ラニーニャ現象?今年のスキー場は雪不足の心配なし?!雪がたくさん降るメカニズムと環境問題の関係は?

今年の冬のスキー場も雪に恵まれ、順調なスキーシーズンを迎えています。しかし、なぜ雪不足に悩まされる年もあれば、雪国だけでなく都市部までが大雪で大混乱する年もあるのでしょう。今年のスキー場が雪に恵まれた理由と、その裏にある地球環境との関わりについてご紹介します。

今年は大雪!雪不足の心配はなさそうだけど?

2018年の1月は日本各地で大雪になり、とくに雪に不慣れな太平洋側の平野部では、交通機関は大混乱に見舞われました。

もっとも、ここ数年雪不足に苦しめられていた各地のスキー場は積雪に恵まれ、ウィンタースポーツ愛好家には朗報となっています。

しかし、なぜ極端な雪不足と大雪の年があるのでしょう?

そのお話の前に、日本に雪が降る仕組みについて解説します。

 

 

日本列島に雪が降るメカニズム

日本列島の冬は、通常は「西高東低の冬型の気圧配置」になります。

ユーラシア大陸で発生し、シベリア高気圧から吹き出す冷たく乾燥した北西の季節風は、日本海を渡り日本列島を吹き抜けます。

日本海は暖流の対馬海流があるため、北西の冷たい季節風が日本海を吹き抜けると、大量の水蒸気を含んだ雲が発生します。

この雲が、日本海側の山脈で上昇気流を起こし、雪雲を発達させ日本海側に大雪をもたらします。

 

 

なぜ地域で雪質が異なるの?

南北に伸びる日本列島は、背骨のようにいくつもの山脈が走っています。

じつはその山脈が、雪質の違いを生む「フィルター」となります。

たとえば、富山県富山市の山間部は豪雪地帯で知られていますが、日本海に面していて背後に北アルプス(飛騨山脈)があり、日本海を渡ってきた北西の湿った季節風は北アルプスで雪雲を発生させ、富山市山間部に湿った大雪を降らせます。

次に、その季節風は中央アルプス(木曽山脈)で雪雲と降雪をもたらし、南アルプス(赤石山脈)でも雪を降らせますが、次第に降雪量は減り乾いた雪質になります。

日本海に近いスキーエリアでは重い湿雪で、内陸部に向かうにつれ軽く乾いた雪質になり、最終的に雪のほとんど降らない群馬県平野部で上州名物の「からっかぜ」になります。

これが、日本海から渡ってくる雪雲の水分を、日本列島の山脈がフィルターのようにこしとる仕組みで、エリアで異なる雪質を生む理由です。

 

 

太平洋側は降らないはずなのに?

日本海側から太平洋側に向かう冬の季節風は、途中の山脈ごとに水蒸気を雪雲に変えて水分を減らし、最終的に乾いた冬風となって太平洋側の平野部を吹き抜けます。

これが、通常の冬型の気象現象です。

つまり、本来は太平洋側は雪が降らないのに、なぜ今年は大雪が降るのでしょうか?

 

ラニーニャ現象とエルニーニョ現象とは?

この大雪の原因のひとつとして、ラニーニャ現象が挙げられています。

ラニーニャ現象は、エルニーニョ現象と合わせて説明するとわかりやすくなります。

平常時の海面の温度と風の状況

平常時の太平洋熱帯地域では、貿易風が吹いているため海面の温かい海水が太平洋の西側へ吹き寄せられています。

そのため、インドネシア近海では海面下数百メートルまで温かい海水が蓄積し、太平洋の東部の南米沖は東風と地球の自転により海底から冷たい海水が上がってきます。

これにより、海面水温の高い太平洋西側では海面から水蒸気が盛ん上がり、大気中に大量に蓄積され、上空で積乱雲が発生します。

 

エルニーニョ現象で暖冬になる

エルニーニョ現象は、平常より東風が弱く、太平洋西側の温かい海水が東側に広がります。

それにより、海底の冷水は上昇できず、また太平洋赤道域中部から東部にかけ海面水温が平常時より高くなり、積乱雲が発生する海域が東へ移動します。

  • 日本への影響は?

気圧配置に影響を及ぼすため、長梅雨になり夏は冷夏、冬は暖冬になります。

 

ラニーニャ現象は大雪になりやすい

ラニーニャ現象は、平常より東風が強く吹くため、太平洋西側に温かい海水がより多く蓄積します。

また、太平洋の東側では、冷たい海水の上昇が平常時より強くなり、太平洋赤道域の中部や東部では海面水温が平常時より低くなり、インドネシア近海の海上で積乱雲が平常時よりいっそう盛んに発生します。

  • 日本への影響は?

冬は西高東低の気圧配置が強まり、シベリア高気圧が平年より強く張り出すため日本列島に寒気が流れ込みやすくなり、通常の雪を降らせるメカニズムが強まり降雪量が増えます。また、梅雨は短く夏は猛暑の傾向になります。

 

 

黒潮大蛇行と重なる相乗効果とは?

気象庁は、2017年9月末に黒潮大蛇行が12年ぶりに発生したと発表しました。

黒潮大蛇行は、日本列島に沿って北上するはずの黒潮が、紀伊半島から東海沖で離岸して北緯32度より南に蛇行する現象です。

この現象が冬まで続くと、雪をもたらす低気圧が関東平野に寒気を引き込むため、都市部で大雪をもたらします。

今年の冬の豊富な積雪量は、ラニーニャ現象と黒潮大蛇行という平常ではない現象が重なったためといえます。

 

 

雪と親しむために地球温暖化について考えたい

じつは、エルニーニョやラニーニャ現象は、本来はごく自然な現象といわれています。

しかし、この2つの現象が、地球規模で大規模な干ばつや極端な大雨・大雪をもたらす猛烈な異常気象となったのは、地球温暖化の影響とされています。

温暖化で、海面から大量の水蒸気が放出されることで、地球の大気や海流の循環に大きな影響を与えています。

そして、異なる2つの気象現象の振り幅が大きくなることで、大干ばつの後に大雨が続きその逆も発生するため、より大きな被害をもたらします。

地球温暖化は、ウィンターシーズンの雪便りを心待ちにしている私たちの目の前にある大きな課題です。

便利な暮らしを手放すことはできなくても、気温上昇の原因となる二酸化炭素の排出量を減らすためにできることがあります。

冷暖房を控えめにしたり、マイカーより公共交通機関を利用するなど、個人でも省エネは可能です。

小さな工夫を積み重ね、地球温暖化防止に役立てて、毎年の雪便りを心穏やかに迎えたいものです。

 

 

 

まとめ

人類の便利な生活が、地球環境に影響を及ぼしている事実があります。しかし、環境の激変を異常気象という形で地球が発したメッセージや、行き過ぎた豊かな暮らしに気づけたのも人類です。自然と共存して暮らすために、目の前にある環境保護を続けることが重要だと思います。

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