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坂道やスプリント走行など、ロードバイクで脚力を最大限に使って走るにはダンシングの技術が必要です。立漕ぎというと簡単に聞こえますが、本物のダンシングはトレーニングとコツが必要です。今回はダンシングの基本的なやり方と、習得するコツを解説します。

ロードバイクの「ダンシング」とは?

ロードバイク ダンシング

 

ダンシングとは自転車の漕ぎ方の技術のひとつで、いわゆる立ち漕ぎのようなスタイルで自転車に乗ることを指します。

人気漫画「弱虫ペダル」の登場キャラクターが多用したことで、一気に有名になりましたね。

スタイルこそ似ているものの、ママチャリに乗っているときの立ち漕ぎとは違い、ロードバイクにはロードバイクのダンシングの方法があります。

 

ダンシングと立ち漕ぎは別物?

ママチャリの立ち漕ぎと、ロードバイクのダンシングは根本的に違うものです。

一番の違いは、ママチャリでは脚が辛いときに立ち漕ぎしますが、ロードバイクのダンシングはそれに限らず戦略的に行う技術という点です。

また、ダンシングの語源は「踊っている」という意味なので、より省エネでハイスピードを出すためにまるでダンスのようにロードバイクを左右に振るのも特徴的です。

 

戦略的に脚力を発揮する走り

ダンシングはヒルクライムや平地のスプリントなど、とくにパワーが必要なシチュエーションやスピードを出したいシチュエーションで使用します。

ロードレースにおけるゴール前スプリントでは、ダンシングで競ることが多いですね。

ヒルクライムでは、斜度に負けないパワーを出すために使うほかにも、脚力を温存する目的や、上体を起こして酸素を取り込みやすくする目的でダンシングを使う場合もあります。

サイクリングでも、ダンシングを織り交ぜることで効率的にペダリングできるようになりますね。

 

 

ロードバイクの基本のダンシングの動作

ロードバイク ダンシング

 

では、まずはロードバイクの基本のダンシングのやり方を解説していきます。

それぞれの乗り方によって少しダンシングのスタイルは変わりますが、まずは基本を覚えてから自分のやりやすいダンシングを覚えてくださいね。

 

ペダルが重いときにダンシング

まずはダンシングを使うタイミングですが、簡単にいえば「ペダルが重く感じるタイミング」です。

坂道でペダルが重くなったタイミングはもちろん、平地でもスピードを出したいときにギアをあげたときに、ペダルが重くてケイデンスを維持できない場合などですね。

ペダルが軽いと体重を任せられないので、まずはペダルが重たいタイミングでダンシングを使ってみましょう。

 

ペダルに体重をかけながら腰を持ち上げる

ペダルが重いと感じたら、ペダルが1~3時の位置にあるタイミングで体重をかけ、腰を持ち上げます。

立ち漕ぎではハンドルに体重をかけて立ち上がる意識でサドルからお尻を離しますが、ダンシングではペダルに体重をかけた結果腰が持ち上がるイメージでスムーズに移行しましょう。

腰の高さは膝が伸び切らない位置をキープします。

 

重心は固定して自転車を振り子にしてバランスを取る

ダンシングするとき、体重をペダルに伝えることが効率的なペダリングにつながるので、体の重心がずれるとせっかくの荷重が逃げてしまいます。

荷重をしっかりペダルに伝えるため、体幹は常にタイヤの接地点の上に置き、頭も上下左右に動かさないように意識しましょう。

このように重心を固定するとバランスがとりにくくなるので、トルクをかけているペダルと逆方向に、ロードバイクを10~20度ほど傾けてバランスを取りましょう。

 

キレイなロードバイクでのダンシングのコツ

ロードバイク ダンシング

 

ママチャリで立ち漕ぎしたことがあれば、ロードバイクでも腰を上げてペダリングするのはむずかしくないでしょう。

ただし、体力を温存したり、スピードをより発揮するためには、正しいフォームは必須で、美しいフォームはより効率的なペダリングに伝わります。

少しのコツでフォームを改善できるので、以下のようなポイントに注意してみましょう。

 

ペダルに体重を乗せて自然に腰が浮く状態に

ママチャリの立ち漕ぎではハンドルに体重をかけて腰を上げて立ち上がりますが、ロードバイクのダンシングで前荷重になるのは非効率的です。

ダンシングでは体重をペダルに伝えることで筋肉を休ませたり、坂道を上りやすくするため、ハンドルに荷重をかけてしまうとせっかくの体重が逃げてしまい、制御もむずかしくなります。

腰を上げる時もペダルに体重をかけて加速するような感覚で、腰を上げたあともペダルに体重をかけてクランクを回す感覚を忘れないようにしましょう。

もしハンドルに体重をかけ、前荷重にならないとバランスが取れないようならペダルが軽すぎるので、ギアを上げるか、シッティングでペダリングしたほうが効率的です。

 

車体を振りすぎないよう注意

弱虫ペダルのダンシングは大きく車体を振りますが、現実ではむずかしい技術です。

自転車を大きく振るということはその分不要な筋力を使っていることになり、前に進む力も無駄になっているので、ダンシングのメリットが薄れてしまいます。

ペダルに荷重をかけたときに自転車が持っていかれないようバランスを取る感覚で、車体の振り幅はなるべく小さくした方が賢明です。

 

脚力で踏まずに体重を使おう

ダンシングのメリットは重力を使ってペダルを踏みこめることにあります。

ダンシング中に脚力を使ってペダルを踏みこもうとしても、適切なギアであれば反発力で腰が浮いてしまうだけなので、ある程度体重に任せてペダルを回します。

体重をしっかり伝えるためには、腕で体の浮き上がりを抑えるために、ハンドルを持ち上げて腰の高さを保持するような感覚も重要になってきます。

 

シッティングで行けるシーンはシッティングで

ダンシングには、使う筋肉を変えて、脚を休める意味合いもあります。

ただしダンシングで使う筋肉はシッティングに共通する部分も多いです。

つまりダンシングが楽だと思い込んで多用しすぎると、一部の筋肉を使いすぎて疲労がたまり、結果的に全体のフォームを崩してしまうこともあります。

戦略的にダンシングを使うためにも、シッティングでも走れるシーンはシッティングで走る意識も重要です。

 
 

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ダンシングはヒルクライムやスプリントで有効なだけでなく、脚を休めるなど戦略的に使える技術です。ロングライドでは正しいダンシングができるかどうかは、体力的に大きな違いを実感できるでしょう。正しいダンシングは基本的なフォームとちょっとしたコツで習得できるので、ぜひ意識的にダンシングを使ってみてくださいね。

ライター

Greenfield編集部

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