2024年と2026年にかけて、自転車に関するルールが大きく変わるのをご存知でしょうか?ロードバイクを楽しむ人にとって交通ルールは安全に走るための基本です。今回は、サイクリスト目線で知っておきたいルール改正のポイントと、今後求められるマナーや備えについて解説します。

2024年11月から厳しくなった交通ルール

2024年11月1日から、警察庁による新たな自転車運転ルールが全国で施行されました。

なかでも注目すべきは、「飲酒運転」と「ながら運転」に対する罰則の厳格化です。たとえば、自転車の飲酒運転についての改正では、「酒酔い状態での運転」は3年以下の懲役または50万円以下の罰金とされました。

気軽な「ちょっとだけなら」には要注意。飲酒した本人だけでなく、お酒を提供した人や一緒にいた人(同乗者)、自転車を貸した人にまで責任が及ぶ恐れがあります。

また、スマホ使用による片手走行や画面を注視しながら走行した場合は、6ヶ月以下の懲役または10万円以下の罰金が科されます。さらに、それによって事故などの危険が生じた場合は、1年以下の懲役または30万円以下の罰金といった重い処罰になります。

サイクリングでちょっとスマホで地図をみたい場合は、安全な場所に停止してからにしましょう。

参考:埼玉県警察

2026年からロードバイクも「反則金」の時代へ

2026年4月からは、自転車にも青切符制度(交通反則通告制度)が導入される予定です。これにより、16歳以上の自転車利用者に対して交通違反に反則金が科されるようになります。

従来、自転車の違反行為は赤切符(刑事罰)対象で、送検や略式起訴となるケースもありました。しかし青切符導入後は、軽微な違反(信号無視、通行区分違反、一時不停止、夜間無灯火、スマホ操作など)に関しては、5000~12000円程度の反則金で処理されるようになります。

違反の対象は、筆者を含めロードバイクに乗るサイクリストも例外ではありません。とくにヒルクライムやグループ走行中に起こりやすい信号無視や一時停止違反、車道での左側通行の徹底などは、これまで以上に意識が必要になるでしょう。

「自転車だから大丈夫」という感覚が通用しなくなる時代が、すぐそこまで来ていると感じます。

参考:警察庁「自転車の交通違反に対する交通反則通告制度の適用」

マナーも大事!ロードバイク乗りとして気をつけたいポイント

ロードバイクが以前よりも認知されるようになり、思っている以上に乗車マナーが見られています。規則も大切ですが、ここでは筆者がサイクリストとして心がけているマナーを紹介します。

手信号をだそう

進路変更や停止時に手信号(ハンドサイン)は、後続車や歩行者への意思表示ができます。また、グループライドでの事故リスクを軽減するためにも有効です。

ただしハンドルから片手を離す必要があるため、安全なところで練習し、実際に使用する際も注意しましょう。

歩行者に優しい運転をしよう

ロードバイクは、原則として歩道の通行ができません。ただし車道を走るのが困難と判断される場合は、歩道を通行できるケースがあり、歩道は徐行が原則です。

さらに、歩行者にベルを鳴らして進むのではなく、自分が止まる・譲るという姿勢が大切です。

並走・追い越しは慎重にしよう

サイクリングロードや公道での並走は禁止されているケースがあります。無理な追い越しはせず、間隔とタイミングに注意しましょう。

さらに、ロードバイクはスピードが出る分、一般的な自転車よりも注意を要します。サイクリストもそうでない人も気持ちよく過ごすために「マナーの悪い自転車乗り」と見られないよう配慮することも大切です。

安全に走るために、今日からできる3つの備え

ルールを守りながら気持ちよく走るために、サイクリスト自身ができる備えも欠かせません。

備え➀:ヘルメットとライトはマストアイテム

2023年からはヘルメット着用が「努力義務」とされました。筆者は最近、5年ほど使用したヘルメットを新調したところです。

とくにロードバイクは速度が出るため、頭部の保護は命に直結します。また、ライトや反射材の装着も重要です。夜間だけでなく普段から装備し、充電が切れていないか、故障していないかをライド前に都度確認しましょう。

以下の記事では、おすすめのヘルメットについて紹介しています。

ロードバイク用ヘルメットおすすめ22選!着用義務や選び方、メンテナンス方法についても解説
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備え➁:自転車保険への加入

万が一の事故に備えて、個人賠償責任保険への加入はマスト。近年、多くの自治体で義務化されています。

なかには、メカトラブルの際にロードサービスが受けられる保険もあります。まだ加入していない人は、自身に適したプランがあるか一度チェックしてください。

備え③:定期的なメンテナンス

ブレーキの効きやタイヤの空気圧など、機材のコンディションを整えておけば、不意のトラブルが起こるリスクを下げられます。

また、メンテナンスは自分だけでなく、一緒に走る仲間やすれ違う歩行者・車のためでもあります。機材に自信のない人は、ショップでの定期点検も活用しましょう。

ロードバイクのメンテナンスについては以下の記事を参考にしてください。

大事な愛車をキレイに保とう!自分でできるロードバイクのメンテナンス♪入門編
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ルールが厳しくなると、規制が増えたとネガティブに受け取られがちですが、見方を変えれば、ロードバイクが認知されてきた証でもあります。サイクリストの私たちは、スポーツとしての楽しさと、社会の一員としての責任を両立させる存在です。だからこそ、ルールとマナーを味方にして、カッコよく気持ちのよいサイクリストを目指しましょう。

yomec(よめしー)

ライター

yomec(よめしー)

自然豊かな新潟県在住、夫婦でロードバイクを楽しんでいる自転車ライター。子育てしながらトレーニングする方法を日々模索中です。今ではヒルクライムを中心としたレースが家族旅行に。愛車はSPECIALIZEDとBROMPTON。夫婦での所有スポーツバイクはなんと8台。ファミリーでも楽しめる自転車の魅力を発信します。