登山に慣れてくると、3000m級の山に登ってみたくなるものです。「登りたいけど、ちょっと不安」という人におすすめなのが乗鞍岳です。今、乗鞍岳は登りやすい山として人気があります。今回は、乗鞍岳がなぜ登りやすいのかその理由をご紹介します。

バス利用で、標高2700mから登山スタートもできる

初心者におすすめの乗鞍岳登山

 

乗鞍岳は、長野県と岐阜県にかけて広がる山々の総称で、最高峰である剣ヶ峰をはじめ、23の峰と7つの湖があります。

日本百名山の1つであり、特に最高峰の剣ヶ峰は、標高3000m以上あるにもかかわらず、子ども連れの親子登山にも人気のスポットです。

ファミリー層からも人気がある理由の一つは、乗鞍岳のバスターミナルの存在。

実は乗鞍岳のバスターミナルは、標高2702mのところにあり、富士山の5合目(2305m)よりも高いことから、「バスで登れる山としては日本一」と言われています。

麓から3000m登るのは大変でも、2700mからスタートなら、山頂はすぐそこです。

そのため、あまり気構えずに登ることができるのです。

山頂は3026mですから、バスターミナルから直線距離で324m。

あまりにも短くて、登山を楽しむことができないかもと思う人もいるかもしれません。

しかし2700mスタートでも、いくつものコースがあり、大黒岳、富士見だけなどいくつもの峰があります。

自分の体力や登山技術に合わせて組み合わせることができるので、。体力が心配なお子さんや年配者でも登ることができるんですね。

 

北アルプスを望む絶景がすばらしい

 

乗鞍岳は、北アルプスの南端にあるので、まわりの美しい北アルプスの山々を見ることができます。

そもそも乗鞍岳という名前は、山々が連なった形が馬の鞍に似ていることから名付けられたと言われています。

山々の稜線が良く見える理由として、森林限界が挙げられます。

森林限界とは、環境条件によって森林が形成できない限界線のこと。

乗鞍岳は、この森林限界が2500m程と低く、2700m付近のバスターミナルはすでに森林限界よりも高地になります。

そのため低木が多く、稜線がよく見えるのです。

また剣ヶ峰や朝日岳など8つの峰には、カルデラと呼ばれる火山活動によってできたくぼみに水が溜まってできた湖もあります。

山々と湖の素晴らしいコントラストも見ごたえがありますよ。

ちなみに乗鞍岳は、立山と同じように雪の回廊と呼ばれる雪の壁が6月下旬まであります。

雪が多い地域で、真夏でも溶けない万年雪を見ることもできるんです。

 

 

豊富な登山コースがあるから飽きない

 

乗鞍岳には、登山の経験や体力などによって、いろいろなコースを選択することができます。

一番人気のコースは、バスで畳平まで上がり、そこから剣ヶ峰山頂を目指すコース。

畳平から車道を4、50分ほど歩いていくと、「肩の小屋」に着きます。

山頂までは、岩などがごろごろとした砂利道を歩きます。

トータル1時間半から2時間ほどで山頂に着きますが、そこからの見渡る絶景は、言葉にできないほど美しいものです。

また山頂には、乗鞍神社と乗鞍頂上小屋があるので、お参りを済ませてから、ポストカードやオリジナルTシャツなどのお土産を購入することもできます。

このほかにも、乗鞍岳のなかで特に景色が素晴らしいといわれる富士見岳や、鉱山植物の大群落がみられるお花畑周回コースなどもあります。

運がよければ、日本アルプスにしか生息していないという、特別天然記念物である雷鳥を見ることができるかもしれません。

長い登山コースが良いという人は、標高1300m平湯にある食事処「あんき屋」の後ろ側にある平湯温泉スキー場から、畳平、または剣ヶ峰まで登るコースがあります。

平湯から畳平が11.6㎞、畳平から剣ヶ峰山頂までが5.4㎞の全長17㎞のロングコースです。

また、乗鞍岳の裾野に広がっている乗鞍高原のコースでは、日本滝百選に選ばれた乗鞍三名滝を見ることもできます。

ほかにも、日本初、公認ガイドと一緒でないと周ることができない五色ヶ原シラビソのコースも魅力的。

五色ヶ原シラビソのコースは、自然環境保護のために入山者数に制限があり、1日100名までしか入ることができません。

野生の動物や草花、そして美しい滝やせせらぎを聴きながら湿原や原生林を回るコースは、8時間前後と長いのですが、トライする価値は十分にあります。

 

乗鞍岳は絶景が見られるだけではなく、高山植物が多いことでも有名です。珍しい高山植物や、雷鳥にも会える登山コースはなかなかありません。近くに行くことがあれば、乗鞍岳まで足を伸ばしてみてはどうでしょうか?

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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