のポイントです。
このあたりの海域にはマンタがよく現れ、ここでも運が良ければジンベエザメが現れることもあります。
コ・ボン&コ・タチャイのダイビングポイントを見てみましょう。
ウエストリッジ
ウエストリッジはコ・ボンにあるポイントで、西に突き出した崖がそのまま海に続くダイナミックな地形になっており、水中から滝壺を見ることができます。
回遊魚が楽しめるほか、マンタ狙いのスポットでもあります。
ノースリーフ
コ・ボンにあるノースリーフは、さまざまな種類のサンゴが折り重なるサンゴ礁が見事なポイントです。
リーフの途中に黄色のソフトコーラルに包まれた岩があり、スカシテンジクダイがびっしりついています。
コ・タチャイ・ピナクル
コ・タチャイ・ピナクルは島の南側にある離れ根で、流れがあると数百尾のブラックフィンバラクーダや何千という数のグルクンが現れたりします。
そして、竜宮城のように美しいソフトコーラルも見どころです。