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鎖場を登る際の基本を身につけずに登ると、落下やケガなどの危険性があります。正しい登り方を習得すれば、恐怖心が和らぎ、リスク回避やステップアップにつながります。今回の記事では、鎖場の登り方や注意点を紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

鎖場の登り方|基本のポイント5つ

鎖場 登り方

鎖場とは、傾斜のある登山道や岩場などの危険な箇所に、鎖が補助として設置してある場所です。基本的な登り方を身につけて、鎖場に挑戦しましょう。

①鎖が外れないかを確認してから登る

鎖場を使う際は、事前に鎖を引っ張り、しっかりと固定されているかを確認してください。古い鎖場だと、鎖の固定が甘くなっている場合があります。

②ルートをチェックして登る

登る前に、どのようなルートで登るかを考えてから進みましょう。登る箇所を見極めるルートファインディングは、鎖場では欠かせない技術です。

また、危険性が高いと判断したら、迂回するか引き返すかという選択が必要になります。自分の登山レベルと照らし合わせてから登りましょう。

③三点支持を守って登る

鎖場を登るときは、三点支持または三点確保と呼ばれる基本姿勢を守って登ります。三点支持とは、両手と両足のうち、ひとつだけを動かして、残りの三点で体を支えながら登る動きのこと。

この姿勢は、体のバランスがとりやすく、安定して鎖場を登れます。なるべく歩幅を小さくすると、三点支持を維持しやすいでしょう。

④鎖に頼りすぎずに登る

鎖に頼りすぎたり、体重をかけすぎたりすると、体がブレてバランスを崩してしまう場合があります。鎖はあくまで補助として、力をかけすぎないようにするのがコツです。

⑤壁から体を離して登る

鎖場を登るときは、体を壁からやや離して登ります。体を密着させると、足元が見にくくなり、足の置き場が見つけにくくなります。壁と体の間に三角形をつくるようにスペースをあけて登ることを意識しましょう。

鎖場を登るときの3つの注意点

鎖場 登り方

鎖場に登るときの注意点が3つあります。あらかじめ注意点を知り、マナーを守って登りましょう。

①外付けしている荷物を登山ザックに収納する

登山ザックに外付けしている荷物や、サイドポケットに入っているものは、鎖場を登る前に収納しましょう。

荷物を外付けしたまま登ると、木の枝や岩に引っかかり、バランスを崩してしまうおそれがあります。

②ピッチにはひとりずつ入る

鎖場では、ひとつのピッチを使うのはひとりまで。ピッチとは、鎖が固定してある支点と支点の間です。

ひとつの鎖を複数人で使うと、バランスを崩しやすく、上の人が落下したときに巻き込まれる可能性があります。前の人が登りきったことを確認してから、鎖を使うようにしましょう。

③足場に対して足を垂直に置いて登る

足元を安定させるため、足は足場に対して垂直に置くようにしましょう。足場と平行に足を置くと、登山靴のグリップがききにくくなり、滑落しやすくなります。足を逆八の字に開き、親指の内側を使うのがポイントです。

鎖場のステップアップにおすすめの山4選

鎖場 登り方

鎖場のステップアップには、実践的な登山が不可欠。ここでは、鎖場の練習におすすめの山を紹介します。実際に鎖場を体験し、経験値を積んでいきましょう。

①鎖場に慣れるのにぴったり!大岳山(おおたけさん)|鎖場の難易度★☆☆☆☆【初級】

鎖場 登り方

東京都の奥多摩にある標高1,266mの山です。山頂からの景色がよく、天気に恵まれれば富士山が眺められるのが魅力。

大岳山の鎖場は高度感があまりなく、最初の練習に適した場所です。奥多摩駅の愛宕山(あたごやま)から登ると、本格的な鎖場があります。長めのルートなので、体力に自信がある人は挑戦してみましょう。

②鎖場の連続でスキルアップ!谷川岳(たにがわだけ)|鎖場の難易度★★☆☆☆【初級】

鎖場 登り方

谷川岳は、群馬と新潟の県境に位置する標高1,977mの山。標高1,319mの天神平までロープウェイで登れ、標高差が少なく、比較的登りやすいのが特徴です。

天神尾根コースでは、避難小屋をすぎたあたりから鎖場が連続します。斜度はそこまでないので、足の置き方や鎖の使い方を学ぶのによいルートです。

ロープウェイを使わないコースにも鎖場がありますが、どのルートもかなり急な登り道。そのなかでも、西黒尾根は日本三大急登と呼ばれています。体力をつけ、鎖場に慣れてから挑戦しましょう。

③頂上直下の鎖場はスリルたっぷり!乾徳山(けんとくさん)|鎖場の難易度★★★☆☆【中級】

鎖場 登り方

山梨県にある標高2,031mの名峰です。山頂からは360度の大パノラマが望めます。

徳和駐車場・乾徳公園から出発するコースは、鎖場に慣れている人におすすめです。このコースでは、高度感がある長めの鎖場が連続します。

とくに、山頂直下の鎖場は、垂直な岩壁を約20m登る難易度が高い場所。怖いと感じたら、右側の迂回路から登山をしましょう。

④鎖場を乗り越えて絶景へ!宝剣岳(ほうけんだけ)|鎖場の難易度★★★★☆【中級】

鎖場 登り方

中央アルプスに位置する、標高2,931mのそびえ立つ岩峰です。標高2,612mの千畳敷までロープウェイが運行。千畳敷から宝剣岳までは、2時間程度で登れます。宝剣岳の山頂からは、天気がよければ千畳敷と木曽駒ヶ岳の絶景が見られるでしょう。

宝剣山荘からのルートは、山頂まで約25分で登頂できるのでおすすめ。短時間で登れるコースですが、急な岩稜帯です。難易度は、高度感のある鎖場に慣れた中級者以上。極楽平から登るルートは、足場が不安定なので注意が必要です。

宝剣岳は、中央アルプス遭対協がヘルメット着用推奨地域に指定しているので、必ず装備しましょう。ヘルメットを忘れた人は、宝剣山荘でレンタルが可能です。

鎖場の登り方を知ると、リスク回避になり登山の幅が広がります。登るときに大事なのは、今回紹介した5つの基本を守ること。バランスを保ちながら慎重に登れば、体が安定するので怖さが和らぎます。鎖に頼りすぎると、落下などの危険性があがります。難易度の低い鎖場で基本をしっかりと身につけ、いつかはレベルが高いスリリングな場所へ挑戦してみましょう。この記事をぜひ参考にしてください。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。