山小屋の予約
予約が必要な山小屋と、不要な山小屋があります。大規模な山小屋では、「5名以下なら予約不要です。」と言われることも。ホームページにはっきり明記されている場合もありますが、どちらかわからない場合は、必ず電話をしてみましょう。
電話をすると、予約の他に「その日はとても混雑していますよ。」「このルートはまだ雪が残っていますよ。」など、大切な情報を教えてくれることもあります。
山小屋の宿泊料金設定は基本的に以下の通りです。
- 素泊まり
- 一泊一食(朝か夜を選択)
- 一泊二食(朝と夜)
他に、どこから登るか登山口を聞かれることもあります。一緒に登山するメンバーと、食事の有無、登山コースなどを決めてから連絡しましょう。
知らないと驚く山小屋の常識
山小屋は、普通のホテルや旅館とはちょっと違います。初めて宿泊するときに驚かないよう、山小屋ならではの常識をお伝えします。
一人一組布団があるとは限らない
予約をしている人も、していない人も、受け入れるのが山小屋です。定員いっぱいであっても、それで断ってしまったら、山の上では遭難に繋がるかもしれないからです。
そのため、一人ひとり、ゆったりとしたスペースが確保できるとは限りません。夏の混雑時には、布団一組分のスペースに、二人割り当てられることもあります。なかなか出来ない体験ですよ。
山時間が存在する
山の時間は早いです。消灯が20時半という山小屋もあります。大体21時くらいを消灯にしている山小屋が多いです。電気が通っていない山小屋では、自家発電かランプを使用しているので、無駄はできないからです。
また、登山者は朝早くから活動するためでもあります。就寝は早いですが、朝食も4時台など、日の出前から食べられることが多いです。「そんなに早く眠れない。」という不安もあるかもしれませんが、疲れていれば、消灯する前から寝てしまうものです。
トイレが有料
登山をしている人ならご存知かもしれませんが、山ではトイレの使用料金を払うのが一般的です。一回につき、100円程度支払うことが多いです。
トイレの前に、お金を入れるボックスが用意されているので、いつもポケットに小銭を用意しておくと安心ですね。ただし、宿泊する場合は、宿泊料金にトイレ使用料が含まれている場合が多く、その場合は自由に使用できます。
山小屋泊で知っておきたいマナーとルール
山小屋には、細かいマニュアルがありません。しかし、知らないと迷惑となってしまうかもしれないマナーがあるのも事実です。ここでは、知っていれば誰でも気をつけられることをご紹介します。
ビニール袋は控えめに
山小屋は、大部屋でたくさんの人が泊まります。疲れていれば、消灯前に寝る人もいますし、朝他の人より早く行動する人もいます。
ザックの中の服や小物を、コンビニやスーパーのビニールに入れていると、寝静まった部屋では、思った以上にガサガサ音を立ててしまいます。音を立てない袋に入れておくと、気を使わずにすみますよ。
水は貴重品
川沿いの山小屋でない限り、水は貴重品です。自由に水道が使える山小屋であっても、普段の要領で水を使うことは控えましょう。中には、雨水を貯めて宿泊者に少しずつ提供している山小屋や、遠くから水を引いてきている場合もあります。
顔や手足を満足に洗えるような山小屋は、なかなかないと思っていたほうが良いでしょう。
ゴミは持ち帰る
山では基本ですが、ゴミ箱が置いてあれば自然に捨ててしまうもの。山小屋にあるゴミ箱は、基本山小屋で購入したものだけ捨てられます。
山小屋のゴミも、誰かが背負って運ぶか、ヘリコプターで運ぶことになります。日帰り登山同様、ゴミはすべて持ち帰りましょう。
早めの到着が基本
山小屋は「遅くとも16時くらいには到着してください。」としているところが多いです。裏を返せば、「その時間には着くような登山計画を立ててください。」ということでもあります。
樹林帯では、日が落ち始めるとあっというまに暗くなります。何かあったときに、暗くなってからの捜索は困難です。夕食も17時代には始まる山小屋が多いので、スタッフの手が足りなくなるということもあるでしょう。
いずれにせよ、自分自身の急な体調の変化や急な悪天候を考え、早めに到着する計画を立てましょう。