八海山ってどんな山?
八海山は、八ツ峰(北から地蔵岳、不動岳、七曜岳、白河岳、釈迦岳、摩利支岳、剣ヶ峰、大日岳)と最高峰の入道岳(1,778m)まで連なる山脈の総称です。
越後駒ヶ岳や中ノ岳とともに越後三山の1つに数えられ、古くから山岳信仰の対象とされてきました。
深い山懐にたっぷりの積雪をたたえ、その雪解け水は麓の魚沼地域に美味しい湧き水として恩恵をもたらしてきました。
日本酒「八海山」は仕込みにこの湧き水を使っています。
八海山の登山ルートは3つ
八海山ロープウェーから千本檜小屋(登山初級者向け)
六日町八海山スキー場の八海山ロープウェーを使って、標高1,100m地点のロープウェー山頂駅まで登り、尾根沿いに南へ進むルートです。
登山ポストはロープウェーの山麓駅と山頂駅にあります。
山頂駅から急な上り坂を越えた尾根沿いに女人堂があり、ここにはバイオトイレが設置されています。
かつて八海山は女人禁制の山で、女性が登れたのはここまで、そのため女人堂が設けられたとのことです。
女人堂から鎖場を登ったところが薬師岳、少し進んだところに千本檜小屋があります。
このルートは千本檜小屋が終点です。
千本檜小屋には避難小屋が併設されていて、カップ麺や飲み物が販売されています。
休憩したら、また来たルートを戻ります。
八海山ロープウェー山頂駅から千本檜小屋、八海山ロープウェー山頂駅まで、往復のコースタイムは5時間ほどです。
八海山ロープウェーから八ツ峰を経て入道岳(登山上級者向け)
千本檜小屋までは先ほどと同じルートです。
千本檜小屋からさらに南へ尾根沿いに進み、八ツ峰(地蔵岳、不動岳、七曜岳、白河岳、釈迦岳、摩利支岳、剣ヶ峰、大日岳)を経て最高峰の入道岳を目指します。
このルートは八ツ峰を制覇しなくてはいけないため登山上級者向けです。
高所恐怖症の人や岩山登山の装備がない人は千本檜小屋までにしてください。
不動岳から七曜岳の間は、鎖場を登っては降りての繰り返し、ノコギリのような岩場を越えていきます。
八海山ロープウェー山頂駅から入道岳までのコースタイムは約4時間、往復で8時間をみておくようにしてください。
屏風道を登り千本檜小屋や入道岳へ登り、新開道を降りてくるルート(登山上級者向け)
屏風道と新開道のルートは、コンパスをたよりに正しいコースがたどれるルートファインディング技術(霧にまかれても冷静に対応できる)を持っている登山者に限られます。
新潟県が毎年発表している「山のグレーディング」では、岩稜やガレ場、鎖場、ハシゴ、渡渉があり、1泊以上が適当で、なおかつルートファインディング技術が必要な4Dルートに指定されています。
屏風道には、鎖場が35カ所あります。
自分の登山技術で登れるのか確認してから臨むようにしましょう。
1泊2日での登山の場合
【1日目】
芝原2合目登山口から8合目まではほぼ垂直の鎖場続きです。
岩に記された赤い矢印と、木の枝に結び付けたピンクテープが頼り、迷わないように注意しながら登ります。
芝原2合目登山口から千本檜小屋までのコースタイムは約5時間です。
このルートは千本檜小屋で1泊して、翌日は八ツ峰を越えて入道岳に登り、新開道を通って下山します。
【2日目】
2日目は、千本檜小屋から八ツ峰を制覇して入道岳を目指します。
千本檜小屋から八ツ峰までのルートは先ほどの項で紹介しました。
八ツ峰の先、入道岳の手前に新開道分岐の看板があるので、「大日岳・五竜岳」の矢印へ向かい入道岳を目指します。
入道岳から再び新開道分岐に戻り、下山する新開道は「新道~山口」と表示されているので矢印にしたがって注意しながら慎重に下山してください。
千本檜小屋から芝原二合目登山口までのコースタイムは約6時間です。
八海山に登る装備について
八海山の登山シーズンは6月頃から10月下旬ごろまで、6月頃までは雪が残っていることがあるので、ピッケルとアイゼンを装備するようにしましょう。
ルートはゴツゴツとした岩場や鎖場が続くので、すべりにくいグリップ力の高い登山靴を選び、鎖を使って昇り降りするシーンが多いので、滑り止めのついた手にしっかり密着する手袋を装着してください。
岩で擦り傷をしないよう、長袖シャツを着用するなどして肌の露出を少なくしましょう。
できれば登山用のヘルメットを着用しておくと安心です。