今回は千葉県の房総半島にある鋸山をご紹介します。人工によって垂直に切り取られた断崖は、ラピュタの壁と呼ばれていて、フォトジェニックな映えポイントとして人気があります。都心から日帰りができるので、気軽に登山に出かけてみませんか。

房州石の採石が形作った鋸山

鋸山 登山 千葉 房総半島

 

鋸山は房総半島の内房側、東京湾の入り口付近にそびえる標高329mの低い山です。

鋸山の正式名称は、乾坤山(けんこんざん)といわれ、乾坤とは天と地という意味で、江戸時代の絵師「谷文晁」によって日本名山図会の名山80選にも選ばれています。

垂直に切り立ったノコギリのような山の姿は、昔から東京湾に出入りする船乗りたちの目印とされてきました。

良質な建築資材である房州石(金谷石)の産地として、江戸時代からさかんに採石がおこなわれてきましたが、1985年に自然保護の観点から採石を終了しています。

見どころはなんといっても、迫力のある切り立った垂直の石切り場です。

鋸山から採石された房州石は、横須賀軍港や横浜の倉庫、東京湾の要塞、早稲田大学の講堂などにも用いられています。

山頂からは東京湾臨海部の都心を一望することができ、天気の良い日には富士山や遠くは伊豆大島まで見渡せる大パノラマが満喫できます。

麓の明鐘岬は、美しい夕日のスポットとして有名、磯遊びなども楽しめますよ。

 

 

鋸山登山ルートの紹介

鋸山 登山 千葉 房総半島

 

いくつかの登山ルートがありますが、当日のスケジュールや体力に合わせて鋸山登山を楽しみましょう。

 

車力道コース

JR浜金谷駅から、かつて房州石の切り出しに使用していた馬車道を登るコース。

ラピュタの壁や採掘跡をめぐる秘境の雰囲気が楽しめます。

まず駅に着いたら、観光案内所で無料のハイキングマップを配布しているので手に入れましょう。

JR内房線の高架をくぐると馬車道の案内があります。

さらに少し進むと、車力道コースとふれあいの道コース(観月台コース)の分岐があるので、車力道コースの方向へ進んでください。

鋸山から切り出した房州石を麓まで運んだのは主に女性で、その歴史は江戸時代までさかのぼり、台車に240㎏の石材を積んでブレーキをかけながら運んだといわれています。

そのため、石材が運搬しやすいように滑り止めのゴツゴツとした石畳が敷き詰められており、登山者にとっても歩きやすい登山ルートです。

登りはじめから30分ほどで視界が開け、石切り場に到着します。

分岐点から右のコースへ進み、30分ほどで巨大石仏やラピュタの壁が現れます。

 

ふれあいの道コース(観月台コース)

JR内房線の高架をくぐってしばらく進んだ分岐点から車力道コースとふれあいの道コースに分かれています。

分岐点から観月台までの所要時間は約15分、観月台から日本寺方面分岐まで約40分、日本寺方面分岐から日本寺まで約10分、登りはじめから巨大石仏やラピュタの壁まで約1時間15分の所要時間です。

 

鋸山ロープウェー

鋸山の山麓駅から山頂駅をつなぐ鋸山ロープウェー。

麓駅から山頂駅までの所要時間は片道4分ほど、通常は15分間隔で運転しているので、登山している時間がないという方におすすめです。

ゴンドラからは、東京湾や富士山、東京湾岸の都心が一望できて、まさに動く展望台。

山頂と「地球が丸く見える展望台」から巨大石仏のある方向へ、尾根沿いに進むことができませんのでご注意ください。

 

 

施設情報

運行時間

9:00 ~ 17:00(2月16日~11月15日)

9:00 ~ 16:00(11月16日~2月15日)

料金

大人片道:500円

子共片道:250円

鋸山ロープウェー

 

ラピュタだけではない鋸山の見どころ

鋸山 登山 千葉 房総半島

天空の要害「地獄のぞき」・ラピュタの壁

天空の要害「地獄のぞき」の真下にラピュタの切り立った壁がそびえています。

「地獄のぞき」の足元にラピュタの壁展望テラスが設けられているので、間近で迫力満点のそびえ立つ壁を楽しんでください。

天空の城ラピュタを守る錆びた園丁ロボットがさまよっていそうな光景が広がっています。

ラピュタの壁の上にせり出した天空の要害「地獄のぞき」は、石切り職人さんの遊び心によって生まれたといわれています。

「一久」という石切り職人さんの屋号が刻まれているそうです。

 

千五百羅漢道

1,553体もの石仏が並ぶ千五百羅漢道。

江戸時代の石工・大野甚五郎とその弟子たちが20数年の歳月を費やして彫り上げた石仏です。

自分にそっくりな羅漢様がかならずいるともいわれています。

ぜひ、訪れた際に探してみてください。

 

関東最古の勅願所、日本寺の石仏

日本寺は、聖武天皇の勅願によって、名僧・行基により神亀2年(725年)に開山されたとされる古いお寺です。

正式な名称は薬師瑠璃光如来といいます。

最盛期には7つのお堂と12院、100の僧坊を構え、良弁や空海、円仁といった名僧たちが修行したと伝えられています。

日本寺の巨大石仏の高さは約31m、磨崖仏としては日本最大の大きさです。

長年の海風による浸食で崩壊していましたが、1969に今の姿に復元しました。

また、大仏の前の「お願い地蔵尊」は、願いごとが叶うと噂されている人気のパワースポットです。

 

 

鋸山へのアクセス

鋸山 登山 千葉 房総半島

 

鉄道

JR内房線「浜金谷駅」から車力道コースを通って約30分。

 

富津館山道路の「富津・金谷IC」を降りて県道237号線から国道127号線に入りすぐ。

駐車場:鋸山ロープウェー駐車場

料金:無料

駐車台数:200台

 

千葉県房総半島にある鋸山についてご紹介しました。東京湾アクアラインを使って富津館山道路に入ってすぐの場所にあるので都心から日帰りで楽しめる登山スポットです。ラピュタの壁でフォトジェニックなインスタ映えしそうなベストショットを狙ってみましょう。

ライター

Greenfield編集部

自然と向き合い、環境に配慮しながらアウトドアスポーツを楽しむ人に向け、自分や周囲のウェルビーイングの向上につながる情報をお届けします。