登山の危機管理~低体温症のリスクと症状・対応について

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登山の危機管理~低体温症のリスクと症状・対応について

自然の美しさの中、歩くことができる登山はとても素晴らしい趣味です。しかし、登山には危険もあり、装備などをしっかり準備しておかないと大変な事態に陥ることもあります。登山を末永く楽しむためにも、登山の危険について事前に知っておきましょう。今回は、遭難事故や滑落事故の原因にもなる低体温症についてお伝えしていきます。

低体温症とは?

体温が35度以下になり、震えや意識が朦朧とするなどの症状が出る状態のことです。

夏山でも低体温症になることはあり、2009年7月に起こったトムラウシ遭難事故は8名の死亡者を出しました。

 

 

体温が極端に下がると、自力で回復することが難しくなり、最悪の場合死に至る可能性もあります。

また、低体温症になり意識が混濁し、遭難事故や滑落事故につながることもある、非常に怖い状態です。

 

 

低体温症の原因

低体温症の症状が事故につながる多くのタイミングは、出発から運動量が上がり一時休憩をとった後の体温低下をきっかけに、「気が付かない」状態が悪化の大きな一因となる事が多いようです。

山は平地と違って気温が低いです。

風も強く吹くと、体の熱をどんどんと奪っていきます。

風速は1m/秒増すごとに、体感温度が1度下がるといわれています。

目安として、気温が10度以下風速10m/秒以上であれば、低体温症の危険があると考えておきましょう。

また、汗も体温を下げる原因となるため、衣服の調整も重要になります。

 

 

しかし、これらは事前準備をしていけば防げるものともいえます。

例えば、天候の悪い日は登山を中止する、防寒着を用意して早めに体を温めるようにするなどで、最悪の事態は避けられるはずです。

 

 

低体温症の症状

体温が35度以下になると、体が熱を作ろうと震えの症状が出てきます。

運動能力が低下し、最悪立てなくなる場合もあります。

脳に影響が出て、判断能力が低下することもあるため、周囲の人が気づくことも大切です。

体温が34度以下になると震えが止まり、ここまで来ると自力で回復するのが難しくなってしまいます。

さらに体温が下がると意識が朦朧とし、意識がなくなり、心肺機能が低下していきます。

最悪死に至ることもあるので、一刻も早く対策を取る必要があります。

 

 

低体温症になってしまったら?

体温が35度以下になってしまったら、ツェルトなどで体を包み、暖かい飲み物などを口にします。

なるべく風や雨にさらされない場所で休憩するようにしましょう。

体温が34度以下になっていなければ、体を温めることで、徐々に回復していくはずです。

 

出典 mont-bell

体温が34度以下になってしまったら、自力での回復は難しいです。

それどころか、急激に体を温めると、心臓に負担がかかることがあります。

すぐに救助要請をして、救助隊の指示に従う様にしましょう。

体温34度以下は非常に危険な状態なので、体温35度以下の症状が出たらすぐに対策をすることがとても大切になります。

 

 

装備をしっかり確認しておこう

山では季節が一足早く進んでいきます。

9月に入れば、アルプスの山々は0度前後になることもあるのです。

普段の生活では、半袖短パンで過ごしていても、山で同じ感覚でいるのは危険です。

山の気温や天気、風速に敏感になり、最適な装備で登山をするようにしましょう。

レインウェアをいつも持参するのは、基本ですよね。

また、体は先端から冷えていくので、手袋も大切な装備です。

 

 

「寒い」と感じたら面倒くさがらずに、上着を羽織ったり、手袋を装着したりして、体温の調整をするようにしましょう。

エネルギーを作る行動食や、脱水症状を防ぐ水分も大切です。

この2つは、登山の基本ですが、低体温症を予防するためにも必須です。

低体温症の症状が出てしまった場合のために、ツェルトやエマージェンシートも必ず持参しましょう。

 

 

まとめ

トムラウシ山の事件は非常に痛ましいものでした。ガイドもついていたのに、いくつかの判断ミスが重なり起こってしまった事故。山への備えを怠っていれば、このような事故が起こる可能性を否定できません。山で自分の身を守るのは、自分ということを覚えておきましょう。誰かに頼るのではなく、低体温症を防ぐための装備は自分で用意する必要があります。また、自分の体に敏感になり、レイヤリングや休憩のタイミング、時には来た道を引き返すなど、自分で判断していく癖をつけていくようにしましょう。

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