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アウトドアを楽しむ人々の環境への意識の高まりが注目されています。たとえば、ビーチのゴミを拾うサーファーの活動などです。しかし、今なぜこのような活動が注目されるのでしょうか?そこには、「マイクロプラスチック」という新たな環境問題が大きく関係しています。

マイクロプラスチックとは?

マイクロ プラスチック 環境 問題

マイクロプラスチックとは、プラスチックが破砕されて、5mm以下の微細な粒子になったものです。

原因となるのは、たとえば洗顔料や歯磨き粉に含まれるスクラブ剤。使用されている小さなプラスチックが、排水として流されています。また、廃棄されたプラスチック製品が、波などの自然の力で破砕され、マイクロプラスチックが発生することもあります。

このマイクロプラスチックが世界中の海に拡散され、新たな環境問題となっているのです。以下の記事では、サーファー目線で海の環境問題についてまとめていますので、ぜひ参考にしてみてください。

ワンハンドビーチクリーンを知っていますか?SDGsをサーファー目線で考えてみた

 

マイクロプラスチックによる環境問題の現状

マイクロ プラスチック 環境 問題

今、海洋プラスチックごみの管理が、世界的な課題となっています。

世界の海には、新たなプラスチックごみが年間800万トンも流入していると推定されています。この年々増えるプラスチックごみが、海に含まれるマイクロプラスチック増加の大きな要因となっているのです。

しかし、このマイクロプラスチックは、いったいどのような環境問題につながっていくのでしょうか?具体的に見ていきましょう。

海洋生物の生態系の破壊

マイクロプラスチックは微細であることに加え、自然界で分解されることがありません。つまり、生物の体内に入ってしまうと、分解されずに残りつづけることになるのです。

海洋生物がエサと間違えてマイクロプラスチックを食べてしまうと、内臓を詰まらせることがあります。また、マイクロプラスチックの表面に付着している、有害な化学物質を体内に蓄積させてしまうのも問題です。結果、海洋生物を死に至らしめることが懸念されています。

人体への影響の可能性

現時点では、マイクロプラスチックによる人体への影響については、まだ完全に解明されてはいません。

しかし、プラスチックに使用される一部の添加剤には、環境ホルモンとして疑われるものも含まれています。環境ホルモンとは、体にさまざまな不調をきたすとされる化学物質です。そのため、マイクロプラスチックを体内に取りこむと、有害な化学物質の影響が心配されているのです。

さらに、生物は食物連鎖でつながっています。ある種の化学物質は、この食物連鎖のなかで、生物の体内に濃縮されていくことも無視できません。

人体への影響の解明については、今後も注目する必要があるでしょう。

マイクロプラスチック問題はどう解決する?海外と日本の対策

マイクロ プラスチック 環境 問題

世界中の海に広がってしまったマイクロプラスチックは、グローバルレベルの環境問題に発展しています。地球温暖化と同様に、グローバルレベルの環境問題の解決には、世界各国の協力が不可欠です。

すでにマイクロプラスチック問題を認識した世界各国で、法整備を含め、さまざまな対策が始まっています。果たして、マイクロプラスチック問題は解決の方向に進んでいるのでしょうか?

マイクロプラスチック問題に対する、海外と日本の現状を説明します。

加速する海外の対応

マイクロプラスチック問題への対策で重要となるのが、「プラスチックごみを増やさない」ということです。そのため、海外ではプラスチックの使用を制限する動きが高まっています。いくつかの国を例に挙げてみましょう。

  • フランス
    使い捨てプラスチック容器が、原則、使用禁止。
  • イギリス
    プラスチック製ストローなどの配布や、販売が禁止。
  • ケニア
    プラスチック製レジ袋の輸入・製造・使用・販売が禁止。

また、アメリカや韓国、フランス、イギリスなどでは、マイクロビーズを含む化粧品や、洗浄剤の製造禁止なども行われています。海外ではプラスチック削減に向けた対策を、さらに加速させる動きがあるのです。

遅れる日本の対応

日本でも、2020年7月よりレジ袋の有料化が開始されました。しかし、レジ袋の使用禁止までには至っていません。プラスチック削減という観点では、まだ対策の途上にあるといえるでしょう。

その一方で、2018年に「海岸漂着物処理推進法」を改正。途上国の廃棄物の管理支援なども含めて、海岸の漂着ごみへの取り組みが強化されています。

さらに、2019年には「マリーン・イニシアティブ」も立ち上げられました。2050年までに、海洋プラスチックごみの新たな汚染ゼロを目指すために、さまざまな対策が打ち出されたのです。

マイクロプラスチック問題に対して、日本は海外と比べてやや遅れがあるものの、海洋プラスチックごみへの対応を加速している点に特徴があります。

 

マイクロプラスチック問題のために今できること

マイクロ プラスチック 環境 問題

ここまで見てきたように、マイクロプラスチック問題の解決に必要なことは、「プラスチックの使用を削減すること」です。プラスチックごみを減らすために、私たちにできる身近なこととして、「3R」にそのヒントがあるのではないでしょうか?

3Rとは、“Reduce・Reuse・Recycle”をいいます。限りある地球の資源を有効活用するため、重要なキーワードとして知られている言葉です。

  • Reduce(削減)
    プラスチック製の買い物袋などの使用を減らし、ごみにならないようにする。
  • Reuse(再使用)
    マイボトルを使用するなど、使い捨て容器の使用を減らす。
  • Recycle(再利用)
    再生プラスチック製品を使用する。

たとえば、買い物のときのエコバッグの使用や、使い捨て容器を使用しないなどは、小さなことかもしれません。しかし、3Rを取り入れたその行動が、マイクロプラスチック問題の解決の第一歩になるのではないでしょうか?

サーファーがビーチに落ちているゴミを拾う、「ワンハンドビーチクリーン・サーフワンハンド」の活動は、もともとはサーファー個人の行う小さな活動でした。しかし、今や世界中に広まっています。これは一人ひとりの活動は小さくても、それが集まれば大きなうねりとなるよい事例ですね。マイクロプラスチック問題は、地球規模の大きな環境問題です。立ち向かうためには、まずは身近なところから生活を見直してみませんか?

ライター

Greenfield編集部

【自然と学び 遊ぶをつなぐ】
日本のアウトドア・レジャースポーツ産業の発展を促進する事を目的に掲げ記事を配信をするGreenfield編集部。これからアウトドア・レジャースポーツにチャレンジする方、初級者から中級者の方々をサポートいたします。