「じつは登山のマナーについてよくわからない」とひそかに思いながら、なんとなく周囲にあわせたまま山登りをつづけている登山初心者の方もいるかもしれませんね。”モヤモヤとした気持ち”を抱えて理解していないままでは、せっかくの登山も楽しめません。この記事では登山時の「基本マナー」と「ルール違反」について紹介していくのでチェックしてみてくださいね。

 

登山のマナーとは?

登山 初心者 マナー

登山でのマナーは「自分の命を守るため」「山の自然環境を守るため」「ほかの登山者に迷惑をかけないため」これらのためにも、なくてはならないルールです。

自然相手の登山では、ささいな気のゆるみや不注意から大きな事故へとつながりかねません。自分だけではなく、周囲の人へ危険をおよぼしてしまうことがないように、登山の基本マナーを身につけておきましょう!

大自然からの恩恵を損なわず安全に下山するためには、山でのマナーを一人ひとりが意識して守ることが大切です。
 

登山デビューするまえに覚えておきたい【基本マナー】

登山 初心者 マナー

初登山まえに気になるのは、登山時のマナーではないでしょうか。すでに登山デビューをしたばかりの初心者の方も、つぎの登山に向けて「基本マナー」をおさらいできるように紹介します。

すれ違う人に挨拶をする

登山道ですれ違う際には「おはようございます」や、「こんにちは」などのように挨拶をしましょう。日常生活で見知らぬ人へ挨拶することは、ほぼあり得ないことですが、山での登山者同士の挨拶は基本です。

さわやかな自然のなかで、軽やかに挨拶をかわすのは気持ちがよいものです。慣れないうちは、気恥ずかしさやタイミングが掴めずにためらってしまうかもしれません。

万が一、遭難などの事故に遭ってしまったときの手がかりにもなるので、山での挨拶は必須といわれています。山で挨拶をする理由を知れば、躊躇せずにスムーズな挨拶ができるかもしれませんね。

登山道では1列で歩く

せまい登山道では、左右のどちらかへ寄って1列に歩くのがマナーです。グループやパートナーと一緒に出かけることもある登山では、登山道で見つけた高山植物や、美しい光景について感動を共有しながらおしゃべりしたいですよね。

話に夢中になって道で広がっていると、ほかの登山者に気づくのが遅れる原因になりかねません。追い抜こうとしている人の邪魔にもなり、せまい場所を通ろうとした人に怪我をさせてしまうことも。

「登山道では、1列で歩くことが基本」
片側の道は追い抜く人のためにスペースをあけておく配慮が必要です。

登る人を優先して道をゆずる

登山道では、「登る人が優先」と覚えておきましょう。下山者の方が登ってくる相手に気づきやすいためです。

また下山者が道をゆずる理由のひとつには、落石防止もあります。登ってくる登山者に落石で大怪我をさせてしまわないよう、道幅の広い山側に避けて待機しましょう。

避ける場所がないときや、登りの登山者が相手に先に進んでほしい場合など、状況によって臨機応変に対応することも大切です。

声を掛けあって、お互いのペースを尊重できるとよいかもしれませんね。

ゴミは捨てずに持ち帰る

「登山中に出たゴミはすべて持ち帰る」というのが山での基本ですが、きちんと守れていますか?

うっかりとした不注意から、意外と守れていない部分があるゴミ問題。飴やチョコレート、食べたご飯の袋や容器だけがゴミではありません。

調理をしたあとにでるゆで汁や、飲み残した飲料水を捨てることはゴミを捨てているも同然です。水以外の水分には、油分や塩分などが含まれているので山で捨てるのはNG。

また山小屋にあるゴミ箱へ、自分が出したゴミを捨てるのも避けましょう。「山になかったものは、山に残してはいけない」と意識すると、できる限りゴミを出さないよう工夫して準備できるようになりますよ。

登山中のゴミのマナーについては、こちらの記事を参考にしてみてくださいね。
「登山向けゴミ袋10選と登山中のゴミのマナー」

自分のレベル以上の山に登らない

圧倒的スケールの光景を間近に楽しめるのが登山の醍醐味ですが、自分の経験や体力に合った山を選ぶこともマナーのひとつ。

厳しい自然が隣りあわせの山で無理をすると、体調を崩してしまったり、怪我を引き起こしてしまったりします。

自分の力で下山できない状態になると、周囲の人に迷惑をかけてしまうことも。過信せずに、自分のレベルにあった山から少しずつ慣らしていきましょう。

登山で避けたいタブーとされる【ルール違反】

登山 初心者 マナー

登山の基本マナーとともに覚えておきたいのは、タブーとされる「ルール違反」です。知らずしらずのうちにルール違反の行動を起こしてしまわないように、こちらもチェックしておきましょう。

登山道を外れて歩かない

歩きやすく整備された登山道を外れてしまうと、見た目には気づかない危険が潜んでいる場合があります。「草が生い茂り、見えていない道のすぐ先は崖だった!」ということもしばしば。

また貴重な高山植物や絶滅危惧種の動物などが生息する山では、登山道以外のエリアにロープを張って規制しています。

滑落や転落の危険を避けるだけではなく自然保護のため、登山道を外れて歩くことは登山者としてタブーと覚えておきましょう。

使用した食器は洗わない

日常生活では考えられない「食器を洗わない」という非常識が、山では常識となります。

「ゴミを捨てない」という基本マナーにも通じるところですが、食器についている油分や塩分を洗い流す行為は山で禁止されています。自然界にないものを捨てるということは、環境破壊へとつながってしまうからです。

つかった食器の汚れはペーパー類で拭きとり、ジップロックなどに密封して持ち帰るようにしましょうね。

暗くなるまえに下山する

天候が急変しやすい山では、暗くなるまえに余裕をもって下山することが大切です。道が見えない暗い状態では、自力で下山できなくなり周囲に迷惑をかけてしまいます。

季節によって日が落ちる時間は違いますが、遅くても16時までには下山しておきたいところ。想定外で道に迷ってしまった場合などを考えて、下山時間から逆算して早めのスケジューリングをしましょう!

登山のマナーについては、こちらの記事も参考にしてみてくださいね。
「大人女子として確認しよう!大切な登山のマナーのこと」

日常生活の常識感覚をもって登山をすると、戸惑うことや違和感を感じてしまうこともあるかもしれませんね。登山でのマナーやタブーは、多くの登山者が安全に登山を楽しむために必要なルールです。そして山から無償の恩恵をもらっている私たちが、山の自然環境を守っていくためには欠かせないもの。登山初心者のころは、うっかりとルール違反をしてしまうこともあるかもしれません。この記事を参考に、何度か山に足を運びながら少しずつ覚えていきましょう。

 

ライター

Greenfield編集部

自然と向き合い、環境に配慮しながらアウトドアスポーツを楽しむ人に向け、自分や周囲のウェルビーイングの向上につながる情報をお届けします。