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着火剤を使わない火起こしが醍醐味のひとつであるブッシュクラフト。手間取らずに火を起こすためには、火起こしの仕組み・手順・道具を知る必要があります。火起こしの基礎や上手なやり方、おすすめの道具を紹介するのでぜひ参考にしてください。 

ブッシュクラフトでの火起こし

ブッシュクラフト 火起こし

直火(じかび)での焚き火が許可されているキャンプ場は限られており、全国規模でみてもそれほど多くはないでしょう。また、キャンプ場ではない場所での焚き火は絶対にしてはいけません。私有地などであれば警察に逮捕される場合があります。

自然とともに楽しむブッシュクラフターとしての自覚をもち、他人の土地で勝手に焚き火をしないように十分に注意してください。また自然環境を考慮した焚き火をするならば、直火ではなく焚き火台を用いるのがよいでしょう。

火起こしの仕組み

火を起こす際の基本的な要素は、着火物・点火源・空気の3つです。これら3つの要素が揃うことによって初めて着火して燃焼します。3つの要素を詳しく紹介するので参考にしてください。

着火物は燃焼に欠かせない物質です。着火物の代表例として、乾燥した木の枝・紙くず・葉・着火材などがあげられます。これらの素材は燃焼しやすいため、ほかの物質よりも比較的着火しやすいでしょう。

なお、十分に乾燥しているかをしっかりと確認したうえで着火物を選びましょう。湿気を含んだ着火物は火がつきにくい傾向があります。十分に乾燥した着火物を選ぶことで、手間取らずに火起こしができるでしょう。

また点火源とは、着火物を燃焼させるために必要な道具を指します。マッチ・ライター・火打石などが主な点火源としてあげられるでしょう。

使用する環境や状況に適した点火源を選択するのが非常に大切です。たとえば、強風が頻繁に吹くようなキャンプ場では風に強いターボライターなどが適しているでしょう。また、難易度の高いブッシュクラフトに挑戦したい人には火打石が好まれる傾向があるようです。

また空気のなかでもとくに、酸素が重要な役割を担っています。酸素があることで着火物は燃焼し続けられるのです。したがって焚き火をする際は、十分な空気が常に供給されるような配置が重要です。

たとえば、薪(まき)を1か所にまとめてしまうと空気の流れが妨げられ、着火物がうまく燃焼しない場合があるでしょう。空気がスムーズに流れるような配置にすることで、長時間にわたって着火物が燃焼しつづけられます。

着火物・点火源・空気の3つの要素を理解して適切に管理することで、より簡単かつ効率的に火起こしができるようになるでしょう。基本的な仕組みを理解したうえで火起こしを行い、ブッシュクラフトでの焚き火を存分に楽しんでください。

ブッシュクラフトの火起こし技術

ブッシュクラフトで火起こしをする際は、以下の2つのポイントを実践するとよいでしょう。

火起こしをする際のポイント

①準備に9割の時間をかける

②着火したらできるだけ触らない

上記の2つのポイントをおさえておけば、手間取らずにスムーズに火起こしができます。火起こしに成功したら、あらかじめ用意しておいた焚き火用の薪を燃やしてください。

なお、さまざまな薪の組み方があります。ティピー型の家の屋根を作るようなイメージで細い枝から順に重ねる組み方は簡単なのでおすすめです。組んだあとの屋根の下に落ち葉などの着火材を入れて火をつけましょう。うまくいけば短時間で着火できます。

最初は簡単な組み方での火起こしで要領をつかみましょう。慣れてきたら難易度が高い方法に挑戦してみてください。

火起こしに必要な基本用具

火起こしに必要な基本的な道具類は、アウトドア活動をするうえで不可欠であるといえるでしょう。焚き火や料理を楽しむためには、効率的に火を起こす必要があります。自分自身に適した火起こしの道具を選ぶことで、手間取らずに短時間で火を起こせるでしょう。

手軽に火起こしができるようになれば、家族や友達同士でのアウトドア体験がより楽しいものとなります。以下で紹介する必須の道具を確認し、用途や目的に適したものを選んでください。

必須の道具一覧

火を起こすために必要な基本的な道具は、着火材・薪(または炭)・火打ち石・火口(ほくち)・マッチ・ライターなどです。火起こし用のこれらの道具をうまく組み合わせることで、より効率的に火を起こせるでしょう。また、火起こし道具にくわえて火起こしファンや風防(ウインドスクリーン)などもあると便利でしょう。

火起こしを始める最初のステップで使用する着火材としては、乾燥した草・木の枝・樹皮などの自然からとれる材料が適しています。簡単に火がつきやすいのが大きな魅力です。また、軽くて持ち運びやすいのも特徴といえます。

上記であげた自然由来の着火材を選ぶ際は、しっかりと乾燥しているものを選ぶのが非常に大切です。水に濡れていたり湿っていたりすると火起こしに苦労することがあるでしょう。

火を維持するための主要な燃料である薪や炭を選ぶ際は乾燥した木を選びましょう。着火材と同様に、湿った薪や炭は火がつきにくい傾向があります。

また薪の種類によって燃焼時間や熱量が異なります。たとえば硬い木は、燃焼時間が長い一方で点火が難しい場合があります。安定した状態で長時間にわたって燃焼し続ける炭は、とくにバーベキューやキャンプ料理にぴったりでしょう。

古典的な火起こしの方法である火打ち石と火口を用いたやり方は、火起こしそのものを楽しめるのが魅力です。火打ち石で発生させた火花を火口に点火します。火打ち石は耐久性のある硬い石であり、黒曜石や石英などさまざまな種類があります。火打ち石で発生させた火花を火口に燃え移らせて焚き火に使用します。

マッチやライターなどの現代的な火起こし道具は、手間取らずに簡単に使いやすい点がメリットです。とくにアウトドアにそれほど慣れていない人におすすめできます。市販されているマッチ・ライターのなかには、雨が降るような悪天候下でも使いやすい防水マッチや、炎が風にあおられにくい構造をしたターボライターなどがあります。

特定の環境下でも使いやすい上記のようなライターを選べば、初心者でも気軽に火起こしができるでしょう。

より効率的な火起こしをしたいなら、火起こしファンや風防(ウインドスクリーン)をチェックしましょう。火起こしファンや風防(ウインドスクリーン)があれば、火起こしの効率を一層高められます。

火起こしファンを用いることで酸素を火に効率的に供給でき、ひいては安定した燃焼につながるでしょう。また風防(ウインドスクリーン)を活用すれば、強風下でも火起こししやすいでしょう。さらに横風にあおられることによって焚き火が消えてしまうのを防げます。

使用する環境や自身のニーズを考慮し、火起こしに必要な道具を選ぶのが大切です。たとえば、長距離のハイキングやバックパッキングを趣味とする人は、軽量かつコンパクトで持ち運びやすい道具類が適しているでしょう。

テントを用いる一般的なスタイルのキャンプや、車を使ったオートキャンプの場合は、耐久性があって重いものでもそれほど問題はないといえます。このように、使用するシーンや用途に適した道具を選ぶことで、より快適なブッシュクラフトを楽しめるでしょう。

道具選びのポイント

火起こしの道具を選ぶ際は、さまざまな環境や使用状況を考慮しましょう。ブッシュクラフトやキャンプなどのアウトドア活動では、地理的な条件や天候が道具選びに大きく影響します。

たとえば、湿気の多い地域や雨季には、水に強い着火材や防水マッチを選べば快適な火起こしができるでしょう。水に強い着火材や防水マッチは湿気による影響を受けにくいので、雨のなかでも効率的に火を起こせます。また、急な天候の変化に対応できる防水機能を備えた道具類は、突然雨が降り出したような環境下でも使用しやすいでしょう。

ハイキングやバックパッキングなどのアウトドア活動を頻繁に行う人は持ち運びやすさを重視してください。コンパクトかつ軽量な道具類であれば、長距離を移動する際の体への負担を減らせます。また携帯しやすい道具類は、緊急時に素早く使いやすいというメリットがあるでしょう。

過酷な自然環境下で頻繁に使用するような人は、耐久性に優れている道具かをしっかりとチェックしてください。耐久性が高い道具であれば、長期間にわたって愛用できるでしょう。

また、火起こし道具を選ぶ際は安全性にも着目してください。とくに初心者や子供が使用する場合は、安全性に優れた道具類を選ぶことが非常に重要です。たとえば、火花が少なく炎のコントロールが容易なライターや、安全カバーやロック機構がついているライターなどが適しています。

安全性を考慮した火起こし道具を選ぶことで、火事や事故などのリスクを最小限におさえられるでしょう。

さらに、環境への配慮を観点とした火起こし道具の選択も重要です。たとえば、自然に優しい素材で作られた着火材や再利用可能な道具類は、環境への影響を最小限におさえられるでしょう。自然との調和を大切にするブッシュクラフトを楽しんでいる人はとくに考慮してもらいたい観点です。

それぞれのニーズと好みを考慮することも重要です。伝統的な火起こし方法を好む人には火打ち石が適しているでしょう。火打ち石を用いた古典的なスタイルは、一部のキャンパーやブッシュクラフターから人気があります。

現代的な機能性や利便性を重視する人はライターやマッチを選びましょう。手間取らずに着火でき、時間を無駄にしない充実したアウトドアの時間を過ごせます。

 火の安全管理と環境への配慮

アウトドア活動をするうえで、火の安全管理と環境への配慮は欠かせません。火を取り扱う際の安全性に留意することで、自分たちの安全を守るだけでなく、周囲の環境への影響を最小限におさえることにも繋がります。

アウトドアシーンで火を使う際は、常に周囲の状況を考慮し、適切な手段を選ぶことが重要です。ここでは、安全性を十分に考慮した火の取り扱い方や、緊急時に消化する方法を詳しく紹介します。ブッシュクラフトに挑戦する前に確認してください。

火の安全な使い方

火の安全な使い方は、ブッシュクラフトにおける重要な要素のひとつです。周囲の状況を常に把握し、火が燃え広がらないように細心の注意を払う必要があります。

風の方向・風の強さ・周囲の乾燥具合を確認し、コントロール可能な範囲内に火がとどまるようにしましょう。またいつでも火を消せるように、消火用の水や砂をしっかりと準備しておいてください。

火を使う場所の選定も重要です。地面が乾燥していない、石や土でできた安定した場所を選ぶのが望ましいでしょう。また草木などから離れた場所を選び、火が燃え広がる可能性を最小限におさえるのが大切です。風防(ウインドスクリーン)や石で火を取り囲むのもよいでしょう。

火を使う際は、火の大きさと持続時間も考慮する必要があります。必要な時にだけ火を使用し、使用後はすぐに消化することで、火災やヤケドのおそれを軽減できるでしょう。また風が強い日や極端に乾燥している日は火の使用を避けてください。予期せぬ方向に火が燃え広がるリスクが高まるためです。

火を安全に使用するため、消火器や水などの消火用具を必ず用意しましょう。また水だけでなく、砂や土も消火に有効です。ただし、消火に用いるものは状況に応じて選び分けるのが非常に大切です。たとえば、油が原因の火災を水で消化しようとすると爆発的に反応して延焼します。しかし、砂や土なら安全に消火できるでしょう。

また、火を取り扱っている際の周囲の環境に気を配るのも重要なポイントです。急激な天候の変化によって風が強くなると、飛び火による火災のおそれが高まります。また乾燥した草木が近くにある場合、火の粉で燃え広がる危険性があるでしょう。常に周囲の状況を確認し、火が燃え広がらないようにしてください。

さらに、地域の法律や規制を守って火を使用するのも大切なポイントです。特定の地域または特定の期間中は火の使用が禁止されている場合があります。森林火災のリスクを減らすためにこのような規制が設けられています。各自治体のホームページなどで最新の情報を確認し、法律や規制に違反しないように注意しましょう。

緊急時の火消し方法

緊急時の火消し方法を知っておくことで、安全性を十分に考慮したブッシュクラフトなどのアウトドア活動ができます。予期せぬ瞬間に発生する火災に備え、いくつかの消火方法を理解し、適切に対応できるように準備しておきましょう。

水を使う方法が最もポピュラーで一般的な方法です。水は火に迅速に作用してすぐに消火できます。とくに、制御が容易な小規模の火の場合に有効です。水を使用する際は、火の根源に直接かけるとよいでしょう。しかし油が原因の火を消す際は、絶対に水を使用してはいけません。なぜなら、油は水に反応して燃焼が激化するためです。

水を使うのが適切でない場合や、水が使える環境にない場合は砂や土を使って消火してください。砂や土をかぶせることで火への酸素の供給を絶てます。この方法はとくに、十分な量の水を確保できない場合に非常に有効でしょう。なお消火の際は十分な量の砂や土を火にかぶせ、完全に消火しきるまで監視してください。

火が急速に燃え広がり、コントロールが困難な場合はただちに安全な場所へ避難しましょう。このような状況では無理に消火を試みることは避け、自身や他人の安全を最優先に確保してください。安全な場所に避難した後に、消防などの専門機関にすみやかに連絡しましょう。初動を迅速に行うことで被害を最小限にとどめられます。

火起こしの方法をレベル別でご紹介

ブッシュクラフト 火起こし

火起こしの仕組みとコツをしっかりとおさえたら実践に入りましょう。初心者や上級者などのレベル別にわけた火起こしの方法をご紹介します。

初級者向けの火起こしの方法

ライターと着火材で火起こしをする方法です。火起こしにそれほど慣れていない初心者でも簡単に火を起こせます。焚き火用に集めた薪を任意の組み立て方で組み、焚き付け用の着火材をその下に入れて着火しましょう。それほど手間取らずに着火できます。

ライターのなかでもとくに、ガストーチと呼ばれるタイプが非常におすすめです。風にあおられにくい高火力の炎が勢いよく噴き出すため、着火材に簡単に着火できます。

市販されている商品のなかでも、SOTO(ソト)の「SOTO スライドガストーチ」は見逃せません。市場の定番品であり、約3,000円と安価で購入できます。カセットガス(CB缶)からガスを補給できるので買い替える必要がないのも利点です。災害用に1つ持っておくのがおすすめです。

SOTO(ソト)「スライドガストーチ ST-480C」
SOTO(ソト)「スライドガストーチ ST-480C」
PRINCE(プリンス)「ポケットバーナー1」
PRINCE(プリンス)「ポケットバーナー1」
Bush Craft(ブッシュクラフト)「ファイヤーキャンディ」
Bush Craft(ブッシュクラフト)「ファイヤーキャンディ」
UNIFLAME(ユニフレーム)「森の着火材」
UNIFLAME(ユニフレーム)「森の着火材」

中級者向けの火起こしの方法

火打ち石と着火材で火起こしをする中級者向けの方法です。

着火材に使用するのは「Bush Craft ティンダーウッド」というオシャレな火起こしアイテムです。松脂(まつやに)がたっぷりしみ込んでいるため、比較的簡単に着火できるでしょう。また、防水性があるので多少の雨には耐えられます。

「Bush Craft ティンダーウッド」を使用する際は、薄い切れ込みをナイフで入れてフェザースティックを作りましょう。切りやすい材木なので、作業に慣れてしまえばそれほど難しくはないでしょう。火起こしそのものをじっくりと味わえるアイテムです。

また、黒曜石や石英などのさまざまな火打ち石があります。予算や好みにあわせて選ぶとよいでしょう。

ひまわりの会「着火材」
ひまわりの会「着火材」
Bush Craft(ブッシュクラフト)「ティンダーウッド」
Bush Craft(ブッシュクラフト)「ティンダーウッド」
PSKOOK「火打ち石」
PSKOOK「火打ち石」

上級者向けの火起こしの方法

火打ち石のみを使用して火を起こす方法です。焚き付けと薪の選択が非常に重要な、熟練の技術と知識が必要な方法といえます。

春から秋にかけてのあたたかい時期であれば、乾燥した薪が集めれるので問題はないでしょう。しかし冬は難易度が高いといえます。火打ち石のみで冬の火起こしができるようになれば上級者の仲間入りです。

 市販されている火打ち石のなかには、石器時代を感じさせる外観のものもあります。火打ち石を用いて、子どもと一緒に火花を散らして遊ぶだけでも面白いでしょう。

Bush Craft(ブッシュクラフト)「火打石」
Bush Craft(ブッシュクラフト)「火打石」
宮忠「火打石セット 水晶」
宮忠「火打石セット 水晶」

ブッシュクラフトの火起こしセット

焚き火はしたいけれど必要な道具は持っていないという人は、セット品の購入をぜひ検討してください。

ブッシュクラフトで必要な火起こし道具がまとめて手に入ります。市販の商品のなかには、そのまま焚き火を楽しめるように薪が付属しているものもあります。購入時の手間が省け、火起こしを気軽に楽しめるでしょう。

Bush Craft(ブッシュクラフト)「スターティングセット」
Bush Craft(ブッシュクラフト)「スターティングセット」
自然をより身近に感じながらゆっくりと過ごせるブッシュクラフト。ブッシュクラフトの醍醐味のひとつとして火起こしがあげられます。火起こしの方法はさまざまあるため、熟練度や好みにあわせて選ぶとよいでしょう。自然のなかで火起こしをゆっくりと楽しみながら、リラックスした時間を過ごしてください。この記事を参考にし、やや難易度が高いブッシュクラフトにぜひ挑戦してみてください。新たな楽しみがきっと見つかることでしょう。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。