仕事の傍ら、趣味として楽しんでいた登山。ハマっていくうちに山に関わることをしたくなり、自らコミュニティを立ち上げてしまった三浦理美さんが主催するのは、未経験者や初心者向き少人数制イベントを企画するアウトドアコミュニティ「co+moment(コモーメント)」。立ち上げのきっかけや、今後の活動方針、二拠点生活についてなど、アウトドア好きなら多くの人が共感できそうな熱い思いを語っていただきました。

友人のひとことがコミュニティ立ち上げのきっかけに

山好きが高じてアウトドアコミュニティ立ち上げ!三浦さんがイベントに込める想い

三浦さんが立ち上げたのは、アウトドアコミュニティ「co+moment(コモーメント)」。「co=共同の・共通の」と「moment=瞬間」を掛け合わせて名付けられました。このコミュニティには、みんなで過ごす時間や、初心者が登山をはじめるキッカケを作りたいという、三浦さんの熱い想いが込められています。

「医療職をしながら休日に登山を楽しむようになり、何か山に関わることができないかと考えていたときに、登山初心者の友人と山に行く機会に恵まれました。そのとき友人を先導していたら『こういう仕事向いてるんじゃない?』って言われて。

だけど、私はガイド資格を持っておらず…。そんな自分でもできることを考えたときに、登山初心者や、まったくの未経験だけど登山に興味があるという人のお手伝いならできるのではないかと思いco+momentを立ち上げました」

立ち上げにあたり、三浦さんが最初に着手したのがコンサルタント業をしている知人への相談。形のないところから、コミュニティをどのように運営していくかを決め、友人にイメージイラストを描いてもらい、そこからSNSでコンセプトを形にしていくという流れで、着実に準備を進めたといいます。

「目指したのは登山初心者向け、ゆるく登山を楽しみたい人のためのアウトドアコミュニティです。なので、何も知らない人たちに集まってほしいと思い情報発信をしました。

実際にSNSで発信してみると、『こういうコミュニティを待っていた』とか『どんなイベントが企画されるのか楽しみ』とおっしゃってくださる人たちが多くて驚きました」

詳細は未定ですが、アウトドアショップ・自転車ショップ・フォトグラファーと、多岐に渡るコラボレーションの企画の話もあるのだそう。みなさん三浦さんの人柄とコミュニティに魅力を感じて集まっています。

まずはお山でコーヒーを!ゆるく楽しいイベントで気づいたこと

山好きが高じてアウトドアコミュニティ立ち上げ!三浦さんがイベントに込める想い

co+momentの記念すべき第1回目のイベントのテーマは「山でコーヒーを楽しむ」。登山やアウトドアシーンで活躍する軽量コーヒードリッパー「munieq(ミュニーク)」の制作者を招き、楽しく山に登り、山頂でおいしいコーヒーを参加者全員で味わったそうです。

「登山だけ」よりも初心者が参加しやすく、みんなで楽しく過ごす時間を作れたと語る三浦さんらしいイベントとなりました。

「COFFEE&HIKEと題して、山を登って山頂でコーヒーとお菓子を食べるというイベントでした。munieqさんのコーヒードリッパーは、手軽においしいコーヒーを味わえるのが特徴です。各参加者でコーヒーを淹れて味わう様子をSNSで発信したところ、それを見てぜひ次は参加したいと言ってくださる人も増えました」

山好きが高じてアウトドアコミュニティ立ち上げ!三浦さんがイベントに込める想い

ちなみにこのイベント、ウェアや持ちものは自由で(最低限の注意事項や三浦さんのアドバイスあり)、靴さえあれば誰もが気軽に参加できます。イベントを開催して、気づいたこともありました。

「週末は登山者やトレイルランナーが多く、すれ違う人や追い抜いていく人に注意しながら参加者に目を配るのが大変でした。山歩きに不慣れな方が多く、山の中でのルールを周知していくことも大切だなと感じました」

イベント参加者からは「また開催してほしい」という声が多く寄せられ、リピーターもいるようです。また、登山道具を検討したい人にとっても、コミュニティは意義があると三浦さんは語ります。

「山の道具は高価なものが多いので、用具選びに失敗したり、間違えて購入したりしてほしくないですね。やっぱり実際に身につけている人、使用している人の話を聞いて選ぶのがベターだし、そういうやりとりが楽しいと思うんです」

登山好きになったら・・・目標はテン泊大雪山?

山好きが高じてアウトドアコミュニティ立ち上げ!三浦さんがイベントに込める想い

三浦さんがイベントを企画する際に大切にしているのは「みんなで楽しむこと」。体力に自信がなくても、登頂できるか不安でも、気軽に参加できる。

よい景色を眺めながら、みんなでおいしいコーヒーが飲めて、おいしいご飯が食べられる。そういった小さな楽しみから、山や登山を好きになってもらいたいという想いを込めています。

「登山が初めての人は、軌跡を残せるYamapなどGPSアプリの存在を知らなかったり、熊やケガへの不安があったりします。そのような場合は山岳ガイドを利用する選択肢もありますが、そこに至るにはある程度の時間と費用を要するかと。

なので、co+momentはもっと気軽に身軽に、山と人との交流を楽しんでもらえるようなものとして利用して欲しいと思います。現在はおもに札幌市内の標高の低い山でイベントを開催していますが、いずれは郊外の山や大雪山系の山に登って、コーヒーや山ごはんを楽しむイベントを企画するのが目標です。

とくにみんなで大雪山テント泊という登山泊企画はぜひ実現させたいなと思っています。私が大雪山に行きたいだけなんですけどね(笑)」

山+仕事=二拠点生活!ワークライフバランスを追求して

山好きが高じてアウトドアコミュニティ立ち上げ!三浦さんがイベントに込める想い

2025年4月、三浦さんはかねてより住みたいと考えていた東川町と札幌市の二拠点生活をスタートさせます。そこには山に携わりたいと考えている三浦さんならではの働きかたも大きく影響しています。

「都市から離れた土地への移住はずっと夢でした。大雪山系が近い東川町であれば、拠点として持つのはありではないかと考え、家を建てることを決めました。

普段はフリーランスの医療職をしているので、拠点を選ばず働けるのがいいところです。自分がある程度フリーに動けるからこその二拠点生活なので、今からとても楽しみです」

二拠点生活がスタートしたら、まずは夏の道北の自然を遊び尽くし、冬は大雪山を楽しむ予定だと語る三浦さん。趣味と仕事のバランスを自分自身で選べるフリーランスとしての働き方は、アウトドア好きにはピッタリです。

「会社員だった頃はなかなか連休を取れるタイミングがなく、自分にとってはストレスでした。天気がいい日や雪がいい日でも自由に滑りに行けないですからね(笑)。フリーランスであれば予定に合わせて仕事の割合も調整できるので、山と仕事を両立した生活を目指したいです」

アウトドアコミュニティco+momentとしての活動と、自身のアウトドアライフを存分に楽しみたい三浦さんにとって、ベストな選択だったようです。

より魅力的なイベントを提供するために

山好きが高じてアウトドアコミュニティ立ち上げ!三浦さんがイベントに込める想い

三浦さん率いるco+momentは、これまでに縁のあった土地や、出会ってきた人々と密接に関わり合っていきそうです。

「旭川在住時、休日に隣町の東川町によくドライブに行っていました。そこで出会ったオシャレなお店の人に話を聞いてみると、地元の旭岳をフィールドに遊んでる人が多かったんです。

北海道のアウトドアといえばニセコだと思っていましたが、東川町にはニセコにはない静けさがあり、どことなく温かい雰囲気が自分には合っているのかなと思っています。

町の人がいうには、アウトドア界隈に決まったコミュニティみたいなものはないそうです。なのでco+momentが集まるキッカケになれたらなと思っています。私がこれまで関わってきた札幌・東川町・ニセコの人たちが集まることで起こる化学反応みたいなものを見てみたいですね」

現在の三浦さんは山岳ガイド資格取得を目標に掲げています。

「山岳ガイドを目指して自身のスキルや知識を身につけ、co+momentを通して登山好きな人をもっと増やしていきたいです。今イベントに参加してくれている人々が、ステップアップを目指したとき、また自分のお客さんになってくれたらうれしいなと思います」

三浦さんが登山初心者の入口として、また仲間が集える場所として立ち上げたアウトドアコミュニティ「co+moment」。登山に興味ある人はもちろん、何か新しく始めたい人にとっても気軽に仲間を増やせて◎!こういったコミュニティが各地域に増えれば、登山のハードルが下がり、アウトドアへの入口がより広がっていきそうですね。

モリミヤ ダイ

ライター

モリミヤ ダイ

ウィンタースポーツ雑誌編集者として、現場取材、インタビューなどを担当。現在はライター&ディレクターとして、雑誌、WEBと幅広くウィンタースポーツやアウトドアシーンの魅力、地域のコアな情報を伝えるべく力を注ぐ。趣味はスキーとキャンプ。最近はカヌーやSUPにハマり、いろいろな湖に行くのが楽しみの一つ。