テントの中は火気厳禁
薪ストーブ用のコットンテントや、スノーピークのラウンジシェルオールインワンのように、火気の使用がOKとされているシェルターはごく一部です。
基本的に、幕の中は火気厳禁。
もちろんストーブだけでなく、シングルバーナーやツーバーナー、ランタンなどのガス、ガソリンの使用も含みます。
火気の使用が禁止されている理由は、
- 一酸化炭素中毒の危険
- 火災の危険
この2つの可能性が非常に高いからです。
「でも、実際みんなやってるよね?」と軽い気持ちで使用すると、取り返しのつかないことになりますよ。幕内でストーブを使用するには、厳重な注意が必要なんです。
一酸化炭素中毒の危険
一酸化炭素は、木炭、練炭だけでなく、灯油やガスなど、燃焼するものがあれば必ず発生します。
無色で無臭の気体のため、密閉空間で充満していても気付きにくく、気付いたときには中毒に陥っているという恐しい毒ガスなんです。
一酸化炭素中毒の症状は、軽度のもので頭痛、めまい、吐き気などですが、重度になると意識喪失、昏睡、最悪死にいたる場合があります。
一番多いケースは、就寝時の暖房器具の付けっぱなしによる事故。
寝ているので、症状が出る濃度になっても気が付かずそのまま死亡してしまう、またはテントの外に出た途端、意識を失い倒れてしまうなどは、今まで実際にキャンプ場で起こった例です。
火災の危険
布の中で火を燃やすわけですから、家の中よりも火災の危険性が高くなるのは容易に想像できるはずです。しかし、野外だからなのか、あまり気にしていない人も多いのが現実。
火に強いとされているコットンテントですら、高温に晒されれば燃えます。多くの人が使っている化繊のテントだったらどうでしょう。
何かの拍子でストーブを倒してしまったら、薪ストーブを勢いよく燃やしすぎて、火の粉でテントに火がついてしまったら・・・
化繊は燃えやすいので、穴が開くだけならまだしも、一瞬でテントごと燃えてしまう可能性があります。
安全に使うためには
危険があることは分かっているけれど、それでもストーブなしではやっていけない・・・という気持ちは分かります。
シェルター内でのストーブの使用はあくまで自己責任ですが、しっかり気をつけてさえいれば、快適に過ごすことができます。
換気をする
テントやシェルター内でストーブを使う際は、必ず換気をしてください。一酸化炭素は空気より軽いため、上に溜まります。ベンチレーションが上にあるテントの場合は開けておきましょう。
上にベンチレーションが無い場合は、2ケ所ほどメッシュして、空気の通り道を確保してください。
薪ストーブは煙突から煙を排出するので、石油ストーブよりは一酸化炭素中毒の危険は低くなりますが、それでも換気が必要ないわけではありません。
油断せず換気に留意してください。
テントを選ぶ
なるべくなら、冬場は燃えにくいコットンテントがおすすめです。コットンテントは透湿性が良いので、中で暖房を使っても結露しにくいところも◎。
コットンテントは高額なのでなかなか手が出ないという方は、2ルームテントはいかがでしょうか。
十分な広さが確保できますし、リビング部分が土間のように使えますから、万が一灯油をこぼしてしまったりしてもテントに染みることはありません。(匂いは残りますが・・・)
ただし、薪ストーブを使うには、幕が本体に触れないよう工夫して設置する必要があります。
一酸化炭素警報機
一酸化炭素の濃度が高くなると、警報で知らせてくれる装置です。ストーブを使用するなら必ず用意してください。
一酸化炭素が溜まりやすいテントの上部に付けておくと安心ですよ。ただし、これはあくまでお守り代わり。
突然の電池切れや故障で、作動しないこともあり得ます。あまり過信しすぎず、換気をきちんとした上で設置してください。
携帯消火器
焚火をする時は、万が一の時にバケツに水など用意しているかと思いますが、ストーブを使っているときも、備えは必要です。
例えば火が灯油缶に燃え移ってしまったとか、テントが燃えて大きな火災になってしまったときには、水ではなく消火器でなければ鎮火できません。
管理棟にも備え付けの消火器があるはずですが、遠い場所に張ったときの場合も考えて、自分でもミニ消火器を持っていると安心です。
電源サイトを使う
そんなに危険なら、やっぱり冬キャンプやめようかな・・・と、諦めないでください。心配な方は、電源サイトで火を使わないセラミックヒーターやホットカーペットで暖を取る方法もあります。
ただし、電源サイトは使えるアンペア数が決まっていますので、使用する機器のワット数を確認してくださいね。だいたい10アンペアくらいのキャンプ場が多いので、1000Wまでは使えます。
火の暖かさは心地よいものですが、子どもがいる場合や風の強い日などは、電気の力に頼った方が安全です。
他に、湯たんぽやテントシューズなどを駆使すれば、火を使わずとも暖かく過ごすことができますよ。
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ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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