標高は1500mまでに留める
一般的に子供が登山に挑戦できる年齢は、4、5歳からと言われています。
親子登山と言っても、お子さんの年齢や体力、そして経験によって、適した山というのは変わってきますが、ここでは小学校低学年までの子供に絞って話をしましょう。
「せっかく登山をするなら、ちょっと高い山を登ろうかな?」と思う人もいるかもしれませんが、子供と一緒の場合は、標高は1300〜1500mまでの山にしましょう。
その理由は、子供は大人よりも高山病にかかりやすいためです。
高山病になる危険性があるのは1800〜2500m以上の山と言われていますが、1200〜1800mほどの高度でも発症することもあります。
そして高山病の症状は頭痛、だるさ、吐き気、呼吸の乱れ、食欲低下などで、子供の場合は、こういった症状をうまく説明することができずに重症化してしまうことも多いと言われています。
高山病は経験がないと、大人でも大丈夫と思って無理をしてしまいがちです。
子供の場合、うまく言えなくてぐずってしまったりして、大人はぐずっている理由が高山病にあるということがわからないこともあります。
高山病にならないようにするには、ゆっくりと高さに慣れていくことが理想ですが、車やロープウェなどを使って、ある程度高い山に行く場合も、同じように注意が必要です。
まただるい、食欲不振、めまい、頭痛などの他に、ぐずる、不機嫌になった時も、高山病の可能性がありますので、休ませたり、様子を見たりして慎重に対応する必要があります。
橋やトンネルなど子供が楽しめるスポットがあるコースがある
子供と一緒の親子登山では、コースに子供が遊べるような公園、橋、小川、トンネルなどがあったり、子供が飽きないようなコースを選ぶようにしましょう。
登山の醍醐味といえば、最後まで登りきった達成感ですが、子供の場合、達成感を感じる前に飽きてしまったり、歩き疲れてしまうことも少なくありません。
そういった時、小川やトンネルなど子供の興味を引くものがあれば、興味を引かれてもう少し頑張ろうという気持ちになることもあります。
山では子供が興味を引かれるような花や植物、虫や動物がたくさん見られます。
たとえば小川があれば、そこで一休みして、水に足をつけてみてもいいですし、それだけで子供の疲れも忘れてしまいます。
また登山の時間自体も、1時間ぐらいで登れるような山を選ぶことも大切です。
大人の足では30〜40分でも、子供が登るとその倍ぐらいの時間がかかります。
あまり長すぎると、座り込んでしまったりして、結局は大人が抱っこしたり、おんぶして登らなくてはいけなくなる可能性もありますので、最初は短めのコースを選びましょう。
疲れた時や飽きた時のための選択肢がある所にする
普段あまり歩き慣れていない子供の場合、少し歩いたら疲れて、もう歩きたくないとゴネることもあります。
そういった場合を考えて、飽きた時に目先を変えることができる山がおすすめです。
山によっては、子供が行けるコースが複数あるところもあります。
例えば森林の中を歩くコースや、迂回コースなどで見晴らしが良いスポットがいくつかあるようなコース、吊り橋があるコースと言った感じです。
子供の体力や、好みなどを考えて、飽きないコースを選びましょう。
例えば高尾山は、子供が飽きてしまった時は、途中に寺院やさる園などがあるので、ちょっと寄ってみて、少し目先を変えるということもできます。
せっかく登山にきたのだから、山を登らせたいという人もいると思いますが、あまり最初から無理をさせてしまうと登山自体を嫌いになってしまうかもしれません。
そうならないように、飽きてしまったら他のことをしたり、おやつを食べたりして、少し様子を見ることも大切です。
少し他のことをやって、また登る気になったら、登山を続ければ良いですし、もう歩きたくないと言う場合は、あまり粘らず下山したり、もしロープウェイやリフトがあるなら、そういった手段を使って、最後の風景を堪能するのもいいでしょう。