すでにアウトドアを楽しんでいる人にこそおすすめしたいのが、「バードウォッチング」。野鳥たちに心を向けることは、自身の世界を広げることにつながります。この記事では、キャンプや登山、釣りといったアクティビティ別に出会いやすい野鳥を紹介。少し意識を変えるだけで、すぐにバードウォッチャーとしての活動がスタートできますよ。
今の趣味にさらなる楽しみをプラス~“ついで”バードウォッチングのススメ~
アウトドア趣味を続けていると、「そろそろ新しい刺激が欲しい」「同じコースや景色に飽きてきた」などと感じることもあるかもしれません。そんなときにおすすめしたいのが、「バードウォッチング」という新たな自然の楽しみ方です。
すでに自然の中に足を運ぶ習慣があるなら、そこに双眼鏡と観察する目を加えるだけ。季節や時間、天候によって見られる鳥が変わり、同じ場所でも毎回違った楽しみがあります。ちょっと立ち止まって周囲を見渡すだけで、さえずりや羽ばたきが心に残る体験へと変わる。日常のアウトドアがもっと奥深く、充実したものになるはずです。
バードウォッチングの楽しさとは?

バードウォッチングの魅力とはいったい何でしょうか。もちろん人それぞれで考え方は異なりますが、一般的によく言われているのは次のような楽しみ方です。
かわいい、きれいな野鳥を眺めて楽しみたい
野鳥は種類によって様々な羽の色をしています。繁殖期など季節によってより一層美しさを増す種類もいます。そんな美しくカラフルな羽を持った鳥たちを見て愛でるというのも楽しみの一つです。
生態をじっくり観察したい
野鳥をじっと観察していると、様々な行動をとる様子が見られます。エサをとる・求愛する・敵と戦うなど、自然の中で懸命に生きる鳥たちの行動は、とても興味深く見入ってしまいます。
ライフリストを充実させたい
今まで見たことのある鳥たちのリストを“ライフリスト”と呼びます。バードウォッチングにどっぷりはまった人の中には、見たことのない鳥を追い求めていろいろな場所に足を運ぶ人も少なくありません。
あなたはどんな楽しみ方をしてみたいと感じましたか?鳥を見ればそれはもうバードウォッチング。始めるのが簡単で、いろいろな趣味に組み合わせやすいのも魅力の一つです。ぜひ自分に合ったスタイルを見つけてみてください。
アクティビティ別、出会いやすい野鳥リスト
場所や季節によって出会える野鳥は様々です。出先でたまたま鳥を見かけるのも良いですが、事前にどんな鳥に出会えそうか知っていると、目がその鳥を風景の中から探そうと意識するようになり、その鳥を見つけやすくなることがあります。
自分がよく行うアウトドアアクティビティではどんな野鳥に出会えるか、はたまたどんな鳥を見つけてみたいか。以下にいくつか例を挙げますので、チェックしてみてください。
キャンプで出会える野鳥 人を恐れない色鮮やかな小鳥が狙い目

平地のキャンプ場では、景色が季節ごとに彩りを変えていくように、時季によっていろいろな野鳥を目にすることができます。これから秋が近づくにつれ、北国から渡り鳥たちがやってきて冬を越す準備を始めます。
秋ごろからよく見られるようになる鳥としては、橙色をしたジョウビタキや瑠璃色のルリビタキなど色鮮やかな小鳥がいます。これらの鳥は人前に出ることをあまり警戒せず見晴らしの良い場所に止まっていることも多く、初心者でも見つけやすいです。キャンプ場などに立てられた杭の上や木の枝先などを探してみましょう。
登山で出会える野鳥 登山道を彩る様々な鳥たち

標高の高い山地では、平地では見られない野鳥に出会うことがあります。特に日本アルプスでは、一時は絶滅の危機に瀕した幻の鳥、ライチョウを目にすることができるかもしれません。幻の鳥と言っても、岩の上に立って周囲を見渡していることが多く、比較的簡単に見つけることができます。
そのほか全国の山には、イワヒバリやホシガラスといった高地を好む鳥たちが生息しています。登山道を歩きながら、周囲の林の中や岩肌をよく探してみてください。
海釣りで出会える野鳥 魚を待ちつつ鳥を観察

バードウォッチングといえば山のイメージを持たれる人が多いかもしれませんが、海では非常に多種多様な鳥たちに出会うことができます。海には海上、浅瀬、岩場など様々な環境が存在し、それぞれの環境で生きるのに適した進化を遂げているのです。
海上ではカモメの仲間や猛禽類(タカやワシの仲間)、浅瀬では貝を食べるために長いくちばしを持ったシギやチドリ類、岩場ではイソヒヨドリなどの小鳥や魚を狙うサギの仲間を見られます。秋から冬にかけては、北国から渡ってきた色とりどりのカモが水の上を浮かんでいる様子を観察することもできますよ。
バードウォッチングを始めるには?さらに楽しむには?
バードウォッチングを始めるのに、特別で大がかりな準備は必要ありません。野外で鳥を見つけて観察すれば誰でも立派なバードウォッチャーです。しかしせっかく鳥を見つけても、距離が遠くてよく観察できないこともあります。小型のものでも良いので双眼鏡を持っていれば、遠くの鳥をよく見られるのでおすすめです。
初心者向けの図鑑も1冊あると、見つけた鳥の種類を調べられてさらに学びが深まります。野鳥の知識が増え識別ができるようになれば、バードウォッチングをさらに楽しむことができますよ。
ライター
麦原拓馬
東京都在住の週末バードウォッチャー。
高尾山の登山中にキツツキを見つけたことがきっかけでバードウォッチングに興味を持ちドハマり中。
多摩エリアをメインにアウトドア活動を行っている。
愛犬のミニチュアシュナウザーと毎朝散歩をするのが日課。