ペスカタリアンとヴィーガンの違い
「ペスカタリアン」と「ヴィーガン」。実は、どちらもベジタリアンの種類であることをご存じですか。ベジタリアンやヴィーガンなら、知っている方も多いでしょう。少し複雑に思えるかもしれませんが、ベジタリアンのなかにもいろいろな種類があるんです。
では、そんなベジタリアンの一種である、ペスカタリアンとヴィーガンの違いについて説明します。
ペスカタリアンの定義
ベジタリアンのなかでも、お肉だけを避ける食生活を送っている方たちです。魚介類・卵・乳製品は摂取します。制限が少なく、続けやすいのが特徴です。ベジタリアンだからといって、必ずしも動物性のものを摂取しないとは限りません。
以前は、「フィッシュベジタリアン」と表現されることもありました。最近は「ペスカタリアン」と表現されることが多い傾向にあります。ペスカはイタリア語で「魚」をあらわすペッシェに由来し、タリアンはベジタリアンと同じ「人(主義者)」を意味しますよ。
ヴィーガンの定義
ベジタリアンのなかでも、お肉・魚介類・卵・乳製品・はちみつなど、すべての動物性のものを摂取しない方を指します。「完全菜食主義者」とも呼ばれていますね。
食べ物だけではなく、身に付けるものや使用するものも、動物性のものは避けます。たとえば、毛皮や革製品などはNG。化粧品やシャンプーなども、動物性の成分が含まれていると使いません。また、製造するプロセスで、動物実験をされているものも自ら使用を禁じます。
ペスカタリアンのメリット5つ
ペスカタリアンはお肉を摂取しないことで、さまざまなメリットがあります。具体的に5つのメリットを見ていきましょう。
①ダイエット効果を期待できる
お肉を摂取しないので、ダイエットの効果を期待できます。太る原因はお肉だけではありませんが、濃い味付けの焼肉などと一緒にご飯をたくさん食べる人は、体重が気になってきますよね。
お肉を食べる量を減らすと、野菜を多く摂る機会が増えます。食物繊維などの栄養素をたくさん取り込めば、お通じがスムーズになるというメリットもありますよ。
②美肌効果を期待できる
お肉を食べないため、自然と消化のよいものを摂取するようになります。胃腸に負担がかかりにくくなり、腸内環境が整いやすくなるのもメリットです。
また、お肉の代わりに大豆食品を多く食べると、イソフラボンをとれます。イソフラボンは、女性ホルモンとよく似た働きを持つ成分とされているのが特徴。肌のコンディションも整いそうですね。
③健康へのリスクを軽減できる
野菜中心の食生活をすると、血圧を下げられる可能性があります。また、魚から摂取できるDHAは、オメガ3脂肪酸になり、心疾患などの予防効果があるとされていますよ。
野菜や豆類などに加え、魚介類もバランスよく摂るペスカタリアンの食生活。実践してみて、健康へのリスクを抑えたいですよね。
④気候変動の問題への関心が高まる
気候変動の要因のひとつである温室効果ガス。その排出量の全体の約15%が、家畜を飼育・生産することでもたらされています(ゲップや糞尿など)。
グローバル規模でお肉の消費を減らせば、気候変動の問題に貢献できるアクションになるでしょう。
出典:国際連合食糧農業機関(FAO)「Key facts and findings」
⑤動物(家畜)にやさしい選択ができる
ペスカタリアンは、魚介類や卵、乳製品は食べます。そのため、動物愛護の観点を突きつめると、矛盾を感じる方もいるかもしれません。ただし、ペスカタリアンはお肉を食べないので、食肉用の動物に対しては、やさしい選択につながると考えられます。
ペスカタリアンのデメリット2つ
ペスカタリアンは、お肉の代わりに、多くの魚介類を摂取する傾向にあります。そのために生じるデメリットもあるので、注意が必要です。
①水銀の多量摂取の可能性
ひとつのデメリットして挙げられるのが、魚介類に含まれる水銀を多く摂取するリスクです。魚介類には、自然界にある水銀が体内に含まれています。ペスカタリアンはたんぱく質や他の栄養素を補おうとして、積極的に魚介類を摂取する傾向があるため、健康への影響が懸念されるのです。
魚介類だけに偏らず、野菜やきのこ、豆類なども上手に取り入れられるよう、料理のメニューを工夫してみましょう。
②漁業における環境問題
いま世界中の水産資源は、獲りすぎにより、危機的な状態になっています。しかし、ペスカタリアンの食生活は、魚介類中心になりがちです。持続可能な水産資源を守るための行動も、大切になってくるのではないでしょうか。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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