ロードバイクのチューブレスタイヤを使い始めて、一晩でタイヤの空気が抜けるトラブルに悩んだ経験があります。原因はシーラント不足で、補充することで解決しました。この記事ではメンテナンスが苦手な筆者でも成功した、シーラントの入れ方や空気抜けチェック方法を実体験を交えて解説します。チューブレス整備に不安がある人はぜひ参考にしてください。

チューブレスタイヤの空気が抜ける原因とは

チューブレスタイヤは、従来のタイヤに入っていたチューブを使わず、タイヤとホイールの気密性で空気を保持する構造のタイヤです。軽量で転がり抵抗も少なくパンク耐性にも優れているため、多くのサイクリストに選ばれています。

しかし構造上、チューブ入りのタイヤよりも空気抜けに悩まされやすい一面があるといわれています。今回私が経験したのは、前日に入れたはずの空気が、一晩置いたらほとんどなくなってしまうという現象でした。

空気が抜ける原因はいくつか考えられます。

  • パンク(釘やガラス片などによる穴)
  • ビード部分の密着不足
  • バルブ周りからの漏れ
  • シーラントが乾いて機能していない

※ビード…タイヤをリムに固定して空気を保持するための強化部分

とくにチューブレスタイヤは、シーラント不足が大きな要因になりやすいようです。シーラントは液体のままタイヤ内部に留まり、小さな穴を自動で塞いでくれる役割を担っていますが、時間が経つと乾燥して固まってしまいます。

その結果、空気漏れを防げなくなるのです。

チューブレスタイヤやホイールについて以下の記事で詳しく紹介しています。

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シーラントの役割とは

シーラントについても紹介しておきましょう。

シーラントとは、チューブレスタイヤ内部に入れて使う、液体パンク防止剤です。走行中に小さな穴が開いた際、内部の空気圧でシーラントが押し出され、瞬時に固まって穴を塞いでくれるため、チューブを入れ替える手間が減らせます。

ただし、シーラントには寿命があります。走行の振動や温度変化によって徐々に乾燥し、半年もしないうちに固形化してしまうことも。メーカーや環境にもよりますが、3〜6か月に1度は補充するのがおすすめです。

今回のように、一晩で空気が抜ける症状が出始めたら、シーラント不足を疑ってみましょう。

私が試した「空気抜けチェック」3つの簡単ステップ

今回私は、水を使用して空気抜けをチェックしました。

簡単3ステップ、初めてでも簡単にできる確認方法なので、チューブレスタイヤの空気抜けに悩んだときはぜひ試してみてください。

  1. タイヤに2〜3bar空気を入れる
  2. バケツや浴槽に水を張る
  3. タイヤをゆっくり沈めて回転させる

チューブレスタイヤの空気抜けは「パンクなのか」「シーラント不足なのか」を見極めることが大切です。

私が実際に行った水を使ったチェック方法はとてもシンプルで、空気漏れがある場合は気泡が出てくるため、パンクの場所を一目で確認できます。穴が空いていればパンク修理が必要ですが、大きな漏れが見つからない場合は、シーラント不足の可能性を疑いましょう。

初めてでもできた!シーラント補充のやり方

私が実際に行ったシーラントの補充方法を紹介します。作業自体は10分程度で終わるので、それほど難しくはありません。

1.バルブコアを外す

バルブキャップを外したあと、バルブの先端部分を専用工具で取り外します。空気が一気に抜ける場合がありますが、驚かずにそのまま作業を進めて大丈夫です。

2.シーラントの計量

通常1本あたり30〜60mlが目安。ロードバイク用なら40ml前後で十分です。私は30mlで対応できました。環境やタイヤサイズによって必要量は変わるため、少なすぎないように注意しましょう。

3.シリンジやボトルで注入

シリンジなどを活用してタイヤ内に注入しましょう。専用シリンジを使うとこぼさずに入れられます。作業環境としては、床が汚れてもいい場所や新聞紙を敷くのがおすすめです。シーラントは乾くと固まるので、作業後こぼれがあればすぐに拭き取りましょう。

4.バルブコアを取り付けて空気を入れる

始めに外したバルブコアを取り付け、タイヤに空気を入れます。5〜6bar入れるとチェックしやすいでしょう。

5.タイヤを回して馴染ませる

タイヤを前後左右に回したり揺すったりして、シーラントをタイヤ全体に行き渡らせます。一晩様子をみて、空気が抜けていなければ完了です。私は2日後に再度空気を入れ直して実際に走行し、空気圧が安定しているかチェックしました。

チューブレスタイヤは定期的な点検が大切

シーラントを入れる前は、一晩で完全に空気が抜けてしまい「チューブレスって本当に実用的なの?」と疑問に思うほどでした。しかし、シーラントを補充してからは翌朝になっても空気圧が安定し、快適に走れています。

今回の経験を通して、チューブレスタイヤには定期的なメンテナンスが欠かせないと感じました。チューブレスタイヤで快適に走行するためには、定期的な点検とシーラント補充の習慣が重要です。

シーラントは消耗品であり、数か月ごとに補充して初めてタイヤ本来の性能が発揮されます。修理やメンテナンスが苦手な人でも、今回のポイントを押さえておけばチューブレス運用の不安はぐっと減りますよ。

ただし、シーラントを入れても空気抜けが改善しない場合はパンクやバルブ不良の可能性もあるため、早めにプロショップでチェックしてもらってくださいね。

タイヤの寿命については以下の記事を参考にしてください。

ロードバイクタイヤの寿命はどのくらい?交換する目安は?
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タイヤの空気抜けはパンクなど原因がさまざまですが、まずは確認すること。私の場合はシーラント不足が原因で、一晩で抜けてしまいましたが補充で解決しました。チューブレスタイヤは定期的な点検が欠かせません。焦らず簡単にチェックすることから試してみてくださいね。

yomec(よめしー)

ライター

yomec(よめしー)

自然豊かな新潟県在住、夫婦でロードバイクを楽しんでいる自転車ライター。子育てしながらトレーニングする方法を日々模索中です。今ではヒルクライムを中心としたレースが家族旅行に。愛車はSPECIALIZEDとBROMPTON。夫婦での所有スポーツバイクはなんと8台。ファミリーでも楽しめる自転車の魅力を発信します。