海キャンプのすすめ
キャンプと言えば、木々に囲まれた山中のキャンプ場をイメージする方が多いでしょう。
実際、管理されたキャンプ場は、平原や開けた森の中がほとんどです。
一方、海のキャンプには山のなかのキャンプにはない魅力がたくさんあります。
筆者の出身地北海道では、山のキャンプ場に行ったことはないけれど、海でのキャンプは毎年楽しむという方が少なくありません。
海でのキャンプにはどういった魅力があるのでしょうか。
混雑が少ない
昨今のアウトドアブームもあり、ゴールデンウィークはもちろん、ちょっとした連休ともなれば、キャンプ場は大混雑。
しかし、キャンプと言えば山へ行くイメージからか、海でのキャンプはハイシーズンでも混雑することは稀。
スペースがたくさんあるので、多少の混雑であれば少し離れた場所をキャンプ地にすることもできますね。
もちろん同じ海岸でも、キャンプ地に適した場所とそうでない場所があるので、十分注意してキャンプ地を選ぶようにしましょう。
ファミリーキャンプにもおすすめ
山のなかのキャンプ場だと、家族連れ向けにつくられた場所でなければ、意外とアクティビティが少なくて子どもが飽きてしまうなんてことも。
せっかく家族で出かけても、子どもスマホばかり見ているとこちらのモチベーションまで下がってしまいますよね。
しかし、海でのキャンプなら日が高いうちは海で遊び、夜はそのまま泊まっていくという楽しみ方ができます。
一日中、飽きずに楽しめるので、ファミリーキャンプデビューにも海キャンプはおすすめです。
海キャンプの心得って?
海でのキャンプは素晴らしいアウトドアですが、山でのキャンプとは根本的に違うものです。
海キャンプのための装備も必要になるので、山でのキャンプに慣れた方もどういった違いがあるのか確認しておきましょう。
通常のペグが使えない!
海辺でのキャンプは基本的に砂浜で行うので、ペグではテントを固定することはできません。
砂浜でも使用できるサンドペグもありますが、水分がない緩い砂浜ではサンドペグでも抜けてしまうことがあります。
このため、海でのキャンプでは、重しを使ってテントを固定するのが一般的です。
使うのは、砂浜に無限にある砂です。
ホームセンターで土嚢袋を用意し、砂を詰めてロープに括りつけてテントを固定します。
持ち帰るときもコンパクトになりますし、まず風に飛ばされる心配もありません。
土嚢袋に砂を入れるために、小さなスコップを用意しておくといいでしょう。
シャワーの確保は必須
海では、海水浴を楽しまなくても潮風によってかなり体がべたついてきます。
山のキャンプ場であればたいていシャワーが完備されていますが、海の場合、キャンプできる砂浜にはシャワーがないことがほとんどです。
ですから、シャワーが確保できる場所かどうかは前もって確認しておいたほうがいいでしょう。
海水浴場が近くにあれば日暮れまではシャワーを使える場合もありますし、近くに温泉があればベストです。
もしシャワーが近くにない場合や、ちょっと体をさっぱりさせたいときのために、ボディシート(汗拭きシート)などを用意しておくと便利ですね。
買出しは前もって十分に
昼なら、海水浴場が近くにあれば出店で食料を補給することもできますが、夜になると補給できるお店はほとんどなくなります。
とくに水の確保が難しくなるので、最低限飲料水は十分確保し、生活用水はタンクに十分補充して用意しておきましょう。
心配であれば、買い出しに行きやすいように、なるべく市街地から離れていない場所を選ぶようにしましょう。
海キャンプの注意点と対策法
海でのキャンプでは、山では起こりえないトラブルのリスクもあります。
最悪命に繋がるトラブルも起こりえるので、十分注意し対策方法も覚えておきましょう。
熱中症対策
海岸は日陰がないので日光が体温を上げやすく、熱中症のリスクが上がります。
気温が高くないように感じても、必ず帽子を用意し、こまめな水分補給を忘れないようにしましょう。
万が一のことを考えて、キャンプ地の位置情報を確認し、何かあればすぐに助けを呼べるように準備しておくと安心です。
強風対策
海の天気は変わりやすく、遮蔽物がないので突然の強風にさらされることもあります。
荷物が飛ばされないように注意するのはもちろん、テントを立てる向きにも意識しましょう。
海キャンプでは、テントは海側、もし裏に山があれば山側にも入り口が向かないように設置します。
飛ばされるリスクを下げるだけでなく、風に巻き上げられた砂がテントに入り込まないための配慮にもなります。
高潮対策
天気が急変すれば、高潮がキャンプ地を襲う可能性も想定しておきましょう。
海に近いほうがレジャーに適していて、ロケーションもよくなりますが、高潮にさらされるリスクも上がります。
満潮も考えてなるべく海から離れ、少し高さのある場所を選びましょう。
車のスタック対策
砂浜を車で移動すると、どうしてもスタックしてしまうリスクが付きまといます。
しかも、道路以外ではロードサービスが対応できない場合もあるので、絶対に避けたい事態です。
もしスタックしてしまったら、無理にアクセルを踏んで脱出することは絶対にやめましょう。
タイヤが砂を掘って腹ばい状態になると、まず自力では脱出できなくなります。
少しでもスタックした場合は、まずは落ち着いて車から降りて、タイヤの周辺を水で濡らしてみましょう。
軽いスタックであれば、砂が水で固まり脱出できる可能性があります。
それでもダメなら、濡らした上にレジャーシートなどを敷いて脱出を試みましょう。
最悪、通りがかりの車に助けを求めることになるので、万が一に備えて牽引ロープを積んでおくと安心です。