スピードスケートはどんな競技?
スピードスケートの発祥はオランダ
オランダでは、冬になると川や運河が凍り、そこを行き来するための手段として木靴の底にブレード(刃)を取り付けたスケートが開発され、つかわれていました。これが、スケートやスピードスケートの発祥といわれています。
スピードスケートはタイムを競う
スピードスケートは、500m、1500m、10000mなど個人種目と、3人1チームとして、2チームで争う団体追い抜き戦である「チームパシュート」があり、1周400mのスケートリンクを周回して、どれだけ早い時間でゴールできるかを競います。
スピードスケートには、16人が一斉にスタートする「マススタート」という種目もありますが、こちらは全16周して、ゴールの着順で与えられるポイントで競います。
競技方式はダブルトラックとシングルトラックの2種類
スピードスケートには、ダブルトラックとシングルトラックの2種類があります。
ダブルトラックは、オリンピックなど公式競技会で使われている競技方式で、レーンを内側のインと外側のアウトの2つに区切り、2人の選手が1周ごとに、インとアウトを交代で走る方法。
いっぽうでシングルトラックは、日本独自の競技方式。ダブルトラックのように、コース上に仕切りがなく、複数の選手が一斉に滑走して競います。
ルールは種目によって異なる
スピードスケートは、個人種目と団体で行うチームパシュート、マススタートなど複数の種目があり、ルールもそれぞれ異なっています。
全種目共通ルールは、フライングについて。1回目のフライングはやり直しになり、2回目で失格になります。次に、種目別にルールを少しご紹介します。
個人種目
- ダブルトラックでは、内側レーン(イン)からスタートする選手は白の腕章、外側レーン(アウト)の選手は赤の腕章を着用する。
- 交差エリアでは外側レーンから出てくる選手に優先権がある。
- 内側レーンの選手は、進路を妨げてはいけない。
チームパシュート
- 3人1チームになり、3人全員がゴールした時点で完走。
マススタート
- 4,8,12周目で中間ポイントとして、1位が5点、2位が3点、3位が1点が与えられる。
- 同じようにゴールでも、順位によってポイントが与えられ、その合計で順位が決まる。
安全のためにスーツや防具の着用ルールもある
スピードスケートはスピードもでますし、腕やスケートが接触して転倒するなどのトラブルを避けるために、スーツや防具にもルールがあります。
500mなど個人種目につかわれるスーツは空気抵抗を減らすだけでなく、切れにくい耐切創(カットレジスタンス)生地を体の重要部分に配置しています。
伸縮性の高い生地を採用し、動きやすく、それでいて体幹を安定させてくれるデザインです。
転倒が多いマススタートは、ヘルメット、手袋、ひざあてなどの防具の着用が義務となっています。
またチームパシュートも最近のルール変更で、マススタートと同じように、安全のためにヘルメットなどの防具の着用が義務になりました。
スピードスケートの見どころは?
スピードスケートの見どころを、ご紹介します。
予選などはなく本番一発勝負
スピードスケートは予選などはいっさいなく、本番1回の一発勝負です。選手はもちろんですが、見ている人たちも、これで勝負が決まると思うと、1回1回の競技がドラマチックなものに思えますね。
コンマ0.01秒を競う競技
スピードスケートはコンマ0.01秒を争うスポーツで、たった0.01秒の差で順位も変わってきます。
片方の足を先に出しながらゴールするようなシーンをみることがありますが、あれはスケートの先端がゴールラインに達した時点で計測されるためです。
2022年北京オリンピックでの日本人注目選手は?
2022年の北京オリンピックのスピードスケートは、下記の男子7種目、女子7種目の14種目が正式競技となっています。
男子 | 女子 |
500m | 500m |
1000m | 1000m |
1500m | 1500m |
5000m | 3000m |
10000m | 10000m |
マススタート | マススタート |
団体追い抜き(チームパシュート) | 団体追い抜き(チームパシュート) |
男性注目選手
一戸誠太郎(いちのへせいたろう)選手
競合ぞろいの北海道出身の選手。子ども向けにスピードスケートの指導をしていた父親の影響で、3歳からスケートをはじめる。
500m、10000m、団体追い抜きまで、オールマイティな実力をもち、今いちばん注目されている選手です。
小島良太(こじまりょうた)選手
北京オリンピック最終選考会で、1000mで国内最高記録を出した選手。
中学、高校時代は無名ともいえますが、最近は好成績が続いているので、その調子でオリンピックでも入賞して、その存在感をアピールしてほしい期待の選手です。
女性注目選手
高木美帆(たかぎみほ)選手
5歳からスケートをはじめ、2010年のバンクーバーオリンピックに、最年少で出場して知られるようになった選手。
近年は、筋力トレーニングに重点をおき、平昌オリンピックでは1500mで銀メダルを獲得し、中距離のエースともよばれるように。北京オリンピックでは、金獲得に大きく期待されています。
小平奈緒(こだいらなお)選手
中学時代からいろいろな大会で優勝し、バンクーバーオリンピックの団体パシュートでは、ほか2人の選手とともに、日本女子スピードスケート界史上初となる銀メダルを獲得した、日本のエースともいえる選手。
オランダのプロスピードスケートチームに在籍して、世界を見据えた修行を行うなど、次のオリンピックでも期待されている、金メダルにいちばん近い選手です。