【新しい旅のカタチ】ニューツーリズムとして期待される日本のアウトドア業界

Greenfield

【新しい旅のカタチ】ニューツーリズムとして期待される日本のアウトドア業界

日本では、2007年に観光立国推進基本法が制定、翌年観光庁が設置されて以降、観光立国の実現を目指し、官民一体となったさまざまな施策が行なわれてきました。2016年には年間2,000万人を超え、過去最高の訪日外国人数を記録しましたが、更なる外国人観光客を獲得するために注目されているのが、ニューツーリズムと呼ばれる体験型の新たな観光資源です。

インバウンドを見据えたニューツーリズムとは

伝統

 

ニューツーリズムとは、大都市や観光名所を巡る従来の観光旅行に対して、テーマ性が強く、体験型や滞在型など、日本の生活や文化をより身近に感じてもらうことができる新しいタイプの旅行スタイルです。

日本人のアウトバウンドや、従来の旅行会社が企画していた団体旅行が中心のマスツーリズムでは、多様化するインバウンド旅行者のニーズに応えられなくなってきています。

とくに海外旅行のヘビーユーザーが多い、ヨーロッパの人々は、日本ならではの自然、歴史、伝統文化、産業や生活文化などを好む傾向にあります。

 

 

このような多様化する観光ニーズに応え、農村滞在や伝統文化の体験、自然やスポーツなど、テーマを絞った観光資源が多く計画されるようになりました。

また、これらのテーマが地域社会の特性を活かしやすいことから、地域経済の発展にも効果が期待されています。

ニューツーリズムの概念は、インバウンド向けの新たな地域密着型の観光資源であり、旅行商品、サービス、物流、また訪日外国人を誘導する交通手段も含めた、トータル的なトラベルシステムといえるでしょう。

 

 

 

エコツーリズ ム

自然

 

ニューツーリズムのカテゴリーの中で、地域固有の自然環境や歴史文化などをテーマにしているものをエコツーリズムと呼びます。

エコツーリズムは、2007年「エコツーリズム推進法」が制定され、その理念が知られるようになりました。

エコツーリズムは、観光資源を永続的に保護していくことを目的にしていて、自然や歴史、文化に触れ、学び、保護していくことで地域社会の安定を図るとしています。

 

こちらも合わせてご覧ください

環境省自然観光局エコツーリズム推進

 

実例としては、富山県上市町での滝行、写仏、護摩祈祷といった修行体験を行う「大岩ぷちみそぎ修行体験」、長野県関田山脈で行われる「自然環境調査」の体験や「トレッキングツアー」など、後世に遺したい自然や文化を体験、保護する活動を観光資源としています。

 

こちらも合わせてご覧ください

日本エコツーリズム協会

 

 

グリーンツーリズム

滞在型

 

グリーンツーリズムとは、農村、山村、漁村などに滞在し、その地域の自然、文化、そこに暮らす人々との交流を楽しむ旅行です。

主にヨーロッパで定着していた農村休暇型の観光スタイルで、近年日本でもその需要が急増しています。

スローライフなど都会では味わえない魅力と自然の美しさ、農業、漁業、林業などを体験し、そこで暮らす人々の生活を経験することは、心の豊かさを求めるインバウンド向けのコンテンツと言えます。

訪日外国人を迎え入れる農山漁村地域では、受け入れ態勢の整備が課題となります。

滞在型のグリーンツーリズムでは、農林漁家民宿、いわゆる民泊になることから、法整備を含めた準備、施策が不可欠です。

都心部にはない農村の魅力を発信し、体験してもらうことで、新たな魅力を再発見するグリーンツーリズムは、自然豊かな日本でこれからも期待される観光スタイルのひとつといえます。

 

 

ヘルスツーリズム

湯治

 

ヘルスツーリズムとは、健康の回復、治療、増進などを目的にした旅行で、地域の観光資源を活かし、食やスポーツなどを取り入れた観光プログラムです。

日本では昔から「湯治」と言われる温泉治療を目的とした旅行があり、江戸時代から観光資源として重要視されてきました。

健康志向が強い現在では、さらに科学的根拠に基づいてプログラムされ、温泉だけに偏らず、ヨガやスポーツ、自然や風土を生かしたコンテンツが考えられています。

 

こちらも合わせてご覧ください。

日本ヘルスツーリズム振興機構推進地一覧

 

スポーツツーリズム

プロスポーツ

 

スポーツを観光資源と捉え、「観る」「する」「支える」などの各方面からアプローチを行い、さまざまなシーンでのスポーツとの関りに、観光要素を含めたものをスポーツツーリズムと呼びます。

「観る」スポーツには、プロ野球観戦、Jリーグ、オリンピックや各競技会など。

「する」スポーツなら、スキーや登山、サイクリングやマラソンなど。

「支える」スポーツとしては、各大会ボランティアや地域チームサポーターなどが挙げられます。

スポーツ全般を観光の切り口として、参加型、滞在型の観光資源化することで、地域密着型のニューツーリズムとなると考えられてます。

 

オリンピック

 

世界的な大きなイベントとして、2019年ラグビーワールドカップ、2020年オリンピック・パラリンピックが日本で開催されます。

競技の観戦はもちろんのこと、各国関係者、ボランティアスタッフなど多くの訪日外国人が訪れることでしょう。

訪日目的のイベントだけではなく、交通から宿泊、グルメ、ショッピング、滞在地域での文化や人々との交流など、トータル的な「おもてなし」すべてがスポーツツーリズムといえます。

 

 

滞在・体験型のアウトドア観光事業

日本の自然

 

観光立国を目指し、世界中から旅行者を迎え入れるようになると、日本人が描いていたこれまでの観光目的と、訪日外国人の観光目的に差異が生まれてきました。

団体ツアーからインバウンドの多種多様な個人旅行にとニーズが高まり、迎え入れる観光事業体や地方治自体ではその動向に目を向ける必要があります。

 

 

観光庁の訪日外国人消費動向調査平成29年度集計によると、訪日観光の目的は日本食、ショッピングが多いのですが、自然・景勝地観光や歴史・伝統文化体験も増加傾向にあることがわかります。

また、満足度や「次回にしたい」観光の回答で、四季の体感、スキー・スノーボードを含めたスポーツ、生活体験など、まさにニューツーリズムが求められている結果が見て取れます。

日本の豊かな自然と歴史ある伝統を体験するアウトドア観光は、これからもインバウンド戦略の柱となる可能性を秘めています。

 

 

まとめ

日本は四季のある豊かな自然を新たな観光資源と捉え、さまざまなニューツーリズムが生み出されています。地方再生の救世主になる可能性があるインバウンド向け観光資源は、我々日本人が忘れかけていた伝統、文化、歴史、人々の生活をコンテンツに据えています。ラグビーワールドカップ、東京オリンピック・パラリンピックなど、世界的なイベントも見据え、日本が観光大国になることは、私たちの国土の美しさを世界に発信することにもなるのではないでしょうか。日本のアウトドア産業は、インバウンド向けコンテンツを充実することで、その実、日本の美しさを再発見し、後世へ遺すことに繋がるのかもしれません。

関連記事