立山室堂周辺のトレッキングコース
立山の主峰雄山登山
ホテルがある室堂平と立山主峰の雄山との高低差は600mほど、所要時間1時間ほどで到着できる登山コースです。
時間に余裕がある場合は、雄山から北へ尾根伝いに別山、剣御前あたりまで縦走して室堂へ帰ってくるコースもあります。
少し先に剣岳がそびえていますが、夏山とはいえトレッキング気分で登れる山ではないので、剣岳に登る際には本格的な登山の装備とプランが必要です。
なだらかなトレッキング向きの地形は、室生堂平周辺だけ。
少し外れると切り立った断崖絶壁の地形になっているので、地図をしっかり見てルートから外れないようにしましょう。
室堂平周辺のトレッキングコース
ミクリガ池一周コース
ミクリガ池の周囲は631m、立山火山の噴火によって生まれた室堂のなかでも、大きくて深い火口湖です。
池の北西には日本でもっとも標高の高い温泉、「みくりが池温泉」があります。
温泉入浴はもちろんのこと、宿泊もできますので、ぜひ日本最標高の温泉を体験してください。
ミクリガ池は、漢字で「御厨ヶ池」と書きます。
「御厨」というのは神様の厨房という意味があり、立山権現に祀る料理はこの池の水を使って作られるのだそうです。
ミクリガ池の周辺は、雷鳥の生息域です。
運が良ければ、かわいらしい雷鳥の親子が観察できるかもしれませんよ。
春先の雷鳥の赤ちゃんはまだ真っ白で、人を怖がるということを知らないので間近で観察できます。
ただし、国の天然記念物なのであまり近かずかないように注意しましょう。
筆者は以前ミクリガ池で雷鳥の赤ちゃんに出くわし間近で観察したことがあります。
雪の斜面を登っていたら、「クー」という鳴き声が近くでしたので、よく見ると目の前に雷鳥の真っ白な赤ちゃんがいました。
首を斜めにしてこちらを見るつぶらな瞳は、今でも脳裏に焼きついています。
弥陀ヶ原コース
弥陀ヶ原は標高2000mほどの高原湿原です。
湿原の中に木製の遊歩道が整備されているので、迷う心配がありません。
弥陀ヶ原湿原では、ミズバショウやニッコウキスゲ、ハクサンチドリ、イワショウブ、トキソウ、モウセンゴケといった貴重な高山植物が観察できますよ。
トレッキングやお散歩に最適です。
立山周辺の見どころ
立山黒部アルペンルート
立山黒部アルペンルートは、富山地方鉄道立山線の立山駅から室堂を経て、黒部ダム、長野県側の扇沢駅までのルートです。
立山高原バスや立山ロープウェイ、全線トンネルの中という黒部ケーブルカーを乗り継いで移動します。
大観峰駅から黒部平駅までの立山ロープウェイからの眺め、壮大な黒部ダム、険しい山の中に貫通させた巨大なトンネルなど、変化に富んだ見どころ満載のルートです。
黒部ダム
黒部ダムは、1956年から1963年まで、7年の歳月をかけて建設されました。
工事期間中の労働災害による殉職者は、171名におよびます。
人が行くことすら命がけとされた秘境に巨大なダムを建設するのですから、いかに難工事だったのか想像すらできません。
日本でもっとも堤高が高いダム、富山県内で一番高い構築物です。
総貯水量2億トン、この先も250年間にわたってダムとして機能すると想定されています。
黒部峡谷トロッコ鉄道
黒部峡谷トロッコ鉄道は、水力発電所を建設するための建設資材や労働者を運搬するための鉄道でした。
日本では珍しい軌間762mm、とても幅の狭い線路です。
鉄道の沿線には、黒薙温泉がある黒薙駅、黒部川の河原を掘ると天然の温泉がわき出す鐘釣駅、終点の欅平駅などがあります。
終点の欅平駅から林道を600mほど進んだところに名剣温泉があり、さらに林道を1.5㎞ほど進んだところに祖母谷温泉(ばばだにおんせん)があります。
祖母谷温泉から谷沿いに登ったところに祖母谷温泉源泉があり、川原から湯気が立ちのぼる幻想的な風景が広がっていますよ。
祖母谷温泉は宿泊もできるぜひおすすめしたい温泉です。
筆者は白馬山から唐松岳へ縦走した際に宿泊したことがあります。
立山のガイド村「芦峅寺」
エベレストの麓にはシェルパの村が点在していますが、芦峅寺はいわば日本版のシェルパ村といったところです。
北アルプス(特に立山周辺)にある山小屋のオーナーは、ほとんどが芦峅寺の佐伯氏一族です。
芦峅寺は「剣の文蔵」と呼ばれた伝説のガイド佐伯文蔵氏や、南極観測に貢献した佐伯富雄氏などの有名な登山家や冒険家を数多く輩出しています。
立山信仰の「布橋灌頂会」(ぬのばしかんじょうえ)がおこなわれる村としても有名です。
ライター
Greenfield編集部
【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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