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フライフィッシングとは、虫などを模した毛針(フライ)を使った釣りのこと。シニア層に人気のイメージですが、最近は若者や女性もハマる人が増えています。
日本における渓流でのフライフィッシングについて、初心者向けに分かりやすく解説していきます。
 

フライフィッシングとは?

渓流 フライフィッシング

フライフィッシングとは、欧米式の毛針(フライ)を使った釣りのこと。

イギリスで発祥し、アメリカで広まったフライフィッシングは、1960年代頃から日本でも人気が出始めました。

日本にも伝統的な毛針を使ったテンカラという釣り方がありますが、大きいくくりで言えばテンカラもフライフィッシングといえるでしょう。

ただし、テンカラはリールを使わない独自のシステムで、魚の誘い方もフライとは異なるため、別のカテゴリーとして認識されています。

フライフィッシングの対象魚は、川や湖などのトラウト(マス類)が一般的です。

渓流に生息するイワナやヤマメ、アマゴといった日本の固有種の他、レインボートラウトやブルックトラウトなどの外来種も、放流されている川や湖で釣ることができます。

最近は、海でシーバスやシイラ、カジキマグロなどの大物を狙うアングラーも増えているようですよ。

 

フライフィッシングの4つの要素

フライフィッシングは、基本的に4つの要素で構成されていると考えられています。

1.自然観察

フライフィッシングで魚を釣るためには、魚が何を補食しているのかを判断し、それに似たフライを選ぶ必要があります。

渓流 フライフィッシング

魚は常に同じものを食べているわけではありません。

季節や水温、フィールドによって異なるため、飛んでいる虫を捕まえてみたり、川に沈んでいる石をひっくり返し水生昆虫の観察をしたりして、何を食べているか予測するのです。

実際に魚が補食している虫に似せたフライで釣ることをマッチザハッチといい、これがフライフィッシングの基本であり醍醐味と言えます。

中にはストマックポンプを使って、魚の胃の内容物を取り出して観察する人もいますが、私はあまりおすすめしません。

キャッチ&リリースが基本のフライフィッシングでは、ポンプで魚を弱らせてしまう可能性がありますし、毎回答え合わせをしなくても、魚は十分釣れるからです。

未だ解明されていないことも多いこの自然観察はとても奥深い世界で、フライにハマると水生昆虫ハカセみたいになってしまう人もいます。

しかし、最初のうちはよく分からなくても大丈夫。そのうちだいたいのセオリーが分かってくるので、頭でっかちになる必要はありません。

2.フライタイイング

フライフィッシングで使用するフライを巻くことを、フライタイイングと言います。

フライは既製品を購入することもできますが、自分で巻いたフライで釣る方が何十倍も嬉しいものです。

渓流 フライフィッシング

フライは様々な色の鳥の羽や動物の毛を針に巻き付けて作ります。

丁寧に巻いたフライはとても美しく、このクリエイティブな楽しさもフライフィッシングの大きな魅力でしょう。

プロセスはシンプルですが、最初から綺麗に巻くのは難しく、上達するには数をこなすしかありません。

しかし、形が崩れているからといって、釣れないかといったらそうでもないのです。なぜかボロボロのフライの方が良く釣れる日もあり、その理由もよく分かりません。

きっと魚にとっては、リアルな虫に見える何かがあるのでしょうね。

3.キャスティング

ルアーと違い、フライ自体には重さがほとんどありません。

フライを遠くのポイントまで投げるためには、重さのあるラインとロッドのしなりを利用します。

渓流 フライフィッシング

ラインを前後に振り、忍者のようにラインを操る様子を見たことがあるのではないでしょうか。

このフライキャスティングには、様々なテクニックが必要とされ、ラインをコントロールできるようになるには練習が必要です。

空中をラインが優雅に舞う姿は見ているだけでも楽しいですが、実際にうまく投げられるようになると、自然と一体になったようでとても気持ちがいものですよ。

簡単に習得できるものではないところ、やればやるほど上達するところに、フライフィッシングのスポーツとしての面白さがあります。

4.フィッシング

フライフィッシングの一番の魅力は、何と言っても水面に浮くドライフライの釣りにあると言えるでしょう。

本物の虫が流されていくように、ナチュラルにフライを流すことができたら、思い通りのポイントから魚が水面を割ってフライに食いつきます。

熱心なアングラーなら想像するだけでドキドキしてしまうほど、エキサイティングな体験です。

渓流 フライフィッシング

それに加え、渓流のフライフィッシングでは、見えている魚を釣るサイトフィッシングの楽しみもあります。

目の前の魚に気付かれないように息をひそめ、魚の少し前にフライをうまく落とす。それだけのシンプルなことですが、その魚を手にした時にはこの上ない満足感が味わえますよ。

また、使用するロッドが細いことも関係しますが、イワナやヤマメは体が小さくても粘り強いい引きで楽しませてくれます。

50cmを超えるニジマスなどは、ランディング(取り込むこと)までに汗だくになることもある程。

キャスティング、魚が出る瞬間、強力なファイト、ランディング、全てのプロセスが魅力的です。

 

自然、魚、道具の美しさ

渓流 フライフィッシング

4つの要素に分けて解説してきましたが、もう一つ、フライフィッシングの大きな魅力として伝えたいことがあります。

それは、素晴らしい自然の中に身を置いて釣りができること。

日本の渓流、とりわけイワナが棲む上流域などは、人工物もほとんど無く、四季折々の美しい姿で私たちを楽しませてくれます。

春は桜の下で草花の芽吹きを感じ、夏は青々とした木々に包まれ蝉の声を聞き、秋は赤や黄色に色づく山々の中で、ただ魚を釣ることだけを考える時間は、かけがえのないものです。

渓流 フライフィッシング

また、渓流の魚たちはとても美しく、見ているだけで心が癒されます。

特にパーマークという斑点模様が特徴的なヤマメは、「渓流の女王」と呼ばれる程人気が高く、個体によって模様や顔つきがかなり違うのも面白いところです。

フライフィッシングは、フライタイイングに始まり、ロッドやリールなどの道具にも美意識が重視されます。

全てにおいて美しさを追求する、芸術的な釣りのスタイルとも言えるでしょう。女性のフライフィッシャーも増えているのは、そんな理由があるからかもしれませんね。

 

キャストやタイイングの難しさからか、フライフィッシングは敷居が高いと思われがちです。
しかし、フライはお店で買ってもOKですし、無理にフライを遠くに飛ばさなくてもいいのです。フライフィッシングの魅力は十分に感じることができるはず。
フライフィッシングは、子どもからシニアまで、男性でも女性でも楽しめる生涯スポーツの1つです。難解な部分はさておいて、必要最低限の道具を持って1匹の魚を釣りに出かけましょう。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。