ハンマーヘッドシャークに出会えるスポットとして有名な、静岡県の神子元島(みこもとじま)。夏から秋にかけては、その姿を一目見ようとダイバーが集まります。今回は、神子元島ダイビングの魅力や、ハンマーヘッドシャークに出会うためのコツを紹介します。
神子元島(みこもとじま)ダイビングの3つの魅力
伊豆半島の最南端に浮かぶ神子元島。下田から約10kmの沖にある小さな無人島です。日本最古の洋式石造灯台があり、相模湾や東京湾への入り口を示す役割を担い続けています。
ここでは、神子元島ダイビングの魅力を3つ紹介します。
①ハンマーヘッドシャーク
頭部がハンマーのような形をし、シュモクザメとも呼ばれるサメです。神子元島は、世界中の海洋生物学者が生態調査をするなど、ハンマーヘッドシャークの有数な生息域として知られています。
とくに、水温が上がる夏から秋にかけ、100匹以上のハンマーヘッドシャークの群れが、黒潮にのってやってきます。大河の流れのように泳ぐ光景は、迫力満点です。
②多種多様な生き物たち
黒潮の影響を受けた島の周辺の海洋には、さまざまな生き物が生息しています。ワラサやカンパチなどの回遊魚や、アオブダイやサメなどの大型魚も見られるのが特徴。
また、魚だけでなく、アカウミガメやトビエイにも出会えます。目当てのハンマーヘッドシャークが見られなくても、ダイビングを十分に堪能できるでしょう。
③ドリフトダイビング
神子元島では、潮の流れにのって海中を漂う、エキサイティングなドリフトダイビングが楽しめます。潮の流れとともに大量のプランクトンが集まるため、サメやマンタなど、大物に出会いやすいのが魅力です。
ドリフトダイビングの潜り方などを下記の記事で詳しく紹介しているので、参考にしてみてください。
参考:ドリフトダイビングの潜り方とポイント!必要なスキルとアイテムは?
ハンマーヘッドシャークに出会うためのポイントは?
神子元島でハンマーヘッドシャークに出会うためのポイントを見てみましょう。
6〜10月を狙う
ハンマーヘッドシャークを狙うなら、海が比較的安定している6〜10月がおすすめ。とくに、7〜9月はベストシーズンです。
さらに、暖流の黒潮が近づいているときは、ハンマーヘッドシャークの群れがあらわれるチャンスが高まります。
必要なスキルを身につける
神子元島では、ダイブ経験の本数が最低30本以上ないとエントリーできません。現地のガイドラインで定められており、ダイビングショップによっては50本からのところもあります。基本のダイビングスキルは身についていることが大前提です。
また、神子元島の海域は、潮の流れにのってダイビングする、ドリフトダイビングの知識と経験が必要になります。潮の影響によって海中の流れが速いので、ドリフトダイビングに関するさまざまなスキルを身につけておきましょう。
信頼できるダイビングショップで予約する
必要なスキルが身についたら、信頼できるダイビングショップで予約しましょう。価格だけにとらわれず、自分に合ったツアー内容なのか、ベテランガイドなのかなどを見極めて参加するのが大切です。
ダイビングショップのホームページで、ツアー内容・ガイドダイバーのランク・経験本数などをチェックしましょう。
ハンマーヘッドシャークのおすすめポイント
神子元島でハンマーヘッドシャークに高確率で遭遇できるポイントを6つ紹介します。
①カメ根
神子元島の南にある、ハンマーヘッドシャークの高い遭遇率を誇るポイント。潮の影響を受けやすく、ダイナミックな地形で、さまざまな回遊魚が出現します。潮の流れが速く、浮き沈みが激しくなる場合があるのでスキルが必要です。
②Aポイント
神子元島から水中につづく尾根の先に、夏限定でハンマーヘッドシャークがあらわれます。海底に着地しながら眺められるため、泳ぎに自信がない人向けです。
③青根
江ノ口のポイントから南に位置しています。ジャブ根とも呼ばれている、ダイナミックな地形が魅力。ワラサやカンパチなどの回遊魚が多く見られ、ハンマーヘッドシャークやメジロザメの遭遇率が高いポイントです。
④三ツ根
カメ根の反対側にあり、水面に顔を出した3つの岩が特徴。水中で大きな根になっています。根の西側は平坦でなだらかに深く、東側は垂直に切り立ったドロップオフ。断崖の先では、さまざまな魚が泳ぐ姿に魅了されるでしょう。
⑤白根
神子元島の東に位置し、水深が比較的浅く、平坦で穏やかなポイントです。ただし、潮の流れによっては速くなる場合があるので、油断はしないようにしましょう。冬から春にかけては、ネコザメやカスザメに遭遇できます。
⑥江の口
神子元島の西に位置し、湾内は比較的流れが穏やかで、初心者向けです。少し沖に出るとぐんと深くなり、テングダイやイサキなどが通年見られます。ハンマーヘッドシャークは冬場が狙い目です。
ライター
yuki
幼少期からキャンプや釣り、スキーなどを楽しむアウトドアファミリーで育つ。10代後半は1人旅にハマりヨーロッパや北米を中心としたトラベラー期となる。現在もスキー、スノーボード、ダイビングなど海や山で活動中。「愛する登山」は低山から厳冬期の雪山まで季節問わず楽しむhike&snowrideなスタイル。お気に入りの山は立山連峰!Greenfield登山部/部長の任命を受け部活動と執筆活動に奮闘中。