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ダイビングの聖地と呼ばれる孀婦岩をご存知でしょうか?孀婦岩は八丈島と小笠原の中間あたりの大海原から突き出た高さ99mの突岩で、幻のダイビングスポットとして多くのダイバーを魅了しています。孀婦岩でのダイビングをご紹介します。
 

孀婦岩(そうふいわ)とは?

孀婦岩 ダイビング

 

孀婦岩(そうふいわ・そうふがん)は、東京から南へ約650km離れた豆南諸島の最南端にある大海原から突き出た岩の柱のことです。

孀婦岩から一番近い鳥島までは約80kmも離れており、周囲360度が海に囲まれた洋上にそそり立つ高さ99mもの突岩は見るものを圧倒するほどの迫力があり、その外観から海上に立つゴジラの後ろ姿に例えられることもあります。

また、孀婦岩を最初に発見したとされるイギリスの海軍大尉は、その神が宿ったような景観から旧約聖書の逸話から引用した「ロトの妻」と呼び、古くから船乗りや漁師たちの信仰の対象としても崇められてきました。

現在、孀婦岩の管理は東京都に属する八丈支庁が行っており、単なる岩礁ではなくどこの市区町村にも属さない「無人島」とする人も少なくありません。

 

水深2,500mから隆起した突岩

海上保安庁が公開している海域火山データベースによると、孀婦岩は噴火が繰り返してできた成層火山とされていますが、その詳細は現在も一切不明となっています。

何より驚かされるのは、孀婦岩は水深2,500mから隆起している孤立突岩ということです。

海洋地質学者によると孀婦岩は海底から続く巨大なバースデーケーキのような地形の上に1本のロウソクが立っている状態ということです。

 

 

孀婦岩のような突岩は世界的にも珍しく、多くの研究者や冒険家が熱い視線を注いでいます。

 

 

孀婦岩のダイビング

孀婦岩 ダイビング

 

そんな孀婦岩はダイバー憧れのダイビングスポットです。

大海原にポツンと突き出た孀婦岩のような場所は、小さい魚たちにとっては唯一の生息場所となり、海流に乗って大海原を回遊する魚たちにとって溜まり場となるため、非常に豊かな生態系が育まれます。

孀婦岩の周囲には攻撃的な性格から危険なサメと言われる3mを超えるガラパゴスザメが多数生息しており、ギンガメアジ、カッポレ、ツムブリ、カンパチ、イソマグロ、バラクーダなどの回遊魚が多く集まります。

また、季節によってザトウクジラやアカボウクジラなどが現れることもあるそうです。

そんな孀婦岩でのダイビングを記録した貴重な動画がありましたので、ぜひご覧ください。

 

 

そして、2018年にはNHKのドキュメンタリー番組「秘島探検 東京ロストワールド」のために、孀婦岩で潜水ドローンを使った初の大規模調査が行われました。

専門家はシーラカンスのような古代魚が生息していてもおかしくない環境と評し、この調査ではバラムツやモミジザメなどの深海魚が次々と見つかりました。

孀婦岩は、まさに「秘境」と呼ぶにふさわしいダイビングスポットなのです。

 

ダイビングの聖地「孀婦岩」

孀婦岩 ダイビング

 

孀婦岩を「ダイビングの聖地」と呼ぶダイバーも少なくありません。

では、なぜ孀婦岩が聖地と呼ばれるか、その理由を見てみましょう。

まず、周囲は海が荒く潮流も早いため、ダイビングができるのが1年のうち梅雨前後の1~2週間しかないということ。

加えて、孀婦岩のある豆南諸島の島々はすべて無人島のため定期船はなく、八丈島からでも20時間以上におよぶ航海が必要になること。

つまり、孀婦岩へダイビングに行くには、近海区域への航行が可能な船をチャーターするしか方法がないのです。

ただし、船がチャーターできたとしても天候や海況によって孀婦岩まで行けるかどうかも解りませんし、仮に孀婦岩に到着できたとしても潜れるかどうかも解りません。

しかも、孀婦岩までの航海は、無人島が連なるベヨネーズ列岩、スミス島、鳥島といった豆南諸島を渡りながら数日はかかります。

そして、孀婦岩はNHKが調査に入っただけで、その詳細は未だに解明されていない秘境の地です。

こうした様々な難関が、孀婦岩が「ダイビングの聖地」と呼ばれる理由なのです。

 

孀婦岩への行き方

かつては日本で唯一孀婦岩への不定期航路を持つ「スターマリンⅢ号」という大型高速遊漁船があり、ダイビングショップなどの主催で孀婦岩ツアーが開催されたことがありました。

ですが、その後の不景気からスターマリンⅢ号は乗客が減り、出航する機会も少なくなったため海外へ活躍の場を移してしまいました。

現在は伊豆下田から孀婦岩まで行ける船をチャーターできるという情報もありますが、詳細は一切不明で船を探すことすら難しい状況です。

そのため「何がなんでも孀婦岩をその目で見てみたい!」という人は阪急交通社が企画する小笠原クルーズ6日間に参加するのがおすすめです。

参照:阪急交通社・小笠原クルーズ6日間

ダイビングはできませんが、航海の途中で憧れの孀婦岩の姿を見ることができます。

 

ダイビングの聖地と呼ばれる孀婦岩ご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?孀婦岩はとても魅力的なダイビングポイントです。もちろん簡単にダイビングに行ける場所ではありませんが、夢を諦めずに持っていれば、いつかその日が訪れるかもしれませんね。孀婦岩でダイビングをするという夢が叶うように心から願っています。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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