雪山が警笛を鳴らしている!地球温暖化の侵攻と影響は!?

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雪山が警笛を鳴らしている!地球温暖化の侵攻と影響は!?

地球温暖化の影響は、地球の尾根にあたる世界中の山岳地域で、その兆候を見ることができます。山の自然に触れる人々は顕著に現れはじめた異変に危惧していることでしょう。国内外の雪山登山でも代表的なポイントに現れるサインから、環境破壊が憂慮される報告を紹介します。

変わってゆく北海道の雪山

北海道

登山やウィンタースポーツの聖地とも言える北海道の大自然。

凍てつく厳しい寒さが、幻想的な風景を奏でます。

そんな憧れの北の大地も、近年、温暖化の影響と思われる様々な現象が顔を見せてきました。

 

降雪量の変化

気象庁

参考:気象庁過去気象データより解析

 

 

気象庁

参考:気象庁過去気象データより解析

 

北海道では、以前からの豪雪地帯に雪が少なくなったり、それほど積雪のなかった地域が豪雪に見舞われるようになったりなど、明らかな気候変化が起きています。

北海道の代表的な山岳地域、大雪山系でも近年、雪が少なくなったことが目に見えてわかるほど変化しています。

前出のグラフ及び表は、気象庁集計の過去データをまとめたものです。

1990年代から、気温の上昇とそれに伴う降雪量の減少が数値として顕著に現れるようになりました。

北海道の幻想的な冬の光景として有名なダイヤモンドダスト。

空気中の水分が凍ることで見られる光景ですが、以前は内陸部の市街地でも見られるほど、冬の代名詞的な光景でした。

しかし、近年では山岳部でも稀にしか見ることができなくなってきています。

 

 

生態系の変化

大量繁殖

気候の変化は、動植物の生態系にも大きな影響を及ぼします。

山岳部で雪が少なくなれば、草木が顕わになり、それを食料としている野生動物の活動が活発になります。

最近では冬眠しない野生のヒグマなども紹介されています。

また、1990年代からエゾシカの大繁殖が表面化し、とくに道東地域では現在でも深刻な問題となっています。

草食動物であるエゾシカの食糧が山に増え、越冬しやすくなったため、今現在も増え続けているのです。

大群となったエゾシカが草木を食べることにより、山間部の植物が枯れてしまうなどの報告もされていて、はげ山化が危惧されています。

 

流氷の減少

オホーツク海

地球規模でみても、温暖化により北極や南極の氷が減少していると言われています。

北海道は北極圏流氷の南端として、冬になるとオホーツク海が流氷に埋め尽くされます。

接岸する網走や紋別などの沿岸の町では、流氷ツアーなど観光資源としても恩恵を受けています。

しかし近年の温暖化により流氷は減少し、接岸する日数も激減しています。

流氷は、ただの氷ではなくプランクトンなどの宝庫です。

それを餌にする魚を繁殖させ、その魚を捕食するアザラシなどの動物が生息する生態系を持っています。

流氷の減少は、その生態家にも影響を与え、野生動物だけではなく、水産業にも打撃を与えています。

 

 

 

減少する富士山の永久凍土

永久凍土

永久凍土とは、季節に限らず一年中凍りついた土壌のことで、国内では北海道の大雪山、富山の立山、そして日本一高い標高の富士山だけに見られます。

山頂に雪化粧を施した富士山の雄姿は、日本のシンボルとも言える美しい光景です。

しかし日本雪氷学会の研究により、この美しい光景が見られなくなるかもしれないと報告されました。

富士山の永久凍土は、1972 年に発見されて以来、調査、研究が行われています。

それによると、1976 年調査では、永久凍土の下限高度は標高約 3,250mで、1999 年調査には標高 3,550m、2007 年調査では3,650m と、この31年間に約400m上昇したとされています。

この31年間で富士山頂の気温は、約 1.1℃上昇しており、このままいけば、今後 20〜30 年で富士山の南斜面の永久凍土は消滅する可能性があるとしています。

 

参考:日本雪氷学会

 

 

日本アルプスのライチョウ

日本アルプス

日本アルプスなど、中部山岳の高山地にしか生息しないニホンライチョウは、絶滅危惧種に指定され国の特別天然記念物でもあります。

もともとユーラシア北方の山岳地域に分布していたものが、約二万年前、まだ日本列島が大陸と陸続きだった頃に南下し、本州山岳部に住み着きます。

その後、約1万年前、氷河期が終わり、気候の温暖化に伴って北上する種と別れ、高山に取り残されたものが今のニホンライチョウの祖とされています。

主に高山植物を餌にするライチョウですが、近年の温暖化により山の動植物の生態系が変化していることから、個体数の減少が危惧されています。

高山の気温上昇により、植物の生息高度が上昇していることや、降雪の減少によりシカやクマなどの天敵が高山まで食指を伸ばしていることなどが原因とされています。

 

 

 

世界遺産アルプスのアレッチ氷河

スイスアルプス

約23Kmにも及ぶアルプス最大にして最長のアレッチ氷河は、スイス・アルプスの3高峰といわれるアイガー、メンヒ、ユングフラウを含む周囲の山々とともに世界自然遺産に登録されています。

世界のクライマーはもちろんのこと、壮大な自然景観を楽しめる氷河特急などの旅も楽しめる観光地でもあります。

アレッチ氷河を含むアルプスのモニタリングを行っているスイスの研究機関は、このまま温暖化が進めば、氷河はアルプスから消滅すると警鐘を鳴らします。

岩滑りが増え、滑落や溶けだした氷河の水による災害も増え、頻繁に豪雨に見舞われるようになるとも言われています。

既にさまざまな地形変動や生態系の変化がみられているアルプスの山々。

周辺に暮らす人々にも大きな影響を与えています。

 

参考資料:Swiss Academy

 

 

ヒマラヤ山脈の氷河融解

ヒマラヤ山脈

エベレストをはじめとする数多くの有名な山々を有するヒマラヤ山脈。

アジア圏を代表するクライミングの聖地でもあります。

ヒマラヤ山脈には数多くの氷河が存在し、麓のインドやバングラデシュといった国々の水脈ともなっています。

近年、温暖化による気象変動の影響で、氷河が融け出し、多くの巨大湖を生み出していると言います。

この湖が決壊すると、ネパールをはじめとした下流域の国々に甚大な被害が予想されています。

また、氷河融解は、山々から流れ出す水を水源としている数十億人とも言われるアジア諸国に、深刻な水不足をもたらすと危惧されています。

 

参考資料:国際総合山岳開発センター

 

 

まとめ

世界中の研究機関で、温暖化による気候や環境の変化を研究し、監視を強めています。その中でも標高の高い山々では、より早くその影響を見ることができます。温暖化対策が叫ばれて久しくなりますが、地球の環境破壊は進み続けています。人類が神格化してきた山々の異変から、更なる温暖化対策の加速が急務であることを痛感させられます。

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