アウトドアシーンにも欠かせない価値観?持続可能な世界を目指すSDGsとは

日本へのフリーライド誘致は、白馬とスイスの偶然の重なりからはじまった【FWT JAPAN SERIES 運営TOPインタビュー 】

日本へのフリーライド誘致は、白馬とスイスの偶然の重なりからはじまった【FWT JAPAN SERIES 運営TOPインタビュー 】

これからを担うジュニア世代の育成

―ジュニアの育成については、どのようにお考えですか?

ジュニアの育成は非常に意義が大きいと思っています。トップになった選手が、海外の大会に出られるような仕組みをつくるなどですね。

―大会の参加者の輩出や育成などで、なにか活動していることはありますか?

たとえば、今年はセーフティーワークショップを大会参加の必須プログラムとして導入しました。今の日本では、子供向けのそういったプログラムはほぼありません。

セーフティーワークショップを通して、スキーやスノーボードが好きな子供を育てていければといいなと思っています。将来のフリーライド選手を育てていくようなことができればいいですよね。

―ジュニアの育成活動で、なにかよい反応はありますか?

そうですね。フリーライドの大会に出てくるお子さんって、ハーフパイプやアルペンのレースなどに、あまり興味がない場合も多いんです。スキーやスノーボードはすごく好きなんだけど、「一緒に滑れる仲間がなかなかできない」みたいなところがあって。

なので、「このイベントでは年齢の近い子たちが集まるから、コミュニティができていいね。ありがとう」と親御さんからいわれることがありすごく嬉しいですね。

セーフティーワークショップを必須プログラムに

Freeride World Tour

―セーフティーワークショップを今年から基本プログラムとした理由を教えてください。

大会をやってる意味や存在価値を高めていく必要があったためです。

この大会はまだ知名度が低く、大きな経済効果を生むステージではありません。安全啓蒙活動を通して、世の中にしっかりとフリーライドの楽しみ方を発信していきたいと思っています。

―シーズンすべての大会で、全選手に参加必須としたのは、今年が初めてですよね。

はい、そうです。海外だと、ワールドツアーの選手は、シーズン最初にセーフティーワークショップを受けることが必須です。予選やジュニア大会も含めて、全大会で参加を必須としているのは、現在では日本のみかもしれません。

―親御さんの理解があるご家庭が、参加者の大半を占めると思います。やはりご両親のいずれかが、スキーやスノーボードを楽しまれるケースが多いですか?

多いですね。ただそれがいいかというと、ちょっと微妙だなとも思っていて。

ジュニアのカテゴリーは14歳未満の 『U-14』 と、 14~18歳までの『U-18』の2つに分かれています。スキーの男子だけ、14歳未満の『U-14』 、 14~16歳まで の『U-16』、16~18歳 までの『U-18』の3つのカテゴリーに分かれます。

いずれにしても、日本では14歳以下に選手が偏りすぎていて。その年齢だと、当然お父さん、お母さんと一緒に来ます。でも、高校生になると選手がめっきり減ります。親ありきの参加になってしまうと、そういう傾向になってしまうという課題があります。

海外だと全然そんなことなくて、14~18歳までの『U-18』が一番多いんですよ。親のお金ではなく、自分の時間とお金を使っても続けたいと思えるスポーツになるかどうかは、フリーライドに限らずウィンター業界共通の課題だと思っています。

FWTアカデミーの再開に向けて

FWTアカデミーとは?
2019年にFWTが開講。ゲレンデから一歩づつフィールドを広げていける、日本で初めての体系的なフリーライドスキー・スノーボードスクール。「フリーライドをみんなのものに」がコンセプト。

FWTのジャッジや山岳ガイドにより、FWTのモットーである「セーフティーファースト」をベースに、フリーライドを安全に楽しむノウハウを詰め込みスタート。

―セーフティーセミナーとは別に、FWTアカデミーというのも開講されていたと思いますが。

現在、FWTアカデミーは休眠状態です。

理由としては2つあります。指導者側の層がまだ発展途上であること。そして、日本市場では受講ニーズが高まっていないということです。

―まずは指導者の育成が必要なのですね。

はい。日本でパウダーや自然地形を滑るテクニックやリスクを教える指導者となる道はまだ整備されていません。教える方の確保がすごく大変だったんです。

―受講ニーズとしては、どのようなところが考えられるのでしょうか?

コロナの前の受講ニーズとしては、中国や台湾などのアジアの方が多かったですね。スキー・スノーボードをやってて、日本に遊びに来る人たちです。

たとえば、中国のカチカチの人工雪のバーンしか滑ったことがなくて、日本のパウダーに憧れて来たような人たちです。そういう方なら、アライリゾートみたいなスキー場はとても興味あるだろうし。

そういう方がパウダーの大斜面や木の間を滑るときなどに、滑り方を教えてほしいという需要はあったんですよね。コロナ禍になってインバウンドがなくなり、受講ニーズも減りました。

コロナ後、海外の方が遊びにくるようになったら、ニーズはしっかりあると思うんですよね。その際にはFWTアカデミーの再開もありえると思っています。

―FWTアカデミーの再開を個人的にも楽しみにしております。ありがとうございました。

【大会取材 前日編】はこちら
【大会取材 当日編】はこちら
【大会取材 大会裏側編】はこちら

Freeride World Tour
FWT JAPAN SERIES公式サイト

白馬とスイス ローザンヌ。2つの場所の偶然が重なり、小さなプロジェクトからスタートしたFWTの日本誘致でした。2017年の本格上陸から5年経った2022年冬、コロナ禍で変わってしまった部分があるものの、自然の流れに沿った大会運営が行われています。苦難を乗り越えつつ、日本のスキー場の枠を広げるきっかけをつくってきました。セーフティーファーストを啓蒙しながら開かれる大会。来シーズンの開催が、もうすでに楽しみでなりません。
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