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幅広い年代に普及しているスノーボード。学生時代に友人から教わったという方も多いのではないでしょうか。これから子どもや友だちにスノーボードをどう教えたらいいのかわからないという方に向け、スポーツ科学の視点からスノーボードのターンを解説します。

スノーボードはどうしてうまく曲がれないの?

スノーボード ターン動作分析

スキーもスノーボードも同様に、板のどちらか一方をエッジング(雪面に引っ掛ける)することで左右のターンを行うことができます。

スキーとスノーボードの違いとして、スノーボードのターンは、つま先側でエッジングするフロントサイドターンと、かかと側でエッジングするバックサイドターンに分けられ、左右非対称の滑走フォームを持つスポーツです。

そのため、フロントサイドターン・バックサイドターンそれぞれで筋肉や骨格の動きが異なっています。スキーよりも左右のターンで得手不得手が生じるのは、これらが原因かもしれません。

 

どうやってターンしているの?

スノーボード ターン動作分析

本題であるスノーボードのターンについて、フロントサイドターン・バックサイドターン毎に解説していきます。

左右の足でどのようにエッジングをしているのか、どのように身体を使っているのかなど、学術論文「スノーボード・ターンの運動解析に関する研究」(土岐ら 2006)を参考に説明しようと思います。

「友達が一生懸命教えてくれたけどあまり上手く曲がれなかった…」「今度スノーボードを教えるから、まずどうやって曲がっているのか構造を知りたい」

という方は、是非参考にしてみてください。(これより先は左足前の状態で滑走している条件での解説となります。)

フロントサイドターンの動作解析

おそらく、多くの初めての方がつまずくであろうフロントサイドターン。フロントサイドターンでは、つま先側に反力作用点位置があり、いわゆるつま先荷重でターンを行っていることが分かっています。

そのため、足部の底屈(つま先を下に向ける)動きが重要であることが分かっています。さらに、より左足の力が強く、左側を積極的に使用してターンを行っています。

フロントサイドターンがつま先体重ということは何となく身体でも理解できますが、右足と比べて左足の力が強く作用していたことは、改めて言われなければ気付かなかったのではないでしょうか。

ぜひ、実際に滑ったときに確認してみてください。意識していなくてもより左足に体重をかけて曲がっていたことが実感できると思います。

バックサイドターンの動作解析

バックサイドターンは、初心者が初めて滑るときに多く学ぶ、いわゆる「木の葉落とし」の滑りで用いられるターンです。バックサイドターンではフロントサイドと異なり、左足は真下に荷重を行い、右足で板を前方にずらすようにターンを行っています。

さらに、バックサイドターンでは、フロントサイドターンと比べてより膝が屈曲していることが分かっています。これは、バックサイドターンではバランスを取りづらいため、膝を屈伸させてバランスを保っていると考えられます。

バックサイドターンでは、右足を前方へずらすことで曲がっていること、また、膝の屈伸動作を大きく用いることでバランスをとっていることが分かりました。

確かに、つま先立ちはできてもかかと立ちって難しいですよね。バランスを保つためには、より膝をクッションに使う必要があるということが理解できると滑りやすいと思います。

 

科学的視点の必要性

スノーボード ターン動作分析

スポーツ科学は時として、「机上の空論」や「頭でっかち」のように否定されることも少なくありません。もちろん、実際に滑ってみた身体の感覚は真実であり、とても貴重なものです。

ただ、科学データも紛れもない真実であり、両者とも同じ結果・内容になることが理想です。ですが、主観と客観の違いは永遠のテーマであり解明しきることはできないでしょう。

したがって、我々に必要なことはどちらかに傾倒しすぎないことだと私は思います。自身の感覚と本文の内容が異なっていて、「しっくりこないなぁ」という方も是非一度は参考にしてみてください。

フロントサイドターンは、より左足のつま先に荷重し、左足主導でターンを行う。バックサイドターンは、右足を前方にずらすように使いターンを行っていて、さらに膝の曲げ伸ばしを積極的に行いバランスをとることが重要、ということが研究で明らかになっています。初めての方が滑れるようになるのは大変ですが、経験者が指導の際に自分の技術を言葉にするのも難しいこと。どの立場の方にもこの記事が参考になりましたら嬉しいです。

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
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