キャンプは、子どもの心身の成長にたくさんのよい影響があるといわれています。筆者も子連れでキャンプをしますが、大変なこともいろいろ……。しかし、親子ともに成長する絶好のチャンスとも考えています。この記事では、筆者の体験をとおして、キャンプが子どもの成長に役立ったと思われる点や、我が家の工夫を紹介しますね。
キャンプが子どもに与える5つの効果とは?
まずは、キャンプが子どもにどのようなよい影響をもたらすのか、考えられる5つの効果を紹介します。
ちなみに、筆者は2人の男の子がいるシングルマザーです。キャンプデビューは長男3歳、次男1歳のときでした。最初は安全面を配慮して友人たちとグループキャンプをしましたが、子どもたちがキャンプに慣れてからはファミリーキャンプを楽しんでいます。
①好奇心が育つ
自然は子どもたちにとって天然の遊び場であり、好奇心を駆り立てる絶好の教材です。落ちている小石1つ、風に揺れる木の葉1枚が彼らにとっては遊び道具になります。
遊び方が決まっているおもちゃを買ってくるのとは違い、自然を相手にどうやって遊ぶかは子どもの想像力次第。また、自然のなかでは予想外のことが起きるため、好奇心を育むのにぴったりの環境です。
「この石の下にはなにかいるのかな?」「あの虫はどうやったら捕まえられるの?」「あの星の名前は?」など、知りたい、やってみたいと一度でも思わせることができたらOK!子どもたちは自然の魅力にハマってしまうでしょう。
②自立心が育つ
キャンプで感じる不自由さは子どもたちの自立心を育てるといわれています。
たとえば、家にいれば電気は使い放題。暑くても寒くてもスイッチひとつで快適に過ごせますし、お腹がすけばご飯がすぐに食べられます。しかし、アウトドアではそうはいきません。
暑ければ自分で日陰に入るようにしたり、帽子をかぶったり。寒ければ上着を着るか、もしくは走り回って体をあたためるか。お腹がすいても、電子レンジでチンとはいきません。眠くなってもやわらかい布団があるわけではなく、まずははテントを張らねば。
大人ですら困るような状況で、子どもたちはどうすればよいか自分で考えるようになります。お手伝いをお願いすると、役に立ちたいと喜んで手伝ってくれるでしょう。
こうして子どもは何度か経験を積んでいくことで、自分から進んで行動するようになります。不自由さは自立心を育てる第一歩となるのです。
③家族との絆が深まる
キャンプは家族が長い時間を一緒に過ごすため、絆が深まるとされています。
いつもは忙しくて遊ぶ時間が作れないお父さんやお母さんが、子どもたちと感動体験を共有し、コミュニケーションをとりながらお互いの理解を深めるチャンス。テント設営や食事の準備など、大変な作業をみんなで行うと、新しい挑戦を家族で乗り越えたという達成感を感じられるでしょう。
また、親が楽しんでいる姿を見ると、子どもも一緒になって楽しくなるもの。キャンプを通じて楽しいこと、失敗したことを一緒に体験し、家族の絆を深めていきましょう!
④食への関心が高まる
キャンプでは、子どもは調理の過程から近くで観察できます。食事が身近に感じられるため、子どもの食育につながるといわれていますよ。
いつもは完成して出てくるおいしいご飯がどうやって作られているのか、なにが入っているのかなど、子どもの学びにつながります。食に興味をもつことで、苦手なものが食べられるようになったという話は少なくありません。
たとえいつもと同じ食事だとしても、キャンプという非日常のなかでの料理は特別な経験になるでしょう。
⑤遊びを計画できる
キャンプに慣れてくると、なにでどうやって遊ぶか、子ども自身で計画するようになります。
「川があるから水遊びがしたい」「遊具で遊びたい」「探検がしたい」など、自分で考えて行動に移そうとするのです。遊ぶためにはなにを準備したらよいか、親が声をかけてあげると、自ら準備するようになるでしょう。
子どもは遊びに集中してしまうと、なかなか帰りたがらないこともあるかもしれません。そうならないためには「〇時には帰らないといけないから、〇時までには遊びを終えるようにしてね。」と事前に声をかけておくことをおすすめします。そうすると、意外とすんなり帰る支度をしてくれますよ。
最初からうまくいくわけではありませんが、徐々に子ども自身で遊びや時間の計画ができるようになるでしょう。
子どもがキャンプを楽しむための工夫
ここからは、筆者がキャンプで子どもたちが楽しむために工夫したことをいくつかご紹介します。
調理に参加できるよう工夫する
我が家では基本的に子どもたちにも調理に参加してもらっています。食材を切ったり、ピザの生地を伸ばしたりなど、できることはお願いしています。
おしゃれなキャンプ飯や手の込んだ料理を作るのは難しいため、子どもが参加できるメニューを事前に考えるのが必須です。そして、子どもが参加できるならカップ麺でもOK!「焚き火でお湯を沸かし、自分でカップの中に注ぐ」なんて、家ではなかなかできません。
最近、うちの子どもたちは食べたいメニューを自分でいうようになり、キャンプの前にはスーパーで「あれを買ってこれを買って」と指示されています。
子どもが使えるギアを用意する
キャンプ場では子どもたちが使っても危険のないギアを持っていくとよいでしょう。
我が家の場合は、簡単に設営できるポップアップテントを子ども専用にしています。収納バックから出して広げればよいだけなので、設営も撤収もすべて子どもたちにお任せしています。
もちろんキャンプ場でいきなり渡したわけではありません。まずは自宅の横の駐車場でキャンプごっこをして、設営撤収の練習。2回ほどで、長男は3歳と思えぬ立派なテントサイトを作りました(重いものは筆者が運びました)。
キャンプ場で長男は「僕のテントは?」と、自分でテントを広げています。筆者のマネをしてペグとハンマーでポップアップテントを固定し、おもちゃや荷物を広げて、自分たちのための快適な空間を作っていました。”自分専用”のギアがあることで、張り切って準備をするようになったようです。
早起きするのを予想しておく
キャンプでは子どもが早起きすると予想して準備しておきましょう。いつもなかなか起きてくれない我が子たちですが、キャンプでの朝はめちゃくちゃ早起きです。いつも朝日が出るよりも早く起きて騒いでしまうので、ほかのキャンパーたちの迷惑にならないかヒヤヒヤします。
しかし、これは我が家だけに限ったことではありません。筆者の経験上、キャンプに来た子どもたちはいつもより早起きになってしまう子が多いようです。そのため、静かに遊べるようなグッズを持って行くなど、早起き対策は必須。
「子どもを静かにしておける自信がない」という方には、早朝のキャンプ場の散歩がおすすめです。まだ少し暗いなかで朝の空気を感じて散歩をするのは、忙しい日常ではなかなか体験できるものではありません。タイミングがよければ一緒に日の出をみて、感動の体験を共有できるかもしれませんよ。
ライター
akari
母子キャンプ歴7年。アウトドアを楽しむシングルマザーです。大人一人でも子供とキャンプを楽しめるコツやおいしいキャンプ飯のレシピをご紹介します。薪ストーブinのおこもり冬キャンが大好き。