キャンプ歴11年の筆者がたどり着いた新たなキャンプスタイル「庭キャンプ」の魅力を紹介します。キャンプはしたいけど仕事や子育てが忙しい、キャンプ場の予約が取れない、準備や片づけが面倒といった人たちにとくにおすすめ!ぜひ最後までチェックしてください。
歴11年のキャンパーが庭キャンプにハマったきっかけ
筆者がキャンプを始めたのは11年前。当時はソロやデュオキャンプを中心に、毎週のようにキャンプ場へ出かけていました。
しかし、結婚し子どもが生まれて状況が一変することに…。小さな子どもを連れてのキャンプは配慮事項や心配な点も多く、気づけば3年近くキャンプ場から足が遠のいてしまいました。
その後、子どもが成長し「よし!今年こそ行こう」と思ったときに、ちょうどキャンプブームが到来。それまでは簡単に予約できていた行きつけのキャンプ場も、あっという間に予約が埋まってしまうようになっていたのです。
ますますキャンプが遠のいてしまった筆者でしたが、そこで思いついたのがこの「庭キャンプ」でした。最初は「もうこの際、家でやっちゃおうか」というおもしろ半分な発想でしたが、いざやってみるとキャンプ場とも家ともいえない新鮮な感覚にドハマり!ここから、筆者の庭キャンプライフが始まりました。
庭キャンプの魅力4選
庭キャンプには、通常のキャンプでは味わえない魅力がたくさんあります。ここでは、毎週のように庭キャンプを楽しんでいる筆者が、とくに魅力に感じるポイントやおすすめする理由について紹介します!
移動時間0分の圧倒的な気軽さ
まずなによりも、庭キャンプは「移動する」という過程がありません。さらには、車への荷物の積み込みも不要です。準備といえば、家から必要な道具を出すだけ。「やることないからやろう」くらいの感覚で、とにかく気軽に開始できるのが庭キャンプなのです。
片付けもきわめて楽です。食器は家のなかで洗えばよいし、ゴミはいつもの地域のルールで捨てられます。当然チェックアウトの時間もないので、テントは乾くまで放置しておいてOK。雨さえ降らなければ、乾燥だって確実に済ませられますよ。
筆者の場合、朝の天気予報だけ確認して家族に突然「やろう」と伝え、30分後にはすべての設営を終えて庭キャンプを始めている、なんてことはよくあります。移動や積み込み、片づけの時間を省けるぶんだけ、のんびりできますよ。
突然のハプニングにも楽々対応
キャンプ中に天候の急変によって大変な思いをしたなんてこと、一度はあるのではないでしょうか。濡れてはいけないギアの撤収やテントやタープの対処など、やるべきことは盛りだくさん。一時的に車に避難したり、場合によってはキャンプの中止も考えなくてはいけません。
その点、庭キャンプであれば心配ありません!撤収・避難場所はすぐ目の前です。あぶないと思えば家のなかに入ればよいし、天気が回復すればまたすぐに再開できます。
また、小さな子どもがいる家庭にもおすすめです。子どもは最初は楽しんでいても、途中から飽きてしまいぐずり始めるなんてことありますよね。このようなときにも「すぐ家に入れる」というのは大きな強みとなるのです。一度家に入ってお気に入りのおもちゃで遊んだり、テレビを見たりすれば、また新鮮な気持ちで楽しめますよ。
使い慣れた安心のアメニティ
キャンプ場選びの際に、風呂やトイレなどの設備面を重要視する人は多いのではないでしょうか。慣れない環境での使用に抵抗を感じる人も少なくありませんし、ファミリーキャンプではとくに大きなポイントとなるでしょう。キャンプ場によってはトイレがお世辞にも清潔とはいえない場合もありますよね。風呂についてはそもそも設置していないキャンプ場もあります。
当然ですが、庭キャンプではトイレや風呂などの設備も万全です。使いたいときに使い慣れた環境がすぐ近くにあります。食事や焚き火を楽しんだあとに、疲れた体をいつもの風呂でゆっくりと癒すなんて贅沢もできるのです。
このように、ストレスフリーで快適に楽しめるのも庭キャンプの魅力といってよいでしょう。
新しいキャンプスタイルを発見
庭キャンプのおもしろさは、通常のキャンプでは難しいことにも挑戦できる点にあります。自宅のWi-Fiや電源を使えば、野外シアターを開いたり、テレワークをしながらキャンプを楽しんだりすることも可能です。
料理の可能性も広がります。食材の下処理といった面倒な準備は家のなかで、火を使った調理は外でというように、家とキャンプ場のいいとこどりの調理方法が可能なのです。電子レンジを使えば時短にもなりますし、キャンプ用のバーナーを使えば家のなかでは難しい高火力での調理や炙りなどもできますよ。
ほかにも庭ならではの楽しみ方はたくさん。自宅の日常感とキャンプの非日常感を組みあわせた、新しいキャンプスタイルを見つけられるはずです!
庭キャンプを行う際の注意点は?
庭キャンプは手軽に楽しめる反面、いくつか注意すべき点もあります。筆者の経験上、とくに注意した方がよい点を以下にまとめました。全員が気持ちよく楽しむためにもぜひ一読ください。
火の取扱い
火の取り扱いには十分な注意が必要です。炭や薪を使用する場合は、水の入ったバケツや消火器などを用意するほか、周囲に燃えやすいものがないか確認してください。また、軒下は熱がこもりやすいので、大きな火が出るような器具の扱いは避けた方がよいでしょう。
においや煙
バーベキューなどを行う場合は、においや煙にも気を付けましょう。風向きを考慮し、近隣の家に煙が直接向かわないよう工夫が必要です。立地やその日の風向によっては、煙の出やすい炭の使用は避けた方がよいかもしれません。また、日中は外で洗濯物を干している家庭も多いはずですので、場所を変えたり時間をずらすなどの配慮もすべきでしょう。
会話や音楽などの音
会話や音楽などといった音にも配慮してください。庭やベランダで発生するさまざまな音は意外と響きます。楽しい雰囲気のなかでついつい盛り上がってしまいがちですが、自宅の立地や周囲の環境などをよく考え、大きな声や音楽は控えめにしましょう。
ご近所さんへの挨拶
より万全を期すなら、庭キャンプを始める前にご近所さんの理解を得ておくことをおすすめします。自分たちは楽しくても、もしかすると周りには快く思わない人もいるかもしれません。できることなら事前に丁寧に挨拶をし、もしなにか問題があれば遠慮なくいってほしいとの一言があるだけで、良好な関係を維持できるはずです。
庭キャンプは時間もかからず無料で手軽にキャンプ気分を味わえるおすすめのキャンプスタイルです。工夫次第では、通常のキャンプではできない新たな楽しみ方も発見できるかもしれませんよ。
庭キャンプには、ここでは語り切れない魅力や可能性がまだまだたくさんつまっています。ものは試し、まずはチェアとテーブルだけでも用意して、徒歩0分のキャンプ場へ出かけてみましょう!
ライター
SUGURU
キャンプ歴11年。アウトドアと家族を愛するパパキャンパー。ともに暮らす妻と2人の娘はインドア派。家族の機嫌をうかがいながら週末キャンプ・ギア収集を楽しんでいる。最近は、気軽に楽しめる「おうちキャンプ」で一味違った新たなキャンプスタイルを模索中。2019年には庭の物置をDIYでキャンプガレージに改装。お気に入りのギアに囲まれて過ごす「ガレージキャンプ」という新たな試みも行っている。