環境に優しいアウトドア「エコキャンプ」
キャンプなどのアウトドアをはじめ、自然の中で過ごしていると、とても気持ちがいいですよね。日常生活で忘れがちな、人間も自然の一部という感覚を思い出させてくれます。
一方で、人間が自然に踏み込むということは、必ず何かしらの影響を与えてしまいます。
たとえば登山道を歩くときに、水たまりを避けた場合、周辺の道幅が広がり植物は踏みつけられてしまいます。その結果、元通りになるために多くの年月がかかることになります。
自然を「大切にしたい」「守りたい」と思ったとき、私たちにできることは、自然に与える影響を少しでも減らすことです。
キャンプ場でも、可能なかぎり環境に配慮し、自然にダメージを与えない「エコキャンプ」を始めてみませんか。
環境を守る汚れ落としの方法
キャンプなどアウトドアでは、食事を楽しみにしている方も多いのではないでしょうか。エコキャンプを始めてみようと思ったら、食後の片付けをするときにも、環境に優しい工夫をしてみましょう。
合成洗剤は、汚れ落とし能力は高いものの環境や私たち人間にとっても、必ずしも安全とは言い切れません。
環境や私たちの体にダメージを与えないためには、洗剤を使わずに汚れを落とすか、環境に優しい洗剤を選ぶ方法があります。
汚れはできるだけ拭き取る
食器や調理器具を洗うときには、まずは汚れを可能なかぎり紙ナプキンなどで拭き取りましょう。そうすることで、使用する洗剤の量を減らすことができます。
拭き取ったあとの紙類は、BBQの残り火やたき火などで焼却できますよ。ペーパー類を使用せず、ヘラやスポンジなどで、直接汚れをゴミ袋に捨てる方法も試してみてください。
自然に還る洗剤を使う
バクテリアや菌類によって化合物が無機物に分解されることを「生分解」といい、生分解性が高ければ、それだけ環境へのダメージは少なくなります。
洗剤などに含まれる界面活性剤は汚れを落とす効果が高いですが、そのぶん生分解され自然に還るまでに時間がかかります。
そこで、エコキャンプでは植物やミネラル由来の洗剤の使用をおすすめします。
近年は植物由来の洗剤以外、使用できないキャンプ場もあるので、キャンプ用品リストに加えておきたいマストアイテムです。
フロッシュは、環境先進国ドイツの洗剤です。
菜の花や亜麻、オリーブの界面活性剤を採用し、食器用洗剤ボトルはすべて再利用したペットボトルが使われている製品です。
フィールドにダメージを与えない
調理中にお湯を捨てるときなど、直接地面に水分を流していませんか。あるいは、ファイアーピットを使わずに、直火でたき火をしたことはないでしょうか。
直火禁止のキャンプ場が多いのは、フィールドへのダメージが大きいからです。
整備されたキャンプ場でも、土の中の微生物や芝生や野草は生えているので、環境に優しい対応をしましょう。冬期キャンプのストーブなども台座の上で使用してくださいね。
キャンプでゴミを減らす方法
アウトドアを楽しんだ後、たくさんのゴミが出てしまい驚いたことはありませんか。ゴミの多くは飲食物関係なので、出かける前に一工夫するだけで大幅に減量が可能になります。
キャンプやアウトドア後のゴミ処理も簡単になるのでおすすめです。
食材は小分けにして持って行く
食材は自宅でカットしておき、タッパーやフリーザーバッグに小分けにしてクーラーバッグに入れて持っていくと、現地でのゴミを大幅に減らせます。
冷凍できる食材は、凍らせておけば保冷剤も不要に。また、現地で食材を購入する場合は、生ゴミが多く出るトウモロコシやスペアリブ、骨の残る魚などは避けるといいでしょう。
食材を小分けにして持っていくことで環境にも優しく、キャンプ場でもごみ処理の手間を省くことができるのでおすすめです。
燃やしてゴミを減らす
エコキャンプを意識したら、食器類や調理器具は再利用可能な製品がベストですが、竹串や紙食器などの可燃物は、BBQの残り火で燃やすことでゴミを減らすことができます。
また、調理時に出る野菜の皮などの生ゴミも、乾かすと可燃物になるので工夫してみましょう。
ゴミは持ち帰る
キャンプ場のゴミ処理能力には限界があります。とくに夏休みのピーク時には、キャンプ場のゴミ捨て場からゴミがあふれていることも珍しくありません。
野生動物がゴミをあさることも多いので、キャンパーがゴミを持ち帰ると、キャンプ場の負担を減らせます。
臭いのきつい生ゴミはビニール袋に入れ、空になったクーラーバッグで密閉すれば持ち帰りも安心です。
炭は使い切るか再利用する
可燃性のゴミをたき火やBBQの残り火で焼却した際には、炭や薪も燃え残りのないように燃やし尽くしましょう。
燃え尽きて冷えたことを確認したら、キャンプ場の灰捨て場など、必ず指定の場所に捨ててください。
炭は火持ちがよく、着火から2時間以上も燃焼する備長炭などもあるため、消火して燃え残りを「消し炭」として再利用する方法もあります。
確実に消火し、再利用しやすくするには、火消し壺で消火します。酸素を遮断して燃焼停止する方法なので、壺が冷えたらそのまま持ち帰り保管します。
消し炭は着火しやすいので、次回のキャンプやバーベキューで重宝しますよ。
また、消し炭の灰を取り除けば、タンスや靴箱の消臭剤として再利用可能ですので、ぜひお試しください。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。